jump in the box

この小さな箱の中で飛んだり跳ねたりしてみます(笑)

見えない敵

2004年06月05日 | ラリー
blue_sky_blogさんのラリーのどこが好きか?に答えちゃいます。

砂煙やタイヤスモークや雪をまきあげながら
ドリフトさせながらコーナーを疾走していくマシン!
メカニズムと物理学、スピードとテクニックの臨界点!
これがラリーの最大の魅力でしょう。

これはもう僕なんかが説明するより
実際に映像を見る方が何倍も実感していただけることでしょう。

街中で見かける市販車をベースにしているから
見た目は普通の車と同じなんだけども
そんな車が山道や砂漠や雪道を駆け抜ける
そんな姿を見ているだけでもわくわくするのだが
競技としての面白さも負けてはいない。

「見えない相手との勝負」

さて、WRCなどのラリー競技を簡単に説明すると
SSという決められた区間をとにかく速く走る。
3~4日間で15~20個くらいのSSを走りきるのですが
一つのSS終了後は次のSSまで一般公道を移動します。
そうやってSSごとにアタックしてはタイムを計るを繰り返し
全てのSSの合計タイムが一番短かった人が優勝となります。


SSは基本的に一般公道を封鎖して行われるので
F1などのようにみんな並んでヨーイドン!というわけにはいきません。
そこで1台づつ順番にスタートをしていく方法で速さを競います。

ちょうどスキーのスラローム競技のような感じですね。
1台づつ順番にタイムアタックをしていくのですが
当然自分の競争相手は自分より先か後に走るため
そのSSをゴールするまで自分と相手との位置関係がわからないのです。

ドライバーは見えない相手より速いタイムでフィニッシュすべく
熱く、全てのテクニックを駆使して走りきらねばならないのです。
当然そこで道から外れたり、事故を起こしたりしたら大幅に遅れる事になるし
岩にヒットしたりコーナリングのミスをすればタイムは遅くなります。
公道や悪路で行われるためサーキットと違い、ちょっとしたミスが命取りになりかねません
確実にゴールまで走りきる冷静さを保ちながらも見えない相手よりも速く走る。

この緊張感を想像しながら見るとラリーがより楽しめると思うのです。

具体的な例をあげてみると…

今年の4月に開催されたニュージーランドラリー。
4月15~18日までの4日間に全部で23個のSSを走ります。
4/15 SS1~2 4.2km
4/16 SS3~9 141.92km
4/17 SS10~17 138.84km
4/18 SS18~23 114.74km
SS区間の合計は399.7km
それぞれのSSまでの移動も含めた総走行距離は1424.93kmにもなります。
このラリーでは初日はほとんど移動がないのですが
残りの3日間は、1日に何度もタイムアタックを繰り返しながら500kmくらいを移動していく事になります。

わかりやすく言うと東京~大阪間を山道での全力のアタックを繰り返しながら一般道を1日で移動する。
それを3日間繰り返すのです。マシンにもドライバーにもいかに厳しいかがわかると思います。

で、このニュージーランドラリー
4/16終了時点でトップと2位の差はなんと5秒!
1台づつ順番にタイムアタックするSSを9回、146.12km走って差はたった5秒。
いかにシビアな戦いが行われているか!

最終日4/18が終わって優勝者が決定するのだが
全23個のSS、399.7kmを全力で走りきった優勝者のトータルタイムは4時間2分29秒5
約400kmを4時間…平均時速100kmで先の見えない砂利の浮く未舗装路を駆け抜けたのだ。
そしてその優勝者と2位の差は…
なんと5.9秒!

20台以上のマシンがそれぞれ単独で400kmを全力で走りきって
そのトップとの差が5.9秒なのだ。

例えば東名高速東京IC料金所でたまたま隣り合った2台の車が
同時に料金所を通過して出来る限り速く走る。
東名から名神を経由して関が原ICまで約390km
料金所に止まったら5.9秒後にもう1台が到着する。
これすごいと思いません?

