FC東京、2023年シーズンの航海の旅程が明らかに。
1月20日にJリーグが「2023明治安田生命J1リーグ」および「2023 JリーグYBCルヴァンカップ」の日程を発表。FC東京の2023年の対戦日程がほぼ決定した。既に発表されていた浦和との開幕戦は、2月18日(土)に味の素スタジアムで開催。第2節は開幕戦カード発表の段階で柏、広島、ホームでの新潟の3チームに絞り込まれていたが、アウェイ(三協F柏)での柏戦となった。
昨季はG大阪と京都との対戦で国立競技場を使用したが、今季は5月12日(金)の"金J”の川崎戦、8月26日(土)の神戸戦の2試合が国立競技場開催となり、前者の川崎戦は「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」として実施するとのこと。FC東京のルヴァンカップは、3月8日(水)からスタート。京都、G大阪、C大阪と奇しくも関西勢とグループステージを争うことになった。グループステージ突破に期待が持てそうな組み合わせと思われそうだが、アウェイ戦においてはFC東京だけが遠征を余儀なくされると考えると、コンディション調整も含めて難しい局面にるかもしれない。
ここでは、2023シーズンの試合日程と昨季の対戦成績を示しながら、シーズンを乗り切る要所を探りたい。
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【明治安田生命J1リーグ 2023シーズン FC東京試合日程/昨季対戦結果】
第01節 02月18日(土)14:00 FC東京 ✕ 浦 和(H・味スタ) △0-0
第02節 02月26日(日)15:00 FC東京 ✕ 柏 (A・三協F柏) 〇6-3
第03節 03月04日(土)14:00 FC東京 ✕ 京 都(A・サンガS) 〇1-0
第04節 03月12日(日)15:00 FC東京 ✕ 横浜FC(H・味スタ) 未対戦
第05節 03月18日(土)14:00 FC東京 ✕ 名古屋(A・豊田ス) ✕1-2
第06節 04月01日(土)15:00 FC東京 ✕ 鳥 栖(A・駅スタ) ✕0-5
第07節 04月09日(日)15:00 FC東京 ✕ 湘 南(H・味スタ) ✕0-2
第08節 04月15日(土)16:00 FC東京 ✕ C大阪(H・味スタ) 〇4-0
第09節 04月22日(土)14:00 FC東京 ✕ 広 島(A・Eスタ) 〇2-1
第10節 04月29日(土)15:00 FC東京 ✕ 新 潟(H・味スタ) 未対戦
第11節 05月03日(水)15:00 FC東京 ✕ 福 岡(A・ベススタ) ✕1-5
第12節 05月06日(土)14:00 FC東京 ✕ 札 幌(A・札幌ド) △0-0
第13節 05月12日(金)19:30 FC東京 ✕ 川 崎(H・国 立) ✕2-3
第14節 05月20日(土)15:00 FC東京 ✕ 鹿 島(A・カシマ) 〇1-0
第15節 05月27日(土)14:00 FC東京 ✕ 神 戸(A・ノエスタ) ✕1-2
第16節 06月03日(土)15:00 FC東京 ✕ 横浜FM(H・味スタ) △2-2
第17節 06月11日(日)18:00 FC東京 ✕ G大阪(A・パナスタ) △0-0
第18節 06月24日(土)19:00 FC東京 ✕ 名古屋(H・味スタ) △0-0
第19節 07月01日(土)19:00 FC東京 ✕ 柏 (H・味スタ) △0-0
第20節 07月08日(土)19:00 FC東京 ✕ 浦 和(A・埼 玉) ✕0-3
第21節 07月16日(日)19:00 FC東京 ✕ 鹿 島(H・味スタ) 〇3-1
第22節 08月06日(日)19:00 FC東京 ✕ C大阪(A・ヨドコウ) 〇1-0
第23節 08月12日(土)19:00 FC東京 ✕ 京 都(H・味スタ) 〇2-0
第24節 08月19日(土)19:30 FC東京 ✕ 横浜FM(A・日産ス) ✕1-2
第25節 08月26日(土)19:00 FC東京 ✕ 神 戸(H・国 立) 〇3-1
