今日は親子の対話シリーズ序章です。
まだあどけなさが残る小学5年の息子は、日本での良い思い出をいっぱい持っています。大人になったら日本に住むのか、それともタイを選ぶのでしょうか。私は、家族のいるタイへの移住を決めたとはいえ、まだまだ不安はあります。これまで積み上げてきた多くのものを捨てて新天地へ向かうには、それなりの勇気がいります。“家族への愛”、それがすべてのエネルギーの源なのです。
(僕=息子)
お父さん、タイ料理はもういいよ。僕が食べたいような料理じゃないから。
おいしいステーキの写真があったら載せて。写真じゃなくて、本物がいいけど。
(私=父)
はいはい。ネタはあるけど写真が少なくなってきたから料理はまたの機会にする。
チェンマイに限らずいいお店を見つけて、今度はちゃんとしたカメラで撮影するよ。
(僕)
閑話休題。ところでお父さん、本当は日本とタイのどっちに住みたいの?
(私)
閑話休題って、いきなり何だよ。びっくりするじゃないか、そんな質問。
(僕)
お父さんがチェンマイに移住して、家族みんな一緒に暮らすのはいいけど、
タイに住んだらもう日本に帰らないの?
(私)
1年に1回、1週間くらいは帰るかもしれないし、全然帰らないかもしれない。
会社をやめたら今の社宅には住めないし、自分の家もない。
お前の日本のおじいちゃんもおばあちゃんも、もうこの世にいないから身軽だし。
それに身軽と言えば、日本には今は愛人も恋人もいないしね。
(僕)
今はいないって、前いたみたいじゃないか。ママに言いつけちゃうよ!
(私)
し~っ!お姉ちゃんの二の舞になるのは御免こうむりたい。
(注 この意味の分かる人は、ブログをよく読んでくれてる人です)
(僕)
僕はね、本当は日本に住みたいんだ。
何でって、学校のグランドがタイより大きいし、お菓子は好きなものがたくさんあるし、
ステーキはおいしいし、それにディズニーランドがあるから。
1年のときのMちゃんと、3年の時のKちゃんにも会いたい。
それに、回転ずしでイクラをいっぱい食べたい。
(私)
なんだ、そんな理由か。ディズニーランドだったら、そのうち連れてってやってもいいぞ。
(僕)
遊びに行くだけだったらつまらないよ。またママも一緒に日本に住めないの?
(私)
お姉ちゃんはどうするのさ。日本語もできないから学校が大変だ。
(僕)
そんなの勉強すればいいだけだよ。僕だってタイ語忘れてたけど、すぐに思い出したでしょ。
(私)
上のお姉ちゃんは来年高校だから簡単じゃないんだ。下のお姉ちゃんはもっと大変だと思うよ。
(僕)
そうかなあ。ほかに理由があるんじゃないの?ほんとにタイが好きなの?
(私)
そう問い詰められると、お父さんにもわからないんだ。
もともと日本が嫌いになったわけじゃない。ママとお前がタイに行ったから、
仕方なくお父さんもタイに住むことにしたんだよ。
(僕)
仕方なく?それでいいの?お父さんは。
(私)
仕方なくっていうのは言いすぎかもしれない。
お前やママがいるところなら、どこだって行くよ。それがたまたまタイだっただけだよ。
そして、たまたまタイはいいところだっただけだよ。
これからのお父さんの人生は、もうお前たちのためだけにあるようなものなんだ。
(僕)
よくわからないな。
お父さんも日本で生まれたんだから、日本にいたいんじゃないの?
(私)
・・・・・・・・
(僕)
だから、両方に住めばいいんじゃないの?
(私)
そんな贅沢はできないんだよ。ママと2人だけだったらできるかもしれないけど。
お姉ちゃんやお前には、これからまだまだお金がかかるんだ。
タイに住んでれば、お金の心配はないんだよ。
(これから物価が異常に上がれば別だけど)
(僕)
結局お金のことに行きつくわけ?
それならしょうがないけど、それでお父さんは納得してるの?
(私)
さっき言ったように、お前たちがちゃんとした大人に育ってくれれば、どこに住んでもいい。
タイに住む方が、お前たちが幸せになれると考えたんだ。
(僕)
・・・・・・・
(私)
こんな話を、今度チェンマイに住んだらゆっくりしような。
(僕)
僕も来年は6年生だから、きっとお父さんの気持ち、今より分かるようになってると思うよ。
(私)
背伸びしなくてもいい。
もし日本が好きなら、お前は大人になって日本国籍を選べばいいんだ。
そのかわり、一生懸命勉強しないと日本の会社には入れないぞ。
(僕)
は~い。でも、
僕が大人になるころは、タイの方が豊かになってるかもしれないよ。
だから僕の夢はタイでケーキ屋さんをやることなんだ。
このブログで、もう3回もケーキ屋さんになるって宣言しちゃった。
ところで、タイの方が今でも豊かだったりしてね。
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