翻訳と翻案。日本語だと似ている気がするが、ドイツ語だとÜberzetungとBearbeitungで全然違う。
欧米文化になじみのなかった時代には翻案された作品が多くあるが、最近では翻案小説が出されることはほとんどないと思う。今はオリジナル主義で原文をなるべくそのまま表現する方法を探している気がする。もちろん、そのことにも価値があると思う。
しかし話の筋をとって日本を舞台に落とし込んだ作品には、翻訳文学でもなく、日本文学でもない独特の魅力があると思う。例えば、舞台が変わっても変わらない人類共通の部分が伝わってくる。
小説では見ないが、映画や漫画などの世界では今日でも翻案と言えるような作品を見る。特に漫話やWebtoonでは黒岩涙香の作品のように舞台は変えず、人名のみ日本名に変えたものもあり面白いと思う。