第26節 09月02日(土)00:00 FC東京 ✕ 福 岡(H・味スタ) △2-2
第27節 09月16日(土)00:00 FC東京 ✕ 川 崎(A・等々力) ✕0-1
第28節 09月23日(土)00:00 FC東京 ✕ 鳥 栖(H・味スタ) ✕0-1
第29節 09月30日(土)00:00 FC東京 ✕ G大阪(H・味スタ) 〇2-0
第30節 10月21日(土)00:00 FC東京 ✕ 横浜FC(A・ニッパツ) 未対戦
第31節 10月28日(土)00:00 FC東京 ✕ 広 島(H・味スタ) 〇2-1
第32節 11月11日(土)00:00 FC東京 ✕ 新 潟(A・デンカS) 未対戦
第33節 11月25日(土)00:00 FC東京 ✕ 札 幌(H・味スタ) 〇3-0
第34節 12月03日(日)00:00 FC東京 ✕ 湘 南(A・レモンS) ✕0-2
【2023 JリーグYBCルヴァンカップ FC東京試合日程】
第01節 03月08日(水)19:00 FC東京 ✕ C大阪(A・ヨドコウ)
第02節 03月26日(日)15:00 FC東京 ✕ 京 都(H・味スタ)
第03節 04月05日(水)19:00 FC東京 ✕ G大阪(A・パナスタ)
第04節 04月19日(水)19:00 FC東京 ✕ G大阪(H・味スタ)
第05節 05月24日(水)19:00 FC東京 ✕ C大阪(H・味スタ)
第06節 06月18日(日)18:00 FC東京 ✕ 京 都(A・サンガS)
〈プライムステージ・準々決勝〉
第01戦 09月06日(水)
第02戦 09月10日(日)
〈プライムステージ・準決勝〉
第01戦 10月11日(水)
第02戦 10月15日(日)
〈プライムステージ・決勝〉
未定
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FC東京の昨季J1リーグの戦績は、14勝7分13敗、勝ち点49の6位。得失点差は3(46得点43失点)という結果に終わった。さらに上位、そして優勝争いをするためには、得点力の増加としっかりと勝ち切る集中力や精神力をピッチ上で見せる必要がある。
昨季のFC東京が上回れなかった上位陣、横浜FM、川崎、広島、鹿島、C大阪に対して、まずは優勝した横浜FMに1分1敗、2位の川崎に2敗と勝利を収められていない。特に川崎にはリーグ7連敗中、2018年のアウェイ等々力以来勝てていない。今季は5月12日(金)の"金J”の川崎戦が国立開催かつ「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」に選定されている。金曜開催ながら多くの観客が見込まれるであろう国立でのビッグマッチで、近年苦汁を嘗めてきた多摩川クラシコの鬱憤を晴らすことが、真の優勝争いに加わる試金石になりそうだ。
この2チームを除けば、広島、鹿島、C大阪にはシーズンダブルしており、本来であればより3位へ近づいたはずだが、当初から"いい人東京”と揶揄されるように、下位チームに対しての取りこぼしや連敗中などの低調のチームに勝ち点を献上してしまうという、勝ち切る力が不足しているのは否めない。シーズン13敗のうち、横浜FMと川崎には3敗、FC東京よりも下位の7位以下には10敗しているが、降格となった磐田と清水にぞれぞれ1勝1敗と勝ち点3を与えたほか、昨季11位の鳥栖や同14位の福岡の九州勢にはどちらも5失点という大敗を喫した。特にシーズンダブルを喰らった鳥栖にはリーグ7連敗中で、そのうち複数失点での敗戦が5試合と、川崎や以前の浦和にも比肩出来そうな負けっぷりを露呈している。また、2016年より2021年までの10戦で8勝2分とリーグでは"お得意様”の印象もあった昨季12位の湘南には、ホーム・アウェイともに無得点の0-2でシーズンダブルを献上している。昨季の上記以外の敗戦は、浦和(1分1敗)、神戸(1勝1敗)、名古屋(1分1敗)。未勝利に終わった浦和、名古屋にはしっかりとリヴェンジして、精神的な優位を与えないようにしなければならない。
