序盤に森重真人のオウンゴールで失点。厳しい展開となったが、すぐに太田宏介からのクロスをドンピシャ頭で合わせたエドゥーが同点弾。だが、29分に左サイドのフリーキックから闘莉王が高さを制して頭でゴールを決めて、再びリードを許す。
後半、1点を追う東京は、名古屋陣内の中央からドリブルで強引に突破するとエリア左へ進出。ゴールに対して角度がないところからシュートを放つと、それがゴールの右サイドネットへ突き刺す同点弾に。その後、両者攻め合いが続くも、どちらも決定力に欠け、引き分けで試合を終えた。
前節の権田のアクシデントで塩田が初のスタメン。最初の失点はGKと森重との連係が上手くいかなかった。ただ、結果としては塩田が2失点となったが、1失点目はオウンゴール、2失点目はほぼノーチャンスだった。それよりも危機を救ったセーヴもあり、塩田自身のパフォーマンスは悪くなかった。
問題は自分たちのペースになかなか持ち込めなかったところだろう。小さなことだが、ボールを奪った後に攻撃へのスイッチが入りかけた時のパスミスをはじめ、トップスピードでドリブルを仕掛けようとした時にボールと足下の距離が長くなって奪われたり、ワンテンポずらしてかわそうとしたところを詰められてパスコースを遮られたり、パススピードが遅く相手に先にボールへ行かれたりと、一つ一つのプレイの精度が落ちているのが非常に散見された。米本、高橋、徳永らはボール奪取まではいいのだが、そのあたりでもったいないことが多かった。
また、失点への課題も。名古屋の矢野には前回の対戦でも苦労している。特にディフェンスというよりも攻撃してきた時にどう対応するか。元来FWなだけに、最後列からスピードに乗って前線へ駆けあがってきた時の対策は大きなウィークポイントになる前に補正する必要がある。同様に、闘莉王にヘディングシュートを決められた時も、背の低い太田のポジションを狙われてクロスを上げられている。太田自身のディフェンスもそうだが、それを誰がどのようにフォローするのかを考えなければいけない。
攻撃では、前線もシュートが打てるタイミングでもっと強引に行くべきだった。ゴールを決めて今季13得点となり、2009年の渡邉千真(横浜F・マリノス時代)が記録した新人最多得点記録に並んだ武藤だが、そのゴールを決める前に、自分で打ってもいい場面でパスやクロスを選択したところもあった。初心に戻り、シュートを打たなければ始まらないということを、肝に銘じてもらいたい。
そのあたりはやはり、状況把握や判断のちょっとした遅れがプレイの逡巡や積極性へ影響し始めるのだと思う。後半、三田がボールを持ち上がり、5対3になった場面があったが、早めにサイドへ開いていたエドゥーや武藤へのパスを選択していればチャンスが広がったところを、中途半端に緩くボールを浮かせて持ち込もうとしたがために相手のブロックに阻まれチャンスを逃したところなどは、その最たるものだといえる。
ただ、昨季までであればアウェイで先制されて突き放されると敗戦してしまうことが多かったことを考えると、武藤の個人技で追いついたとはいえ、勝ち点1を獲得出来たというのは成長した部分でもあるだろう。その最後まで諦めない意識の継続が、勝利が引き分け数と同数とはいえ、連続14試合負けなしという記録にも繋がったのだから。
これであと残り3試合。ACL圏の鹿島とは勝ち点8差となり、事実上ACLは消滅した。現在賞金圏内ギリギリの7位だが(11月3日の試合で横浜F・マリノスが勝利すると8位へ下降)、出来る限り上位で終われるように懸命に尽くすことが大切だ。現時点で累積警告3枚と出場停止にリーチが掛かっている選手も少なくなく、非常に厳しいところだが、チーム一丸となって戦って今季の成長を継続させたい。
◇◇◇
≪J1 第31節≫
【日時】2014/11/02 13:04
【会場】名古屋市瑞穂陸上競技場
【観衆】13,983人
【天候】曇、無風
【気温】20.3度
【湿度】85%
【審判】(主審)今村義朗(副審)蒲澤淳一、竹田和雄
【結果】
名古屋 2(2-1、0-1)2 FC東京
【得点】
(名):オウンゴール(19分)、闘莉王(29分)
(東):エドゥー(21分)、武藤(76分)
【FC東京メンバー】
GK 01 塩田仁史
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 29 吉本一謙
