J2での最終戦、札幌に敗れて目の前で昇格決定の喜びを見せ付けられた昨年。その時、東京も既に昇格は決めていたものの、思うように決められたあの敗戦は、最終節ということもあり、あまり後味がいいものではなかった。
それから1年。東京と札幌はともにJ1を戦ったが、札幌はあえなく1年でJ2へ降格が決まった。東京は当初より上方修正となり、まずは残留を果たすことが大事となった。残り5戦の相手を考えた時、最下位の札幌にはしっかりと勝っておきたいところ。札幌はこの2戦、浦和、鹿島に対して1勝1分と負けがなく、決して侮れない相手だが、出場停止やアンダー代表へ選出されて本来のポジションを務める選手がいないことなどを考えると、勝利はもちろん、大量得点での勝利が求められる試合といえる。
結果は5対0と理想的なものとなった。だが、前半はなかなかもどかしい時間が続いた。立ち上がりからボールを支配するものの、シュートまで持ち込めない展開の繰り返し。開始直後にルーカスの決定的な場面があったが、チャンがヘディングでゴールを奪う17分まで、それくらいしかシュート・シーンはなかったのではないか。その間には札幌に数度カウンターによる攻撃を食らうこともあり、支配している割には攻め切って終わることが多くはなかった気がする。前半の1-0だけで後半終盤まで来ていたら、何かが起こるか解からなかったともいえる展開。そういう意味では、後半早い時間で田邉が追加点を奪ったことが非常に大きかった。それまではボールを持ち込んでも横へ流れる、あるいは、後ろへ下げることが多く、ゴールという意識が足りなかった。中央に持ち込んだとしても、狭い地域での細かいパス交換ばかりを選択し、最後の最後で相手DFに引っかかってシュートチャンスを失っていた。中への切り込みや狭い地域のパス交換も、言ってみれば、相手が札幌だったからトライ出来たのではないだろうか。同じような攻撃を、上位にもやってのけることが出来るかどうかと問われたら、いささか疑念を持たざるを得ない。ドリブル突破、ワンツー、ミドル……さまざまなヴァリエーションを駆使してこそ、パスで翻弄するサッカーが体現出来るのではないか。
石川は2ゴール、途中出場のヴチチェヴィッチも見事なミドルを決めるなど、多くのゴールを奪えたことは喜びたい。だが、ここぞという時にシュートを打つことを厳しい状況のなかでチャレンジ出来るか、続けていけるかが大切になる。残り4戦、アウェイ、残留争い、優勝争いと難しい相手ばかりが待ち構えるが、そこで今節と同様のチャレンジをしていけるか。やり切れるか。それが、今後のチームの成長にも繋がるはずだ。
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＜J1 第30節＞
2012/10/27 味の素スタジアム
FC東京 5（1-0、4-0）0 札幌
【得点】
（東）：チャン（17分）、田邉（47分）、石川（59分）、石川（64分）、ヴチチェヴィッチ（81分）
観衆：20,699人
天候：晴、弱風
気温：17.0度
≪MEMBER≫
GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 30 チャン・ヒョンス
DF 14 中村北斗
MF 04 高橋秀人
MF 07 米本拓司 → MF 32 ネマニャ・ヴチチェヴィッチ（63分）
MF 18 石川直宏
MF 10 梶山陽平 → MF 17 河野広貴（73分）
MF 27 田邉草民
FW 49 ルーカス → FW 09 エジミウソン（85分）
GK 01 塩田仁史
DF 05 加賀健一
DF 33 椋原健太
FW 11 渡邉千真
監督 ランコ・ポポヴィッチ
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≪後半戦≫
07/14 ×FC東京 0-1 鳥栖（A）
07/28 ×FC東京 0-2 新潟（H）
08/04 △FC東京 2-2 浦和（A）
08/11 △FC東京 1-1 柏 （A）
08/18 ×FC東京 0-1 大宮（H）
08/25 ○FC東京 1-0 広島（A）
09/01 ○FC東京 3-1 横浜FM（H）
09/15 △FC東京 1-1 清水（A）
09/22 ×FC東京 1-2 川崎（H）
09/29 ○FC東京 2-1 磐田（H）
10/06 ×FC東京 1-5 鹿島（A）
10/20 △FC東京 1-1 C大阪（A）
10/27 ○FC東京 5-0 札幌（H）
≪今後の日程≫
11/07 FC東京×名古屋（A）
11/17 FC東京×神戸（H）
11/24 FC東京×G大阪（A）
12/01 FC東京×仙台（H）
残り4戦。ラスト3戦は、残留争い中の神戸、G大阪と優勝争い中の仙台。ということで、次の名古屋戦はアウェイだが、しっかりと勝ち点を積み上げておきたいところ。
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試合前のキッズチアのダンス with ドロンパ。
札幌ゴール裏。12番のビッグユニフォームも登場。
東京ゴール裏。
試合終了。大型スクリーンには“5-0”。
札幌ゴール裏。選手たちとサポーターが話し合う。
東京の選手たちを待ち受けるドロンパ。
バックスタンド（アウェイ寄り）で挨拶する東京の選手たち。
ゴキゲンなドロンパ。
ゴール裏へと向かう東京の選手たちと後を追うドロンパ。
