*** june typhoon tokyo ***

京都 vs FC東京【ルヴァンカップ】


 勝利への貪欲を見せ、プライムステージ進出へ滑り込み。
 
 第5節終了時点ではグループ首位の京都とのルヴァンカップEグループ最終戦。プライムステージ進出のためには勝利が最低条件だっがFC東京は、一時同点に追いつかれるも、前半のうちに仲川のゴールで勝ち越し。後半の序盤に、後半から入った京都のアピアタウィアが最終ラインでパスを受けたところで躓き、ボールを見失った形になったところでボールを奪ってショートカウンター発動。渡邊凌磨がドリブルで持ち込み、GK若原が飛び出してきたところで並走していたディエゴ・オリヴェイラへラストパス。これをディエゴ・オリヴェイラが無人のゴールへ流し込んで2点差に。そのリードを保って3-1で勝利。Eグループ2位となり、他会場の結果によりグループステージ突破が決まった。

 アルベルが退任となり、安間貴義コーチが監督を代行した一戦。小泉を右SBに、松木と安部をダブルボランチとした4-2-3-1の布陣で挑んだが、常に課題となっていたアンカー周辺のスペースを埋めることで、CBをはじめ最終ラインとの距離を狭めて、安定したパス回しの向上に成功。塚川は左サイドに張ることが少なくなかったが、流動的に動いた渡邊凌磨や仲川と、1トップのディエゴ・オリヴェイラとの距離感が近づいたことで、これまで多く散見されていたボールを収めた後のディエゴ・オリヴェイラの孤立の解消にも繋がり、比較的パスを動かせる展開へと導く効果的な攻撃への足掛かりとなった。2点目の仲川の得点のような、京都陣内で次々と流動的にポジションを変えながらボールを動かし、スペースを突く攻撃は、このところあまり見られなかっただけに、光明の兆しの一つといえるか。

 しかしながら、前半8分の立て続けにCKを重ねての森重のヘディングでの得点や、後半序盤のアピアタウィアのミスからのゴールは、セットプレーでの対応や集中力の欠いたプレーなど、京都の質の部分での問題もあり、内容として完勝だったかというと、そうではない。特に守備面ではまだ再構築が問われるところで、東京がリードするも18分に平戸のゴールで同点に追いつかれた後、23分に起点となったパトリックから左サイドへ展開し、佐藤響のファーサイドへのクロスから山田がダイレクトボレーするもクロスバーに弾かれたり、前半終了間際にはカウンターから白井が、右サイドから中へ切れ込んだ山田が、CKのクリアを佐藤が、それぞれシュートを放つなど、受けとなるとややバタつく場面もあった。後半アディショナルタイムに京都の平戸のCKからファーサイドでの折り返しを木下が頭で合わせた場面は、1点ものの絶好機。ヘディングシュートは枠の上へ外れたが、これが2点差ではなく1点差であったら、という緊張の場面でもあった。

 監督交代の初戦、ルヴァンカップのプライムステージ進出を決める意味で、絶対に勝利が必要というミッションを成し遂げたことで、ひとまず溜飲が下がったとはいえる。だが、この時点では、この一試合に限りで効果的なパフォーマンスが発揮されただけであり、チームとして有効的な連動性を構築出来た訳ではない。まだ攻撃のスイッチが入った後のパス精度を欠いてピンチを招いたり、ボールの集散に一歩遅れてスペースを突かれてカウンターを受ける場面も少なくない。中・長期的には"ハマった”試合という偶発性を限りなく少なくし、ピッチ上である程度のパターンを構築していくことが何よりも安定的なサッカーを生み出すことに繋がるはずで、そこを新監督のクラモフスキーには期待したいところだ。