DF 06 太田宏介
MF 04 高橋秀人
MF 07 米本拓司 → MF 08 三田啓貴(62分)
MF 22 羽生直剛 → DF 50 松田陸(59分)
FW 09 渡邉千真 → MF 39 中島翔哉(90分)
FW 11 エドゥー
FW 14 武藤嘉紀
GK 31 圍謙太郎
DF 30 カニーニ
MF 38 東慶悟
FW 17 河野広貴
監督 マッシモ・フィッカデンティ
◇◇◇
≪FC東京 2014 J1日程≫
01 03月01日 △FC東京 1-1 柏(A)
02 03月08日 △FC東京 1-1 甲府(H)
03 03月15日 ×FC東京 1-2 神戸(A)
04 03月23日 ×FC東京 0-4 川崎(H)
05 03月29日 ○FC東京 3-1 清水(A)
06 04月06日 ○FC東京 2-1 鳥栖(H)
07 04月12日 ×FC東京 0-1 広島(A)
08 04月19日 ○FC東京 2-0 C大阪(H)
09 04月26日 ○FC東京 1-0 横浜FM(A)
10 04月29日 ×FC東京 0-1 名古屋(H)
11 05月03日 ×FC東京 0-1 浦和(A)
12 05月06日 ×FC東京 0-1 大宮(H)
13 05月10日 △FC東京 0-0 徳島(A)
14 05月17日 ○FC東京 3-0 G大阪(H)
15 07月19日 △FC東京 1-1 鹿島(H)
16 07月23日 ○FC東京 1-0 新潟(A)
17 07月27日 ○FC東京 3-0 仙台(H)
18 08月02日 ○FC東京 4-0 清水(H)
19 08月09日 △FC東京 0-0 C大阪(A)
20 08月16日 ○FC東京 2-0 鳥栖(A)
21 08月23日 △FC東京 4-4 浦和(H)
22 08月30日 △FC東京 2-2 鹿島(A)
23 09月13日 △FC東京 1-1 神戸(H)
24 09月20日 △FC東京 0-0 川崎(A)
25 09月23日 ○FC東京 4-0 徳島(H)
26 09月27日 ○FC東京 4-0 柏(H)
27 10月05日 ×FC東京 0-1 仙台(A)
28 10月18日 ×FC東京 0-1 大宮(A)
29 10月22日 ○FC東京 2-1 広島(H)
30 10月26日 ×FC東京 1-2 G大阪(A)
31 11月02日 △FC東京 2-2 名古屋(A)
32 11月22日 FC東京×新潟(H)
33 11月29日 FC東京×甲府(A)
34 12月06日 FC東京×横浜FM(H)
◇◇◇
≪J1 順位表(暫定)≫(2014年11月2日終了時)
01 浦 和 58/30/17/07/06/49/27/+22(2億)
02 G大阪 56/31/17/05/09/54/30/+24(1億)
03 鹿 島 54/31/16/06/09/58/36/+22(8000万)
04 鳥 栖 53/31/17/02/12/38/32/+06(6000万)
05 川 崎 51/31/15/06/10/52/39/+13(4000万)
06 柏 51/31/14/09/08/41/38/+03(2000万)
07 FC東京 46/31/12/10/09/45/29/+16(1000万)
08 広 島 46/31/12/10/09/41/34/+07
09 神 戸 45/31/11/12/08/46/43/+03
10 横浜FM 44/30/12/08/10/33/26/+07
11 名古屋 41/31/11/08/12/41/44/-03
12 新 潟 41/31/11/08/12/27/32/-05
13 甲 府 36/31/08/12/11/25/31/-06
14 仙 台 34/31/08/10/13/30/44/-14
15 清 水 34/31/10/04/17/39/55/-16
16 大 宮 32/31/08/08/15/40/56/-16
17 C大阪 30/31/07/09/15/32/39/-07
18 徳 島 13/31/03/04/24/15/71/-56
(※勝点/試合数/勝/分/敗/得点/失点/得失点差|(賞金))
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