楽園づくり ~わが家のチェンマイ移住日記~

日本とタイで別々に生活してきた私たち家族は、チェンマイに家を建てて一緒に暮らし始めました。日常の出来事を綴っていきます。

タイのお葬式

2015-02-03 23:38:07 | タイの暮らし

先週、妻の叔父さんの一人が急逝しました。まだ61歳でした。とくに大きな病気をしたこともない元気な人だったのに、急に呼吸が苦しくなり、地元の病院へ入院しました。検査しても病気が何なのかよくわからないまま、3日目に亡くなってしまいました。

妻は先週の金曜日から3日間、お葬式に参列するためにカムペンペットへ行きました。チェンマイからはバスで4時間半くらいです。中学生の息子が4歳から6歳にかけての2年間、一時的に日本を離れ、亡くなった叔父さんの家で暮らしたことがあり、とても世話になったので、一緒に行きました。

私自身はタイのお葬式を直接見たことはありません。妻の祖母が7年前に約90歳(本当の年齢は不詳)で亡くなったとき、葬式の写真をたくさん見せてもらったので、大体のイメージはありました。

タイのお葬式の一般的なことは分かりませんが、今回の叔父さんの場合、亡くなってから5日間は遺体をお寺の中に安置し、親戚や知人、近所の人たちの弔問を受けます。この写真がその祭壇です。妻も写真に写っています。毎晩お坊さんが読経し、それを聞きに親戚はもちろん、近所の人たちがたくさんやってきます。要するに、通夜が5日続くということです。場所によっては、7日間というところもあるようです。

そして6日目に、日本式に言えば告別式に当たる儀式が境内で行われます。

棺は安置されていたお寺の部屋から外に出ます。棺と一緒に歩くのは亡くなった叔父さんの弟や妹をはじめ、直接の血縁がある親戚です。

そのあとに続くのは家族です。遺影を持っている女性が亡くなった叔父さんの奥さんです。つまり、妻の叔母さんです。その右が長女です。よく見ると、全員ではありませんが裸足の人が多いですね。原則は裸足が望ましいのだそうです。こうやって行列を作ってお寺の中を3回まわります。

亡くなった叔父さんの直接の血縁、奥さんの血縁を合わせると、親戚は全部で50人くらいでしょうか。花を持っている女性は妻の妹です。その後ろに続くのは、本人や親戚の友人・知人です。親戚以外は、手に何も持たないで回ります。

地元の子供たちの楽団も回ります。

子供(ネーン)を含むお坊さんたちも一緒に回ります。

棺と一緒に人々が回るのは遺体を焼く「メールマート」と呼ばれる場所の周りです。

階段が見えている場所が「メールマート」です。日本語では何といえばいいのでしょうか。火葬場でしょうか?

ここで近しい人たちが最後のお別れをしたあと、火葬されます。

煙突が見えますね。タイでは火葬場はお寺の中にあるのです。

写真はありませんが、日曜日に行われた告別式では、妻は抗がん剤治療と放射線治療を同時にやっている身にも関わらず、受付を担当しました。

日本と同じように、弔問に来る人は「香典」を持参します。もっともタイでは香典ではなく、「タンブン」となります。多い人で2000~3000バーツ、少ない人で200~500バーツと様々だそうです。妻は親戚なので、2000バーツをタンブンしたみたいです。日曜日の参列者は、全部で600人くらいだったようです。

亡くなった叔父さんは、勤め人ではなく、ピックアップトラックで物を運んだりする自営業をしていた全くの庶民ですが、結構な参列者の数ですね。つまり親戚や地域の人たちにとって、お葬式は極めて重要な意味を持っているということです。

ご遺体の写真が娘さんのフェースブックに載っていました。いかにもタイらしいですね。チェンマイの家にも2回来てくれて、おいしい料理を作ってくれたり、「泊めてくれたお礼です」と言って雑草取りをしてくれた優しい叔父さんのご冥福をお祈りします。

ブログランキングに参加しています。よろしかったら、お手数ですが引き続きクリックをお願いします。

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ    タイ・ブログランキング   人気ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (経験者)
2015-02-05 16:40:38
うちもつい最近身内でやりましたけど香典は少ない人で20、多い人でも1000でしたよ。数百人分を平均したら100にも満たなかったので200~500ならじゅうぶん多い方です。少ない人で200って外国人プライスじゃないでしょうか。あと火葬場はお寺の中になかったです。
返信する
タイお葬式 (シャム猫♂)
2015-02-05 19:20:21
ご愁傷様です。

メールマートとは『黄金の火葬亭』と、タイ日大辞典(冨田竹二郎編)にありました。
メールは火葬台、マートが須弥山(しゅみせん)の意味ですが、「須弥山を模した屋根付き火葬炉」と言うところを詩的に表現したものだと思われます。
返信する
タイのお葬式 (シャム猫)
2015-02-05 23:50:46
うさぎさん、申し訳ありません。先のコメントは大間違いです。辞典から書き写したメモを取り違えてしまいました。知ったか振りをしたバチが当たりました。
正しくは、以下の通りです。

メールマートは『黄金の火葬亭』とタイ日大辞典(冨田竹二郎編)にありました。
メールは須弥山(しゅみせん)、火葬台、マートは黄金の意味。
鉄囲山(てっちん)に囲まれた中央にそびえる須弥山。火葬台は屋根に尖塔があり、垣をめぐらせてあることから須弥山になぞらえてメールと呼ばれるそうです。
返信する
経験者さんへ (うさぎ)
2015-02-06 10:42:09
コメントありがとうございます。
タイの香典は地域によって、人によってさまざまなのでしょう。今回のケースでは。親戚はいわゆる香典ではなく、お寺へのタンブンをしました。

香典として一般庶民が1000バーツ以上持ってくることはあまりないと思いますが、その地区の長(プーヤイバーン)など、いわゆる有力者は2~3000バーツ奮発するそうです。
返信する
シャム猫♂さんへ (うさぎ)
2015-02-06 11:01:34
コメントありがとうございます。
こちらではコメントの一部修正は物理的にできませんので、いただいたコメントは2つとも載せました。それでよかったでしょうか。

「黄金の火葬亭」と出ていましたか。「火葬亭」というのは珍しい言葉ですね。須弥山はサンスクリット語で「メール(メル)」と言うらしいです。タイ語に入り込んでいるたくさんのサンスクリット語のひとつのようですね。
返信する
タイのお葬式 (シャム猫)
2015-02-06 19:40:42
うさぎさん、お騒がせしました。

「メールマート」は上品な言葉の様です。「プラメールマート」と言うと高貴な方の場合に使うそうです。
一般ではメールの語尾変化のない「メーン」=火葬台とか、「タオパオ」=火葬炉と言う様です。


返信する
タイの火葬場 (うさぎ)
2015-02-07 00:00:33
シャム猫さん、詳しいコメントありがとうございます。
いろいろ聞いてみたところ、県によって火葬亭(火葬台)がお寺の中にある県と、そうではない県があるみたいです。たとえば妻の実家のあるカムペンペット県やお隣のターク県では、小さいお寺でも火葬亭があるそうです。

ちなみにチェンマイは、お寺の中ではなく、隣接している場合が多いようです。独立した、日本の様な大きな火葬場もあります。どこかは存じませんが、コメントをいただいた「経験者」さんの地域のように、必ずしもお寺の中にない場合があるということです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。