二日間だけの鳥居清長展
2015年6月6日~7日
回向院念仏堂・両国
二日間だけの鳥居清長展と題し、回向院所蔵の鳥居清長の浮世絵が展示。
1752年に生まれ、1815年に没した鳥居清長は、回向院に葬られる。
その墓碑は、地震、戦火といった災禍のために消失しており、過去帳に法名等が確認できるのみであったという。
2013年、境内に清長碑が建立される。
本展は、回向院所蔵のほか、平木浮世絵財団や川崎・砂子の里資料館所蔵の浮世絵、練馬区の長命寺所蔵の肉筆絵馬も展示されていて、興味深く観る。
もうひとつ、平行企画がある。
題して「大江戸両国広小路見世物珍獣大集合」。
江戸時代、江戸の民衆が見世物として”珍獣”に出会った場所、それが回向院のある両国広小路が中心だった、という契機。
摘水軒記念文化振興財団所蔵の虎(3)、豹、孔雀、象、駱駝の絵が計7点が展示されていて、むしろこちらのほうを非常に興味深く観る。
特に観たのが駱駝と象。
駱駝は、谷文晁作。
2015年の府中市美「動物絵画の250年」展の後期展示でのお気に入り作品で、早い再会をうれしく思う。
象は、宅間楊汀(←初めて聞く)作。
この象は、1728年にベトナムから長崎に運ばれた。
雄雌2頭だったが、雌は環境変化のためか長崎で死亡する。
雄(来日時7才)は、長崎から徒歩で移動、京都で天皇に拝謁し、江戸に到着、八代将軍吉宗に献上される。
その後、飼育経費をきらった幕府から民間へ払い下げられ、中野の象舎で過ごすこととなる。
飼育者は、象の糞(涙との説もある)が疱瘡の薬であると言って売り出して大もうけ。また、象舎は見物人で賑わい饅頭も売れたという。
1749年頃死亡。