低調同士の一戦は、ホームのFC東京に軍配。
湿度76％という蒸し暑さが影響したことは否めないとしても、質はお世辞にも高いとはいえなかった。前節・浦和に0-3の惨敗を喫したFC東京と7月に入ってリーグ3連敗で最下位に低迷している磐田との一戦は、ホームゲームの勝率が高いFC東京が序盤に2得点を挙げて勝利した。
FC東京は怪我で戦列を離れていた安部が復帰したことで、中盤での運動量が増加。松木とのコンビの良さも窺わせた。一方、磐田は出場停止の伊藤槙人に代わって大井が最終ラインに入り、突発性難聴の影響で休養していた大津を前線中央へ配するなど、選手の入れ替えで悪い流れを断ち切りたい狙いがあったが、4分に磐田陣内右サイドのバングーナガンデのFKからクリアボールがゴール前へ高く上がると、GK三浦に競り勝った木本が頭で押し込んでFC東京が先制。14分にはレアンドロらFC東京の前線が磐田・GK三浦へプレスをかけ、磐田DF陣の動きが鈍くパスコースがないなかで出した縦パスが渡邊凌磨に渡ると、渡邊凌磨がそのままドリブルでエリア内へ侵入。GK三浦の股下を抜くシュートを流し込んで、FC東京が15分も経たずに2点を挙げた。
磐田は前線、中盤、最終ラインの連動性がなく、また素早いプレスやポジションバックもないため、スペースが空き、いたるところで孤立する場面が散見。序盤での2失点で精神的にも厳しかったが、FC東京もボールを長く保持しながらも、これに付き合ってしまう。2得点して余裕が出来たからなのか、それとも湿度を考えて、体力的に温存させる意味合いでペースダウンしたのか。だとしても、まだ前半の途中、連戦が続くならまだしも、代表活動ウィークの関係で次節は2週間後だ。早々と3点目を挙げてダメを押し、そこから出場機会の少ない選手に時間を与えるなどをしてもいいはずが、磐田の圧力が弱くボールを持てるのをいいことに、アタッキングサードに入ってもなかなかシュートを打たず、無駄にパスの数を重ねているうちにボールを奪われるという悪循環へ突入。雑なプレーが多くなり、パスの精度も低くなると、今度はFC東京の切り替えが鈍くなって、磐田へペースが移ってしまう。磐田はショートカウンターを経て、上原のクロスから鈴木雄斗のダイレクトシュート、大森のファーサイドへの浮き球を落としたところへ大津がシュート、遠藤の左CKのこぼれ球からの混戦から鈴木雄斗が決定機と幾度もチャンスを迎えるが、磐田も磐田で決め切ることが出来ない。
後半も互いに攻め手を欠くなかで時間が過ぎ、FC東京がチャレンジよりも守備に重心を置いたことで、ボール支配率の推移が若干磐田へ引き戻された程度のまま、終盤へ。FC東京はいくつかエリア手前でFKを獲得したが、レアンドロや松木はこれを活かせず。磐田もCKを幾度も得たが、絶好機までには至らず。消化不良のまま、タイムアップとなった。
FC東京は札幌戦同様、相手が不調の磐田であり、ゴールに近いGK三浦のあたりでの自滅で得点を奪えただけで、ポジティヴになれる要素があまり見られなかった。それでも、やや持ち過ぎのキライはあったがレアンドロを0トップに近いセンターにすることで中央と両サイドからの攻撃も生まれ、怪我の影響が心配されたディエゴ・オリヴェイラが途中出場した後はサイドでディエゴ・オリヴェイラがボールを溜めて相手DF裏のスペースへ出すという攻撃もあったりと、ゴールへの道筋のヒントみたいなようなものはあった。ただ、カウンターではスピードダウンして手数を多くしてシュートを打つ前にボールを奪われるなどの状況からは脱していないので、攻め上がったならば必ずシュートを打って終わるというリズムと攻撃の積極性（ゴール前だとボールを受け渡すだけで終わってしまうことが多いので）を作っていきたいところだ。
次節はACL圏まで2差、6位と好調の広島。ホームゲームでは勝利したものの、広島の内容の良さが目立った試合だったゆえ、この試合と同じようなクオリティで挑むことになると、札幌戦の次の浦和戦と同じことが繰り返される可能性は高い。勝利に自惚れることなく、2週間で欠点をいかに修正するかがカギとなる。
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【明治安田生命J1リーグ 第22節】
2022年7月17日（日）18:03試合開始 味の素スタジアム
入場者数 18,212人
天候 晴 ／ 気温 27.1℃ ／ 湿度 76％
主審 木村博之 ／ 副審 武部陽介、岩田浩義
第４の審判員 塚田健太
ＶＡＲ 鶴岡将樹 ／ ＡＶＡＲ 八木あかね
FC東京 2（2-0 / 0-0）0 磐 田
得点：
（東）木本恭生（4分）、渡邊凌磨（14分）
（磐）
〈試合経過〉
04分 得点 東京 木本恭生
14分 得点 東京 渡邊凌磨
46分* 交代 磐田 山本義道 → ジャーメイン良
58分 警告 磐田 大森晃太郎
60分 警告 磐田 大津祐樹
66分 交代 磐田 大森晃太郎 → 吉長真優 ／ 大津祐樹 → 金子翔太 ／ 遠藤保仁 → 松本昌也