 ルヴァンカップは、各グループステージ首位の横浜FM、浦和、名古屋、福岡、G大阪と、各グループステージ2位の成績上位となる札幌、鹿島、FC東京が8強となるプライムステージへ進出。同ステージ準々決勝は7月3日開催予定のオープンドローにて組み合わせが決定する。FC東京にとっては、同じEグループのG大阪にはアウェイで0-3、ホームで1-0、リーグ戦では1-3となって1勝2敗の戦績。他のプライムステージ進出チームとのリーグの対戦では、浦和こそ開幕戦で2-0と勝利したものの、横浜FMには2-3、名古屋に0-0、福岡に0-1、札幌に1-5、鹿島に1-1と未勝利と、分の悪い相手ばかりだ(FC東京が残留争いに近い中位にいるゆえ当然と言えばそうなのだが)。リーグ後半戦はもちろん、ルヴァンカップにおいても、リヴェンジを果たし、2020年以来の戴冠を目指してもらいたい。

◇◇◇

Jリーグ YBCルヴァンカップ グループステージ 第6節
2023年6月18日(日)18:03KO サンガスタジアム by KYOCERA
入場者数: 6,259人
天候:晴 / 気温:27.4℃ / 湿度 49%
主審:今村義朗 / 副審:三原 純、田尻智計
第4の審判員:中澤 涼

 京 都 1(1-2 / 0-1)3 FC東京

【得点】
京 都:平戸太貴(18分)
FC東京:森重真人(8分)、仲川輝人(26分)、ディエゴ・オリヴェイラ(49分)

〈試合経過〉
08分  得点 東京 森重真人
18分  得点 京都 平戸太貴
26分  得点 東京 仲川輝人
34分  警告 京都 佐藤 響
36分  警告 東京 森重真人
46分*  交代 京都 井上黎生人 → アピアタウィア久 / 佐藤 響 → 福田心之助
49分  得点 東京 ディエゴ・オリヴェイラ
63分  交代 東京 塚川孝輝 → 俵積田晃太 / 渡邊凌磨 → 東 慶悟
65分  交代 京都 谷内田哲平 → 福岡慎平 / パトリック → 木下康介
70分  交代 京都 山田楓喜 → 宮吉拓実
70分  交代 東京 仲川輝人 → 野澤零温 / ディエゴ・オリヴェイラ → ペロッチ
83分  警告 東京 野澤零温
90+5分 交代 東京 エンリケ・トレヴィザン → 土肥幹太


【FC東京】
〈スターティングメンバー〉
GK 41 野澤大志ブランドン〈U-21〉
DF 37 小泉 慶
DF 03 森重真人
DF 44 エンリケ・トレヴィザン
DF 05 長友佑都
MF 08 安部柊斗
MF 07 松木玖生〈U-21〉
MF 11 渡邊凌磨
FW 35 塚川孝輝
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 39 仲川輝人

〈控えメンバー〉
GK 01 児玉 剛
DF 17 徳元悠平
DF 32 土肥幹太〈U-21〉
MF 10 東 慶悟
FW 22 ペロッチ
FW 33 俵積田晃太〈U-21〉
FW 42 野澤零温〈U-21〉

〈監督〉
安間貴義


◇◇◇

【Jリーグ YBCルヴァンカップ FC東京試合日程・結果】
〈グループステージ・Eグループ〉
第01節 03月08日(水)19:00✕FC東京 0-1 C大阪(A・ヨドコウ
第02節 03月26日(日)15:00〇FC東京 5-0 京 都(H・味スタ
第03節 04月05日(水)19:00✕FC東京 0-3 G大阪(A・パナスタ
第04節 04月19日(水)19:00〇FC東京 1-0 G大阪(H・味スタ
第05節 05月24日(水)19:00△FC東京 0-0 C大阪(H・味スタ
第06節 06月18日(日)18:00〇FC東京 3-1 京 都(A・サンガS

〈Eグループ・順位表〉
1 G大阪 10/6/3/1/2/8/04/4(*)
2 FC東京 10/6/3/1/2/9/05/4(*)
3 京 都 09/6/3/0/3/9/11/-2
4 C大阪 05/5/1/2/3/2/08/-6
(※勝点/試合/勝/分/負/得点/失点/得失点)
(*)プライムステージ進出

〈準々決勝〉
第01戦 09月06日(水)
第02戦 09月10日(日)
〈準決勝〉
第01戦 10月11日(水)
第02戦 10月15日(日)
〈決 勝〉
決 勝 11月04日(土) (国 立)


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