小学校低学年のころの私は、大人には現実的な将来の夢を語りながらも、心中では天狗か仙人になりたいと思っている子供だった。
しかも、それは神通力を持ちたいとか空を飛びたいとか楽しい考えからくるものでもなく、俗世から離れたいという理由からだった。幼稚園を卒業してまもないちびっ子だったにもかかわらず!
きっかけはよく覚えている。学校で生物と天体について学んだ時だ。幼い私は世界の広さに目を輝かせた後、この地球、この宇宙にも終わりがくるなら生物がいくら生命を繋げたって何にもならないではないか、と絶望した。
それで、天狗か仙人になりたい、だ。
なれないとは思いながらも、立山にも大天狗・越中立山縄垂坊がいることなどを調べて修行した暁にはもしや…と思い、欲は持たないように、欲しがらないように、蚊であっても殺生はしないようになどと心がけてはいた。
しかしそこは子どもなのでそのうち忘れてしまい、いつの間にやら他の子と同じようにクリスマスプレゼントをねだって遊んでいたけれども…
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