昨日8月1日の朝の出来事でした。それは何の前触れもなく突然にやってきました。
いつものように、7時過ぎに子供たち3人を乗せて、愛車のPajero Sportは静かにガレージから出ました。目指すは2つの学校です。距離にしてわずかに2キロ。歩いても行けない距離ではありませんが、朝夕は交通量の多い細い道なので、安全のためにも毎日送り迎えしています。
家を出て700メートルほど行くと、スーパーハイウエーと呼ばれている片側3車線の広い道路を横切ります。もちろん信号があります。そこを通過すると、車が行き違うのがやっとくらいの細い一直線の道が、目指す娘たちの学校まで通じています。
スーパーハイウエーの大きな交差点から300メートルほど進んだところに信号のない複雑な交差点があります。その真ん中には鉄道の踏切もあります。ここで魔の瞬間が待ち伏せしていようとは、私も同乗している3人の子供たちも、そして白い愛車も、夢にも思っていなかったのです。
イメージがつかめるように、場所を図示しましょう。
緑が私の車です。黒い太い点線は鉄道の線路です。バンコクとチェンマイを結んでいます。私の車は下から上に向かって進んできました。もちろん道路Aと交差する手前で一旦停止しました。道路Aは交通量が少なく、しかも道幅は片側1車線ですが、10メートルくらいはあります。
踏切の先にすぐ道路Bがあり、ここで警察官が朝夕交通整理しています。私は道路Aの手前で30秒ほど待ちました。道路Bの左右の車を警察官が止め、タテ方向に進む車に対して手招きしました。私は左右をもう一度確かめてから道路Aを横切りました。右からかなりのスピードで走ってくるバイクの姿がありましたが、距離は遠く、100メートル以上離れているように見えました。私は踏切に向かって道路Aを横切りました。
道路Aをほとんど渡りきろうかというとき、踏切を目の前にして速度を落としたところで、ドーンという大音声と衝撃が走りました。何かが激突です。運転席の窓からは何も見えないので、何がどうなったのか、一瞬理解できませんでした。でも反射的にブレーキを踏んでいました。というより、踏み切りまで5メートル余りの位置だったので、人間の歩くくらいの速度になっていたと思います。
「えっ?まさか、バイク?」そう、それ以外に考えられません。自転車でそんな衝撃がおきるわけもなく、自動車だったら窓から何も見えないはずがありません。それにしても、左からぶつかってくるならまだしも、この位置で右側からぶつかるものがあるとは到底考えられません。私の車はとっくに反対車線に入っているからです。
私はすぐにドアを開けました。そこに見たものは・・・・
現場です。向こう側のチョークが私の車の4つの車輪。手前は激突して矢印方向に飛んで横たわったバイクの位置。私の車は、この写真の左から右へ進入。バイクはなぜか反対車線を走ってきて激突しました。踏切監視員の証言によると、バイクの速度はおそろしく速く、ブレーキはまったくなし、激突の衝撃で乗っていた青年は宙に舞ったので、その一瞬は死んじゃったと思ったそうです。
分かりやすくすると、こんな感じです。車はすぐ目と鼻の先に踏切があるので、速度はほとんど出ていません。一方、赤い線のバイクは猛スピードで車の前を駆け抜けようとしたのかもしれません。だから、真っ直ぐか、むしろ左寄りに走ればよかったものを、右側に寄ってしまって衝突したのでしょう。
激突したのはドアの下部ではないかと思います。
運転席ドアの下腹部に、まるでライフルか何かで撃たれたような穴があいています。最初の激突か所はここでしょう。その次の瞬間に、車のボンネットの右横に乗り上げるようにぶつかったと思われます。
一部始終を目撃していた踏切監視員の証言も、「バイクがブレーキもかけずに、ものすごいスピードで車に突進していった(体当たりのように)」となっています。
道路Aの制限速度は、この交差点付近は30キロです。私が道路Aを渡り始めたときに、バイクが100メートル離れていたとすると、もし制限速度の30キロだったら、100メートル走るのに12秒ほどかかります。ところが、仮にバイクが80キロで走ってきたとすれば、1秒で22メートルほど進みますので、4秒余りで交差点に到達します。
仮にバイクが80キロで走っていたとしても、右の反対車線にハンドルを切らずに、左車線をそのまままっすぐ走っていれば、その速度でも、私の車のお尻をかすめて通り抜けられたのではないかと思います。あるいは、私の後続の車を避けようとして右にハンドルを切ったのでしょうか?いずれにせよ、まったくブレーキもかけずにスピードを出したまま、2トン以上ある車に突進してくる根性にはあきれます。
この事故の、いかにもタイらしい意外な結末は、次回にしましょう。
あるブログに書いてありましたが、対向車線をオートバイ2台が競争しながら走ってきたので車を停め、通り過ぎるのを待っていたらその内の1台が突っ込んで来たそうです。
こちらが気をつけていても、向こうから突っ込んで来たら防ぎようがないですね。
幸い、皆さんに怪我がなくて良かったですね。
次回が気になります。
つまり、「バイクは車に対して絶対にブレーキをかけないものだ」という事実を肝に銘じておくべきでしたね。
また相手がかすり傷で済んだだけでも、こちらも儲けものと考えるよりありません。子供も大したことがなかったですし。