■ TLCの輝きは褪せない
これからも“TLC”は続く。
ビルボードライブの3周年を記念した“HAPPY TH3RD ANNIVERSARY!”プレミアム・ステージの一つ、TLCのライヴを観賞。1stショウ。
本来はFC東京×神戸の試合を味スタで観戦する予定だったが、身に余るご厚意により“プレミアム”な席を用意していただいたので、再度TLCを観賞することに。
構成やセット・リストは15日に観賞した時と同様。曲順などは変えないようだ。ドラムのレックスからのクエスチョンに答える形でT・ボズとレフト・アイのダンスの違いをコミカルに示したり、2つ目の質問としてヴィデオ・クリップでの思い出を語ったり(チリはおいおい泣いてて、T・ボズは怒ってた…“Angly”とチリに言われてT・ボズがしかめっ面をしたり)してから「ウォーターフォールズ」へと続く流れなども変化なし。
印象的だったのは、「私たちTLCは結成して19年になる」(1992年に結成。ここで“Old”といったような声がかかって、おどけて“nineteen”と言ってみせたり)「T・ボズ、チリ…そしてレフト・アイはいつも後ろで見てくれている、3人でこそTLC。TLCはこれからも決して壊れない(never broken)」と言った場面。場内からは大きな拍手が起こる。そして、「この曲をレフト・アイに捧げます」と告げてから「ターンテーブル」へと続いた。本編幕と思われる「アンプリティ」では、T・ボズ、チリそれぞれの幼少から現在までの成長を綴ったような写真を次々と映し出す演出。そして、今もTLCは存在するという、感動的な構成となった。
CDからの歌声も多かったし、リップシンクもあっただろう。レフト・アイの死後に完成させたアルバム『3D』リリース以後は、事実上活動を停止していた時期も長く、20歳のラッパーを迎えたシングル「I Bet」を出したものの、TLC復活とまではならなかった。二人としての制作というのも聞こえて来ない状況だ。
そんななかで、昨年幕張メッセでの“スプリングルーヴ09”へ出演。大きな反響があって、今回の来日公演になったと思う。“スプリングルーヴ09”の時のようにスクリーンでのレフト・アイ参加によるシンクロもなく、「ガール・トーク」や「シリー・ホー」などは1番だけをサラッとパフォーマンスした楽曲もあった(それでも大きな歓声が沸き起こるのだが)。観客へにこやかに笑いかけ、手を振り、ハグをして、以前のイメージと異なると思えるほどのファン・サーヴィスっぷりも。サイン・タイムは延べ10分以上に及ぶ(「日本の大きなサポートには本当に感謝するわ」とも述べていた)。ファンクラブ・イヴェントであれば文句を言うこともないのだが、これが来日公演でのステージとなると、正直物足りなさは残る。少なくとも低くはない金額でのライヴともなれば、余計だ。来日公演への準備期間も短く、今回のような仕様で臨まざるを得なかったこともあるのかもしれないが。
それでも、二人がパフォーマンスをする背後にあるスクリーンにレフト・アイの姿が映り、TLCとしてのステージングを見聴きすると、楽曲の良さ、時代を捉えた先進性、絶妙なバランスでのコンビネーションと、彼女らがカリスマティックな存在であることの一片を感じ取ることが出来た。ステージに物足りなさは残るが、TLCという90年代からの新進系R&B/ヒップホップの軌跡を眼前で体験出来たという意味では、貴重な時空間となったといえるだろう。
◇◇◇
<SET LIST>
00 INTRO
01 What About Your Friends
02 Baby Baby Baby
03 Creep
04 Red Light Special
05 Diggin' On You
(Dance Time)
06 Waterfalls
07 Girl Talk(Short Ver.)
08 Damaged
09 Turntable
10 Silly Ho(Including intro of“Fanmail”)(Short Ver.)
11 Unpretty
12 No Scrubs
13 BAND OUTRO
<MEMBER>
T-BOZ(Vocals)
CHLLI(Vocals)
Kenneth Knight(Keyboards)
Erick Walls(Guitar)
TRE'S(Bass/Keyboards)
Lex(Drums)
◇◇◇
調べてみたら、T・ボズ、チリとは同級生だったり。レフト・アイは1つ下。でも、同じ星座。(笑)
自分にとってTLCといえば、やっぱりこのアルバム。
邦題は『エイント・2・プラウド・2・ベッグ』。タイトル・シングルを聴いた時にはビビビって来たっけな。(笑)
2ndアルバムがこれ。
「クリープ」、「レッド・ライト・スペシャル」「ウォーターフォールズ」収録の大ヒット作。グラミーも捕ったっけな。
3rdアルバム。
「ノー・スクラブズ」「アンプリティ」収録。グラミーを再び獲得。空耳「ヨーヨーヨー、おっさん、おっさん、おっさんか?」「えー、自分だと思う」、「何点? 満点?」「いちおう~13点」が聴けるインタールード「ウィスパリング・プラヤ」(Whispering Playa)も収録。(笑)
そして、ラスト・オリジナル・アルバム。
シングル「ガール・トーク」が思ったように売れなかったり、世間でも評価がそれほど高くはないみたいですが、個人的はマイケル・ジャクソン『インヴィンシブル』のように一連の評価を鵜呑みにせず聞けば、完成度の高い作品だといことが解かると思うのだけれど。
どれも名作です。
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