東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

2001年のカラヴァッジョ(Part2)(2)

2010年05月06日 | カラヴァッジョ

 実は、私は「CARAVAGGIO E IL GENIO DI ROMA」展に行きました。
 保管してあった半券をみると、入場日は8月26日。
 7月31日で終了していたのでは?
 「好評につき延長!!」期間中だったのです。


 夏休みを利用した6泊8日の旅。ローマに滞在し、周辺のいくつかの都市を巡る計画。
 当時イタリア・バロックに全く興味がなく、興味の的はもっぱらイタリア・ルネッサンス。
 ただ、石鍋真澄氏の「サン・ピエトロが立つかぎり」や「ありがとうジョット」を読んでいたため、ローマに行ったらカラヴァッジョを見ておくべき、との認識はありました。
 その認識に従い、サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂を巡り、そして、現地で知った特別展「CARAVAGGIO E IL GENIO DI ROMA」会場のヴェネチア宮殿を訪れました。


 特別展は、本来の予定期間は終了しており、そのときは延長期間中であるということは、会場の案内を見て、認識していました。
 だから、入口付近には国外所蔵のカラヴァッジョ作品の写真が飾っているにもかかわらず、既にお帰りになっているだろうとも認識していました。


 少し残念に思いつつ、時間もないので、カラヴァッジョだけを求めて30分程度。
 多数の絵画がありました。おそらくバルベリーニ国立古代美術館などローマの美術館所蔵の作品が継続展示されていたのでしょう。
 見つけたカラヴァッジョは(たぶん)2点。
 ひとつは、(たぶん)「ナルキッソス」。
 もうひとつが、「ユディトとホロフェルネス」。
 グロテスク系であるが故に前から気になっていたこの作品。血が不得手なのか、臭うのか、「あらいやだわ」と若く美しいユディトの眉間に皺が寄る。隣の老婆の顔には長年の労苦をしのばせる克明な皺が。写実的ながらも漫画的な絵。
 まあこんなものかという感じで終わったはずなのですが・・・。


 この旅で見た「聖マタイの召命」。
 1ヶ月後に東京に来た「エマオの晩餐」。
 この2枚が、カラヴァッジョとイタリア・バロックへの私の関心を呼び起こしました。
 その後、宮下氏の著作も次々に出てさらに加速、今はカラヴァッジョを偏愛。
 本展覧会の意義も最近ようやく認識し始めました。


 私が行ったことのあるカラヴァッジョ展は、2001年、このローマの展覧会と東京の展覧会のみ。
 没後400年大回顧展に行く予定はありません。
 ただ、生誕450年(2021年)に特別展があるのなら是非、と今から思っています。



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