71分 交代 東京 渡邊凌磨 → ディエゴ・オリヴェイラ ／ 紺野和也 → 三田啓貴
81分 交代 東京 東 慶悟 → 梶浦勇輝
81分 警告 磐田 リカルド・グラッサ
84分 交代 磐田 大井健太郎 → 森岡 陸
88分 交代 東京 レアンドロ → 山下敬大 ／ バングーナガンデ佳史扶 → 鈴木準弥
90+3分' 警告 磐田 渋谷洋樹（ヘッドコーチ）
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【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
ＧＫ 24 ヤクブ・スウォビィク
ＤＦ 05 長友佑都
ＤＦ 30 木本恭生
ＤＦ 03 森重真人
ＤＦ 49 バングーナガンデ佳史扶 → 鈴木準弥（88分）
ＭＦ 44 松木玖生
ＭＦ 10 東 慶悟 → 梶浦勇輝（81分）
ＭＦ 31 安部柊斗
ＦＷ 17 紺野和也 → 三田啓貴（71分）
ＦＷ 23 渡邊凌磨 → ディエゴ・オリヴェイラ（71分）
ＦＷ 20 レアンドロ → 山下敬大（88分）
≪サブスティテューション≫
ＧＫ 13 波多野豪
ＤＦ 28 鈴木準弥
ＤＦ 42 東 廉太
ＭＦ 43 梶浦勇輝
ＭＦ 07 三田啓貴
ＦＷ 19 山下敬大
ＦＷ 09 ディエゴ・オリヴェイラ
≪監督≫
アルベル
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【FC東京 2022シーズンスケジュール・J1リーグ】
第01節 02月18日(金)19:00 ✕FC東京 0-1 川 崎（Ａ・等々力）
第02節 02月26日(土)15:00 FC東京✕名古屋（Ｈ・味スタ） ※中止
第03節 03月06日(日)16:00 〇FC東京 1-0 Ｃ大阪（Ａ・ヨドコウ）
第04節 03月12日(土)15:00 〇FC東京 2-1 広 島（Ｈ・味スタ）
第05節 03月19日(土)14:00 〇FC東京 1-0 京 都（Ａ・サンガＳ）
第06節 04月02日(土)19:00 ✕FC東京 1-2 横浜FM（Ａ・日産ス）
第07節 04月06日(水)19:00 〇FC東京 3-1 神 戸（Ｈ・味スタ）
第08節 04月10日(日)14:00 △FC東京 0-0 浦 和（Ｈ・味スタ）
第09節 04月16日(土)13:00 △FC東京 0-0 札 幌（Ａ・札幌ド）
第02節 04月20日(水)19:00 △FC東京 0-0 名古屋（Ｈ・味スタ）※代替
第10節 04月29日(金)19:00 〇FC東京 2-0 Ｇ大阪（Ｈ・国 立）
第11節 05月03日(火)17:00 ✕FC東京 1-5 福 岡（Ａ・ベススタ）
第12節 05月08日(日)15:00 ✕FC東京 0-1 鳥 栖（Ｈ・味スタ）
第13節 05月14日(土)14:00 ✕FC東京 1-2 磐 田（Ａ・ヤマハ）
第14節 05月21日(土)15:00 △FC東京 0-0 柏 （Ｈ・味スタ）
第15節 05月25日(水)19:00 〇FC東京 3-0 清 水（Ａ・アイスタ）
第16節 05月29日(日)15:00 〇FC東京 3-1 鹿 島（Ｈ・味スタ）
第17節 06月18日(土)18:00 ✕FC東京 0-2 湘 南（Ａ・レモンＳ）
第18節 06月26日(日)19:00 ✕FC東京 0-5 鳥 栖（Ａ・駅スタ）
第19節 07月02日(土)18:00 △FC東京 2-2 福 岡（Ｈ・味スタ）
第20節 07月06日(水)19:00 〇FC東京 3-0 札 幌（Ｈ・味スタ）
第21節 07月10日(日)19:00 ✕FC東京 0-3 浦 和（Ａ・埼 玉）
第22節 07月17日(日)18:00 〇FC東京 2-0 磐 田（Ｈ・味スタ）
第23節 07月30日(土)19:00 FC東京✕広 島（Ａ・Ｅスタ）
第24節 08月07日(日)18:00 FC東京✕清 水（Ｈ・味スタ）
第25節 08月13日(土)19:00 FC東京✕Ｃ大阪（Ｈ・味スタ）
第27節 08月27日(土)19:00 FC東京✕ 柏 （Ａ・三協Ｆ柏）
第28節 09月03日(土)・04日(日) FC東京✕横浜FM（Ｈ・味スタ）
第29節 09月10日(土)・11日(日) FC東京✕Ｇ大阪（Ａ・パナスタ）
第26節 09月14日(水) FC東京✕神 戸（Ａ・ノエスタ）※
第30節 09月17日(土)・18日(日) FC東京✕京 都（Ｈ・国 立）
第31節 10月01日(土)・02日(日) FC東京✕鹿 島（Ａ・カシマ）
第32節 10月08日(土) FC東京✕湘 南（Ｈ・味スタ）
第33節 10月29日(土) FC東京✕名古屋（Ａ・豊田ス）
第34節 11月05日(土) FC東京✕川 崎（Ｈ・味スタ）
※神戸がACLにおいてGS敗退の場合、8月20日(土)19:00に変更の可能性あり
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