そんなことを言われて自分がとても恥ずかしくなかった記憶がありました。その後、私は田舎から離れて暮らすようになりましたが、久しぶりに田舎に帰った際、彼の噂を耳にしました。彼は釜山出身でミス．コリアにでられるほどの美人と結婚したんだよ。彼もハンサムだからきれいな女性と結婚するのは当たり前だろう。その数年後、田舎に帰ったときにまた彼の案否を尋ねたところ、彼は自殺したということでした。私には信じられませんでした。あんなに性格の良い彼が何で自殺なんかしたんだ…？ 理由は分かりませんでしたが、ある力が彼を自殺に引っ張っていったことは間違いありません。
私は学生のとき2歳年上の友たちがいました。彼は背も高くハンサムでした。そして何よりも性格が良くみんな
から敬意を表される存在でした。私は子供の時から性格もきつく優しくなかったため、周囲からあまり好かれてはいませんでした。友達との間で問題が生じたときには言い張ったり怒ったりしました。ところが、彼はあらゆる面においで私より心が広い人でした。ある日、友たちが私の持ち物を壊してしまい私は非常に腹が立ったことがありました。ごめんね。本当にごめんね。と何度謝られても ごめんねで済むことなの？と問い詰めました。それを見ていた彼が私に近付いて来て言いました。君、友たちなのに小さなことでそんなに怒る必要ないだろう？代わりに僕のものをあげるから怒らないで。これは君のものよりずっと良いものだよ。
詳しく観察してみると、人間の中には非常に悪い力が働いていることが分かります。人々は特に気にすることは
なくその事実を知らず自分が真面目に生きていると信じているのです。しかし人はなんにかの力に引きずられて
しまっている時は、自分でその力に打ち克つことができません。自分が罪を犯すのではなく、自分も知らないうちに罪の方に流されて不幸の主人公になり、悪い人と呼ばれるようになってしまうのです。