昨日、正式に仏門に入る儀式が行われました。タイ語では「ピティー・ブァト・ネーン」と言います。「ピティー」は儀式、「ブァト」は出家して仏門に入ること、「ネーン」は子供のお坊さんを意味します。
女性を含む大人が白装束でお寺に泊まり込み、瞑想したりお経を唱えたり、偉いお坊さんの講話を聴いたりする修業とはまったく違って、タイの男の子の多くは、一定期間だけですが「本当のお坊さん」になってしまいます。その間は、本当のお坊さんと同じ戒律に従って生活を送ります。そして同じ「特権」も有します。
息子がお世話になっている「ワット・ラム・プーン」は、タイの子供たちの出家だけでなく、外国人を含む一般人男女の泊まり込み修行を広く受け入れている寺としてよく知られています。
重要な儀式のあるこの日、12時過ぎにお寺を訪れてみると、息子はお昼ご飯を素早く済ませ、一足早くお坊さんになったオレンジ色の袈裟を身に着けた子供と何やらゲームで対戦している最中でした。左側の腕組みしている子が息子です。お寺に入って4日目でしたが、普段とまったく変わらず、楽しそうに遊んでいたので安心しました。
午後1時、お坊さんの先導で子供たちは宿舎を出て、儀式の行われる本堂に向かいます。
なかなかに立派な本堂です。5000万バーツ(約1億5000万円)の寄付で今年の1月に完成したばかりで、木材はすべてマイサック(チーク材)を使っている(超)高級建築です。
今回出家してきた男子は全部で53人、タイの学校が夏休みの4月に、2週間だけお坊さんになる子供たちがほとんどです。中には1か月、あるいはそれ以上お寺に入る子もいます。
この日は親も勢ぞろいしました。チェンマイの中心部にある超有名なお寺「ワット・プラシン」の偉いお坊さんが予定の開始時間を1時間以上過ぎた2時半になって到着し、儀式が始まりました。
写真は載せていませんが、偉いお坊さんの講話が始まる前に、子供全員の両親の名前が呼ばれ、父母のどちらか、あるいは両方が子供の横に一緒に座って真新しいオレンジ色の袈裟を受け取りました。両親のうち、最初に呼ばれるのは母親で、子供の横に座ったのもほとんどが母親でした。私だけでなく、多くの父親はギャラリーから見ているだけと言う図でした。仏教は父親よりも母親の存在に重きを置いているのか、あるいは母親を先に呼ぶのはタイならではなのか、そこのあたりは良くわかりません。
本堂に一同が会してから2時間以上がたった3時過ぎ、僧侶たちの手助けを受けて全員が別の場所でオレンジ色の真新しい袈裟に着替え、本堂に戻ってきました。
お坊さんになった息子です。数時間前までゲームで遊んでいた時とは全くの別人です。急に俗世間から切り離されたように見えるから不思議です。自分の子供であっても、もうこれまでのように名前を呼び捨てにはできず、この瞬間から名前の前に「ネーン」という若い僧侶への敬称を付けて呼ぶことになります。
全員の記念写真も撮りました。
そして、お坊さんの「特権」と書きましたが、タンブン(お布施)を受けることもできるようになりました。さっそくこの日集まった人たちからタンブンを受け取るため、本堂を出て境内を少しだけ歩きました。
息子は恥ずかしそうに伏し目がちに歩いてタンブンを受け取っていました。タンブンの額は様々ですが、中には100バーツ紙幣を50枚以上用意して、お坊さんになったばかりの子供たち全員にタンブンしている人もいました。受け取ったタンブンは自分で保管するのだそうです。お寺への寄付でなく、お坊さん一人一人へのタンブンですから、それはお坊さんのものなのです。特権と書いていいかどうかは分かりませんが、そういうことなのですね。お小遣いをたんまり貰ったのとは、ちょっと意味が違うとは思いますが・・・
今回一緒に出家したゴルフスクールの友達のH君、いや、ネーンHとの2ショットです。学年はひとつ下ですが、ネーンHも息子と同じバイリンガルスクールに通っていて英会話が達者です。それはともかくとして、丸顔なのでネーンHの方が息子よりもお坊さんらしく見えますね。
これから2週間、彼らはそれなりに厳しいお坊さんとしての戒律を守って生活していきます。妻に言わせると、昨日の儀式の後、わがネーンに早くも良い変化が表れてきたそうです。2週間後に還俗してからも、それが持続できるといいですね。
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良い変化って何なんでしょうかね~? 言葉使い
かな? 姿勢かな? 想像もつきませんが彼なりに
貴重な体験中でしょうね。
俗っぽい話で申し訳ないですが 毎年自社の社員を
自衛隊に体験入隊させている社長さんの話によると
1日の時間の大切さや計画性を認識して行動や
言葉が機敏に洗練され人間的にも成長する
と言っていましたが社会人でもそれだけ違いますから
まだ個性や人格が形成中の彼等にとっては家庭や
学校では得ることの無い刺激でしょうね~。
私も毎年1週間~2週間程はそのような環境に身を
おきたいものだと 少し羨ましく感じますね・・・・・・
息子さんが大きく成長されることを祈っております。
もうひとつのタイの成人儀式、徴兵というのもありますが………
息子の変化というのは、親に対する言葉使いについてです。まるで友達と話すように対等、あるいは偉そうに話すことがなくなったようです。確かに、タイ語でも日本語でも乱暴な言葉使いがありましたから、それが直るのはいいことです。
なるほど、母親はいくら頑張っても僧侶になれないので、可能性のある息子の出家に熱心なわけですね。それで、父親よりも協力の度合いの大きい母親が先に呼ばれるのかもしれませんね。
知り合いで、母親が亡くなってすぐに3か月間出家した青年がいました。男の子の母親への思いと出家も、関係が深いのかもしれませんね。
タイの徴兵制度は面白ですね。一旦徴兵検査に合格すると、「バイダム・バイデーン」というカードを、おみくじを引くみたいに引かされるそうです。黒いカードを引いたら兵役は免除、赤だったら兵役確定だそうです。つまり、タイ男子の兵役の確率は50%ということですね。
タイ、奥深いですね。息子さん、かわいらしい!
Facebookの自動翻訳で「アーメンアーメンアーメン‥‥」ひどいですよねぇ( ̄▽ ̄)
タイにまた遊びに行きたくなりました。