JUN SOUNDSYSTEMが影響を受けた私的名盤をうすーく語る。
主に若かりし頃に沢山聴いた音楽を紹介していきます。
The beach boys/Pet sounds ザ・ビーチ・ボーイズ/ペット・サウンズ
小学校高学年くらいまで車で30分くらいのプールによく家族で行っていまして、その道中に父親が
カーラジカセで、よくかけていたのがビーチ・ボーイズでした。特に「サーフィン・USA」が記憶に残ってて、
妙に甲高いコーラスは、当時自分の耳に入ってくる音としては新鮮でインパクトもありましたし、子どもにも
覚えやすいメロディというのもあって、サビは一緒に合唱するくらい。
Beach Boys - Surfin Usa HD
なので、「彼らの音楽=家族で聴けるような陽気な曲&夏の日の思い出のサウンド・トラック」そんな印象を
ずっと持ってました。でも、そう。逆に「その程度」だったんですよね。なのに、「陽より陰の音楽が好き」という
自分の趣向が分かってきた 今、ノスタルジックな思い出に浸れるほどの思い入れもない、あくまで「あ!懐かしい!」だけで
終わるはずだった「ビーチ・ボーイズ」を、のめり込んで、聞くようになるだなんて予想も出来ませんでした。
実際、彼らが当時カーステレオから流れてたそのままの音楽しかやっていなかったら、ここまで興味は持たなかったと
思います。そこはかに明るい音楽をヘッドフォンで部屋で聴いてるような人間じゃないってことは自分が一番分かってるし
愛聴盤とは一人で聞く時間の長いアルバムで、あくまで個人的な愉しみをいうと思いますしね。
さ、話はようやくこのアルバムに移りますが、これは1966年の作品。ビートルズのラヴァー・ソウルにいたく感銘を受け
作られたというこの作品は、クラシックやフィル・スぺクター的な(五人目のビートルズと言われるほど制作に関わり、
ウォール・サウンドを編み出した)音作りを導入したといいます。
だけど、難しい話はいい。とにかく聴いてください。
Pet Sounds Stereo
※↑はステレオ・ミックスとなっています。原盤に忠実な音が聞きたい場合はモノラルミックスを聴いてください。
今現在、ポスト・ロックや、エレクトロニカと呼ばれる音楽、またはソフト・ロックをやってる人たちに多大な影響を
与えた事、そして、天才が揃ったビートルズの布陣に一人、想像力だけを武器に対抗したブライアン・ウィルソンの
ペンによる例えようのない安らぎと、あまりに素晴らしい曲しか入っていないという、その「異常さ」に気付いてもらえると
思います。結果的に、このリリースを機に様々な理由(薬物、アルコール等)から精神を病んでしまったブライアン。
ペット・サウンズ以来、彼の描く「ポップ・ミュージックの理想」を追求できた作品は、20年後のリリース。しかも精神科医と
共作としてという、後味の悪いエピソードもありま す。
でも、彼が若干24歳のときに制作した想像の極み「ペット・サウンズ」というこのポップ・アルバムは現在でも、色褪せること
なく狂おしいまでの完璧さを当時の姿のまま私達に聴かせてくれます。個人的に今まで出会ったなかでもっとも最高の一枚
という確信があるし、言うなれば再生するたび、音楽を聴く喜びさえ再認識させてくれます。
時と場所そして気分さえ選ばず聴ける一生の愛聴盤。こんな作品に出会えるから、CD買うの止められないんですよね。
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