え?思わない?
おかしいなぁ…

ま、とにかくスゴイってことだけはわかってください(笑)

目にすることのできない相手との距離を
全力でアタックしながら縮めていく。
ゴールするまで結果はわからない。
このハラハラドキドキ感もラリーの醍醐味の一つだと思うのです。

RALLY JAPAN

http://www.rallyjapan.jp/


WRC.com

http://www.wrc.com/

叱りながら泣くオトコ(笑)

2004年06月05日 | 家族
長女が嘘をついた。
それはいい。良くある事だし(いいのかよっ 笑)
問題は嘘の内容だ。

一つは娘の事を信頼してくれている人を裏切る嘘
もう一つはそれをごまかそうとしてついた嘘

久しぶりに大声で怒鳴った。
娘は直立不動のまま泣いていた。

嘘なら僕もつく。
そのことで失敗だって何度もしてきた。
嘘をついてもいいとは言わないが
冗談で済ませられたり、
自分でフォローできる程度ならかまわないと思っている。

しかし今回の嘘は許すわけにはいかない。

長女は先生から渡されたプリントに嘘を記入した。
一週間の生活スケジュールを記入するものだったが
就寝時間も起床時間も嘘を記入していた。

理由を問いただすと娘はぼそっとこう答えた
「自分の事良く思われたいと思ったから…」
おそらく正直な気持ちだろう。

親バカと思われるかもしれないが
長女は学校やおともだちやおともだちのお母さん方にでとても評判がいい
外面がいいというやつだ。
「○○ちゃんは小さい子の面倒を良くみてくれる」
「クラスの中で泣いてる子がいたら必ず行って話を聞いてくれる」
「ウチに遊びに来てもいつも言葉使いも丁寧で礼儀正しい」
そんな長女の評判は悪い気はしない(やっぱ親バカだわ 笑)

本人も周囲が大げさにそう言ってくれるから
自然にそういう自分を演じてしまう部分があったに違いない。
そのイメージを守るために嘘を書いた。

この種の嘘は次の嘘を呼び寄せ
連鎖しながらどんどん膨らんで行く。

「このプリント見た先生が嘘を書いていると知ったらどう思うか考えてみろ」
「自分がそうされたらどう思う?」
娘は泣きすぎて言葉にならないながらもゆっくりと答える
「悲しい…気持ちに…なる…」


もう一つの嘘は呼び寄せられた嘘。
ここで断ち切らねばどんどん嘘を重ねる事になる。

たまたまそのプリントを見た嫁さんが問いただしたところ
「プリントに記入した時間を書くんだと思って間違えた」と言ったそうだ。
言い訳としては最低に下手な言い訳。
そんな言い訳で嫁さんを誤魔化せると思っているのか…

長女は嫁さんのことを舐めきっている。
その態度が許せなかった。
僕だってもうずっと舐めさせてもらってないのに…(オイオイ 笑)

「そんな嘘すぐばれると思わなかったのか?」
「ママの事ちょろいと思ってたんじゃないのか?」
ここでまだ言い訳の嘘を言うようならゲンコツ飛ばすとこなんですが
娘は泣きじゃくりながら小さく頷きました。

嫁さんは事あるごとにこう言います
「アンタ(僕)と○○(長女)は性格同じやからなぁ(笑)」

そうなんです。
似てるんですよ…親子ですし…
娘を叱りながら悔しくて情けなくて涙が出てきました。
それは平気な顔で嘘をついていた娘への思いと同時に
同じようなことしている自分自身への思いがこみ上げてきたから。

こういう瞬間はいつもそうなのだけれど
僕のダメダメな性格を受け継いでしまった娘への申し訳なさでいっぱいになる。
自分の事思いっきり棚に上げて叱らなきゃならない事への罪悪感もある。

娘を叱ることで僕は自分にも喝を入れている。
「jumpよ!お前も人として親として少しは成長しろよ!」

翌朝、珍しく僕より早起きした長女は
とびっきりの笑顔で「パパ行ってらっしゃい!」と送り出してくれた。
僕は何度も玄関先を振り返り
娘の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。