今季初の味スタ参戦。年間チケットを受け取り、あんかけチャーハンをかき込み、試合開始を待ちわびる。試合前は、セレッソ側から茂庭コール。それに呼応して東京側からも茂庭コール。さらにセレッソ側が茂庭コールを仕掛けると、即座に東京側もこれに反応。大“モ・ニ・ワ”コール合戦が繰り広げられた。ブーイングなのか拍手なのか……と揺れたサポーターも多くいたと思うが、結局はほとんどが望んでいた(と思われる)拍手以上の掛け合いに、試合直前は和みムード。同様に、尾亦コールも起こる。これらには、セレッソの粋な計らいに感謝したいところ。
尾亦は東京ユース出身でユース初のトップ昇格選手で期待されていたが、なかなか出場機会を与えられず、その後大宮、湘南、セレッソと渡った。トップ昇格後はレギュラーとしても活躍した同期の馬場憂太に差をつけられて東京から外へ出た形だが、今となってはその馬場は所属が決まらない状態なのに対し、尾亦がJ1選手として先発メンバーに名を連ねているというのも、なんとも皮肉ではある。
試合はスコアレス・ドローに終わった。シュート数は東京、セレッソともに10本ずつだが、感覚としてはもっと少ないと思わせるような展開。開始当初から両者ともに強い風に悩まされ、浮き球やバウンド・ボールのコントロールがままならない時間が続く。しっかりと次へとつなげない、パスミスの応酬といった光景も少なくなかった。
セレッソは右サイドの高橋から中央のマルチネスにボールを集め、香川や乾といったテクニックの優れた選手へ配球する形が多くみられた。さらに前線のアドリアーノへ繋がれば恐怖だったが、香川や乾は1つ目は技術で交わすも2つ目で東京の守備の壁に跳ね返されるといった思うようにボールをキープ出来ない場面が多く、東京にとっては助かった。
一方、東京も中央への配球が多くなり、手詰まりでボールを失う場面が多く、シュートへ持ち込むことが出来ない。また、足元へのパスが多く、流動してのプレイがそれほど多く見られなかった。だが、徐々にボールを保持する時間を保てるようになると、シュートチャンスをうかがえるようになる。だが、やはり、しっかりとシュートを打つところまではいかずに跳ね返されてしまう。
じりじりする時間が多く占めてくるようになると、東京は攻撃的なカードを切ってくる。だが、数的不利な場面での強引な仕掛けや中央やライン付近のスペースがないところでの攻防で攻撃の芽を摘まれると、セレッソにカウンターを食らう場面が増えてくる。セレッソは後半終盤に播戸を投入すると、大きな決定機を2度作られたが、ここは何とか権田のファインプレイでしのぎ切った。結局その後も両者は膠着したまま、ドロー決着となった。
羽生のシュート回転のミドルを放ったあたりから東京は攻勢に傾いたような気がする。平山、大竹と決定的なチャンスがあったが、今試合から復帰したセレッソのキム・ジンヒョンの好セーヴに阻まれるなど運もなかった。ただ、そういう試合を勝ちきるということが、今年の大きな課題でもある。何度も言うことだが、ゴールへシンプルで素早い展開が、一番得点への可能性が高いということを再認識しなければならない。アタッキングサードへは切り込むがシュートへ持ち込めないでカウンターを食らう……という状況を打開せずには、勝ち点3を奪い続けることにはつながらないのだから。
無失点で終えたことには一定の評価は与えられる。だが、アウェイのセレッソが守備を意識しながらのカウンターへ切り替えるなかで、そこをこじ開けてゴールを奪うということが出来なければ、優勝戦線へは加われない。後半や終盤でこそ、大きな視野と素早い展開でシンプルに相手陣内へと攻める必要があるだろう。
先発した石川はまだ本調子ではないようだった。だが、前方のスペースへ走り込む攻撃時はさすがに迫力があり、相手を崩させた。ただ、自分で決めるプレイをもっと選択してもよかったか。
平山と赤嶺のコンビはいいところにきている。タメと瞬時の決断力が増せば、ゴールは近づいてくると思う。今野とともにCBで出場した平松は、そこそこ無難にこなしたといえる。
初先発となったキム・ヨングンだが、韓国人らしく攻撃的なところはよかった。だが、前線へのフィードの正確性と浮き玉などの対応はまだまだ課題が残った。サイドバックとしての総合力は、椋原のがやや分があるか。身体能力はありそうなので、今後に大きく期待したい。
途中出場の大竹とリカルジーニョ。大竹は一瞬決まったかと思われたシュート場面を作り出したが、それ以外ではややボールを持ちすぎるきらいがあり、効果的なパスを演出出来なかった。だが、連係とシンプルな判断力が向上すれば、切り札以上のことが出来ると思わせてくれたことは収穫。リカルジーニョは、出場当初はやや下がり気味だったが、やはり前線に置いて光る選手だと思う。まだ周囲との連係がぎこちないが、そこが改善されれば、スピードと献身的なチェイスといい、戦力として見込めると思う。
そして最大の緊急課題であるボランチの羽生、徳永コンビだが、これはやはりそれぞれの良さを活かしきれていないという印象を拭えない。今日のようにボールキープが不安定な状態だとなおさらそれは顕著となった。米本、梶山に頼れない現状をどう打開していくか。試行錯誤は続くと思うが、この壁を乗り越えた時には、勢いと高い安定をもたらしてくれるはずだ。
◇◇◇
Jリーグディビジョン1 第3節
2010/03/20 味スタ
FC東京 0(0-0、0-0)0 C大阪
【得点】
観衆: 20,143人
天気: 晴れ、中風
<メンバー>
20 GK 権田修一
05 DF 長友佑都
15 DF 平松大志
06 DF 今野泰幸
17 DF キムヨングン
02 MF 徳永悠平
22 MF 羽生直剛 → 11 FW 鈴木達也(80分)
18 MF 石川直宏 → 16 FW リカルジーニョ(69分)
08 MF 松下年宏 → 19 MF 大竹洋平(58分)
09 FW 赤嶺真吾
13 FW 平山相太
01 GK 塩田仁史
33 DF 椋原健太
04 MF 高橋秀人
14 MF 中村北斗
◇◇◇
試合前練習。
スターティング・ラインアップ発表。
ユルネヴァ中。
セレッソゴール裏。
数度に及ぶ“モ・ニ・ワ”コールの粋な計らいに感謝。
試合開始直前の円陣。
後半に向けて息巻くセレッソゴール裏。
疲労感が残る試合終了。
バックスタンドに挨拶する東京の選手たち。
◇◇◇
今季初観戦ということで、ベースボールキャップを購入。ツバ先に“F.C.TOKYO”と刻まれているところがミソ。紺と赤のツートンカラーで、クール。重宝しそう。
ゲストはNHKの連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』に出演する松下奈緒、の父親役の大杉漣。(笑) 試合前の花束贈呈の場面では、東京ゴール裏からは“ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ~”のコールも。鬼太郎とねずみ男も登場してました。
最新の画像もっと見る
最近の「FC東京」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事