待ちに待った新雑誌『青騎士』が発売されたので早速購入した。紙本の売上が減っているというこの時代に、新しく紙の雑誌が創刊されたことを大変うれしく思う。
見た目からして中々気合が入っている。ツルツルの素材の表紙にタイトルは箔押しで、全598ページ、定価は税別800円。表紙絵は森薫さんで、ヴァシリー・カンディンスキーとフランツ・マルクが1912年に発行した雑誌『青騎士』に向き合っている絵。紺の背表紙には控えめに書かれた「DER BLAUE REITER」の文字。カッコいい、本当に。
最近装丁の凝った漫画が多いと感じるが、見えるところに置いておいて様になるデザインのものは所有欲も満たしてくれる。装丁がいい、紙がいいということは紙本の購買意欲が高まる理由になると思う。内容を読みたいだけならeBookでいいと思うので、これから紙本は豪華本が増えていくのかもしれない。
紙は単行本にも使われるフロンティタフWが使われているらしいが、私の感覚では漫画雑誌はずっと取っておくものではないので、中の紙に関しては正直“良すぎる”と思う。紙が良いぶん、イラストの繊細な部分まできれいに印刷されていると思うが、個人的には好きな作品は単行本を買うので、そこで頑張ってもらえればいいかと。
ネットのレコメンド機能による触れるジャンルの固定化に反する方向で、新しいジャンルとの出会いを提供することがこの雑誌の目指すところらしい。この考えには賛成できる。ネットのレコメンド機能がよく働くようになってから、一度ある作品を読むと似た作品ばかりがおすすめに表示されるようになり、そこに便利さよりもつまらなさを感じていたからだ。
一つの雑誌になったことで、別冊として提供されていたときよりも「新しいものとの出会い」を作りづらくなりそうだと思う。今後どうしていくのか、期待をもってとりあえず6月号は購入する予定だ。
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