(14歳の誕生日の姉~去年の夏バンコクの自宅で)
僕の天敵は一番上の姉です。天敵って、要するに食うか食われるかの関係ですけど、
僕は食べる気はありません。
大体二人で喧嘩をしない日はありません。そのたびに二人とも母に叱られます。
姉から逃げたいと思う時もたまにはあるけど、泣いても笑っても姉弟だから、僕は我慢します。
姉のTは日本で生まれて日本の幼稚園へ行ってたくせに、もうほとんど日本語をしゃべりません。
父に対しても、「こんばんは」と「ちょっと待ってくださいね」と「おやすみなさい」の
3つくらいしか使いません。
父が何を頼んでも、「ちょっと待ってください」となっちゃうんです。
(7年前の二人の姉~親戚の家で)
僕と姉の間にもう一人姉がいます。名前はまたまたというか、たまたまというか、Tです。
もちろんTはTですが、同じ名前じゃないです。
上の姉のTはなぜか勉強ができるんです。先生の覚えもめでたいです。
下の姉のTは、学校の成績は僕よりも振るわず、算数もダメ。
ところが特技は貯金です。三人のなかで一番ケチです。
父は「倹約家だね。」と擁護してましたけど、単にお金が好きなだけなんじゃないですか~。
あっ、いけない。僕がやっつけなければならないのは、下の姉じゃなくて、天敵の、上の姉でした。
(最近の姉たち~バンコクの遊園地・スワンサヤームで。もちろん左が天敵の姉です。)
天敵のT姉ちゃんは学校の先生にはものすごく丁寧な言葉遣いをします。それなのに、
母には「ため口」をたたくんです。だから、いつも母はかんかんに怒ります。
そのとばっちりが僕に及んでくることがあって、それが一番嫌なのです。
僕は何にも喋ってないのに、一緒に怒られることがあるんです。
(14歳の時の姉~カムペンペットで)
姉は写真を撮られるのが大好きなんです。勘違いしてモデル気取りかも。
多分男の子にちやほやされ始めてるんだと思います。
天敵の姉は今年になって急にボーイフレンドが出来始めたんです。
それまでは女の子の同級生ばかりと付き合っていたのに。
で、ときどき男の子が家に遊びに来るようになりました。どうも年上みたいなんです。
母は表面では「いらっしゃい」とか言って穏やかな顔を作りますけど、内心は穏やかではないんです。
普通は父親が穏やかでなくなるんじゃなかったですか?多分、母は父の代わりを務めてるのかもしれません。
学校からの帰りが遅い時は「またあの子と一緒にいたんでしょ!!」と母はものすごい剣幕で怒り始めます。
そうなった母は、もう手がつけられません。姉が何を言っても聞く耳を持ちません。
まあ、姉の口のきき方に問題があるんです。
タイ人の子供は、どんな時でも親の言うことを聞かないといけないんです。
親に逆らうことは許されないんです。日本とは違います。
ところが母と姉は、日本語にすると、こんな会話をするんです。
「何で今日も遅いの?」(母は、出だしはいつも穏やかな質問調です)
「何だっていいじゃない。」(あっ、やば。いきなりこの口のきき方はまずい!)
「よかぁないよ。何してたのか言いなさい。」(声の大きさが一気に2倍に)
「学校に居たんだから、いいじゃん!」(あっ、母の顔色が変わった!やば~)
「おい、きさま、その口のきき方は何だ! 親に向って言う言葉かよ!」(やくざっぽくなってきたよ。まずいよ。)
「だから学校に居たって言ってるじゃん!」
「ウソ言うんじゃねえよ。こっちは何でもお見通しだぜ。ほんとのこと言わねえなら、ただじゃおかねえぞ!」
(いつものパターンにはまってきた!)
「ウソなんか言ってねえよ!ウソだと思ったら友達に聞いてみなよ!」
(この翻訳、ちょっと、やりすぎかな?でも、家での言葉遣いはいつも生意気なんです。)
このあとは、もう二人の堂々巡りで、言ってる内容は同じで、言い方だけがどんどんエスカレート、
大体1分くらいで母は沸点に到達。
まず右の手が出て軽くジャブ。それでも姉がため口たたいてるから、ジャブが平手打ちにギアチェンジ。
それで、姉が謝らずにさらにエスカレートするので、母は激昂して・・・というパターンです。
下手すると同じパターンが2日に1回は見られます。
パシッ!バシッ! あれだけいい音がするのに、姉が怪我したことは一度もないのが不思議です。
母が天才的に手加減してるとしか思えません。でも、きっと痛いんだ。ときどき泣いちゃうから。
もしここが日本だったら、「姉に問題はあるけど、母ももっと冷静になるべきだ」
とかいう結論になるんじゃないですか?
でもタイだから、姉に分があるとは思えないのです。カムペンペットのおばあちゃんがいるときでも、
姉の味方はしません。
母の妹のジョンやペンがいても、姉のことをたしなめるだけで、母を制止することは絶対ありません。
それがどうやら「タイ流」のようなのです。僕は個人的には好きじゃないけど。
唯一、違う状況になるのは父がいるときです。
父が下手に割って入ると、母はますます興奮して、今度は父に向っていきます。
以前の父の態度は「弱い者の味方」みたいな感じで姉をかばうことが多かったんです。
でも父は学習を積み重ねたみたいで、最近はしばらく静観してから、やわらかく言うんです。
「君たちのタイ語が早すぎて意味がさっぱり分かんない。ちょっとこっち来て、
説明してくれないかな。」みたいなことを言うんですね。
母は「あんたには関係ない。黙ってろ。」みたいなことを父に言うんですけど、
「黙っててもいいけど、お前は俺の奥さんだし、そいつは俺の娘なんだから、関係ないわけにはいかないわな・・・」
とか、やんわりと受け流すようになったんです。
そしたら効果てきめんです。母が父のところに行って姉を非難するんですが、「ふむふむ」とうなずくだけの父。
そうすると母のテンションが下がってくるみたいなんですね。
父は何か心理学の勉強でもしたのかもしれません。
そうすると、姉も落ち着いてきて、「ごめんなさい」と母に言えるようになるのです。
一気にクールダウンして、一件落着になるんです。
わが家の恥をさらすみたいですけど、「ぼくたち、やっぱり家族なんだなあ!」
と思える瞬間なんですね、これが。
でも父がいないときは大変です。日本でスカイプで見てても、父は手出ししようがないんです。
パソコンに向って静かになだめるなんて不可能。
その時は父も大声出して「おい、いい加減にしろ!もうやめろよ!」って怒鳴ってるんですから。
これでは仲裁になりません。
下手すると、タイと日本で怒鳴り合いです。そんなときは母に叩かれて姉はすごく痛がるけど、
それでも1回も怪我したことがないから不思議です。
少しくらいアザができれば薬になるのに!!!
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