そして、昨季は複数失点が多かった印象。とりわけ3失点以上が5試合(福岡=1-5、鳥栖=0-5、浦和0-3、柏6-3、川崎2-3)もあり、柏戦は6得点で大勝した“バカ試合”だったが、チームの一体感が崩れたり、得点直後に失点したりと、試合中にチームの立て直しが効かないまま、ズルズルと失点を重ねるクセを修正しないことには、勝ち点の上積みには繋がらない。勝利へは届かずとも最低限勝ち点をもぎ取るといった底力を見せることが、優勝争いへのカギの一つとなってくるはずだ。
さて、今季の日程に目を移すと、開幕戦はホーム味スタでの浦和戦。昨季の開幕戦は敗戦したものの川崎相手にいい内容の試合をしたが、序盤の開幕ダッシュを決めるためにも、アルベル体制2年目の成長と新戦力との融合を示すためにも、昨季0-3の苦杯を払拭するためにも、是が非でも開幕戦には勝ちたいところ。もちろん油断は禁物だが、昨季6得点で大勝した柏、シーズンダブルした京都とC大阪、昇格組の横浜FCという流れは、スタートダッシュにもってこいの展開ではある。逆にこの流れで勝ち点を思うように積み上げられないとなると、早くも暗雲が立ち込めることにもなりかねない。
4月には鳥栖、湘南と昨季シーズンダブルを喰らったチームとの対戦が控えている。特に鳥栖には苦手意識を払拭するためにもアウェイではあるが勝利をもぎ取りたい。アルベルが以前指揮していた昇格組の新潟との一戦も楽しみだ。5月は国立での多摩川クラシコが今季の浮き沈みを左右する一戦になりそう。ただ、ゴールデンウィークに入り、福岡、札幌とアウェイ戦というFC東京にとっては容易ではない相手からの試合となるゆえ、好調を保ちながら川崎に挑みたいところだ。
2019年は最終節まで首位を争い、昨季優勝を果たした横浜FMとは、まずはシーズン折り返し付近となる6月上旬に相まみえることになるが、猛暑8月のアウェイでの対戦がシーズンの分岐点のひとつにもなりそうな予感も。というのも、アウェイ横浜FM戦から神戸、福岡、川崎、鳥栖の流れは、昨季上位2強と苦手の九州勢、当時直近5戦で1勝1分3敗と調子が上がらずに残留争いを展開している中で勝利をプレゼントしてしまった神戸(神戸はFC東京戦以降5連勝)という、FC東京の実力がまさに試される日程だからだ。昨季の反省をどのように成長へと転換させたかが問われる対戦になりそうだ。
ホーム最終戦は味スタでの札幌戦、最終節はアウェイでの湘南戦となる。終盤での湘南戦となると、2019年の優勝争いの際にアウェイ連戦から帰還したなかで、アディショナルタイムの森重の劇的な同点弾で何とか勝ち点1をもぎ取った試合が印象深いが、例年残留争いを余儀なくされている湘南とのこの時期での試合は難しい。さらに、昨季は無得点でのシーズンダブルを喰らっていることもあり、湘南にとってはFC東京への苦手意識も消えつつある。寒い時期でのアウェイ戦となるが、FC東京ファン・サポーターにとっては、サンクトガーレンの消費量記録の更新とともにJリーグタイトルの祝杯となるような展開に持ち込めるかどうか。言うほど容易ではないが、シーズン前ならではの皮算用をしたいところだろう。
ルヴァンカップは、京都、G大阪、C大阪と対戦。リーグでの対戦成績から鑑みるに、比較的難しくないようにも見えるが、FC東京以外の3チームはどれも近距離の関西勢で、移動のリスクがほぼない。北海道や九州という遠距離ではないが、FC東京のみが遠征を強いられる状況は、体調管理の工面も不可欠になりそうだ。初戦はリーグ第3節の京都戦から中3日のアウェイ・C大阪戦、ホーム開幕戦は3月26日(日)の京都戦となる。昨季は湘南、磐田、福岡を相手に1勝2分3敗の勝ち点5の4位でグループステージを終えることになった。若手を起用するなどターンオーヴァーをしていたとはいえ、おそらくこの組み合わせが発表となった時は、多くのFC東京ファン・サポーターが最低でもグループステージ突破を予想したなかでのグループ最下位だったが、今季は層の厚さを見せられる陣容であることを証明する戦いにしてもらいたいものだ。
リーグ開幕戦まで1ヵ月を切ったが、まずは大きな怪我なく、無事に開幕へ辿り着いてもらいたい。