東京でカラヴァッジョ 日記

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ヴィジェ・ルブラン展(三菱一号館美術館)

2011年04月10日 | 展覧会(西洋美術)

マリー=アントワネットの画家 ヴィジェ・ルブラン展 -華麗なる宮廷を描いた女性画家たち-  
2011年3月1日~5月8日 
三菱一号館美術館 


すっかりはまってしまいました。ヴィジェ・ルブラン展。


画家の名前を見て男か女かを判別できるほどの外国語力はない私。
女性画家は昔から結構たくさんいるんだなと知ったのが、昨年のウフィツィ美術館自画像コレクション展。
調べてみると、西洋女性画家を紹介する書籍も2~3冊出ている。買ったのは、古書で、若桑みどり氏の「女性画家列伝」(岩波新書)。熱い本。
というときに、本展の開催を知りました。
チラシを見る限りなんか平坦。ですが、実物は期待以上に素晴らしかったです。


本展は、ヴィジェ・ルブランをメインに、18世紀フランス、ロココ時代の女性画家を概観する展覧会。
全83点の出品。うちルブランが23点。


3階から始まる展示室、最初は、フランソワーズ・デュパルクの「荷物袋を持つ男」と「ハーブティー売り」。「カワイイ」庶民たちのお出迎えに期待が高まります。
その後、いろいろな女性画家の作品が続きます。
キャプションが楽しい。画家の経歴が参考図版とともに紹介されており、熱心に読んでしまいます。ただ、絵自身は、「画家ジャン=ジェルマンカトリーヌ・リュジュリエ=ドルエ」(の額縁の装飾)など目を引くのもありますが、ちょっと単調に。


と思っていると、3階の最後のほうの部屋から、本展がいよいよ加速します。
まず、マリー=ガブリエル・カペ「自画像」。国立西洋美術館の人気作品。ちゃんと見るのは初めてですが、素敵な作品。
ルブランのライバル女性画家、アデライード・ラピーユ=ギアール。「フランソワ=アンドレ・ヴァンサン」など2点。
そして、ルブランが登場。3階の最後の部屋に、「エチエンヌ・ヴィジェ、画家の弟」、「ポリニャック公爵夫人」等5点。


2階へ。ルブランが大全開。


お気に入りは3点の自画像。
一番は、1794年作、個人蔵の自画像。
ブリストル・コレクションからの自画像(1791年)は、ウフィツィ美術館自画像コレクション展で登場した「マリー・アントワネットの肖像を描く自画像」の別バージョン。同作が気にいったブリストル卿から依頼されて描いたものとのこと。同じ構図ですが、キャンバスに描いているのはマリー・アントワネットではなく自分の娘。
もう一つの、エルミタージュ美術館から来た自画像(1800年)も素敵。

自画像以外にも、見入ってしまう作品が多数ありますが、素晴らしいのはやっぱり自画像。これは、他の女性画家でもいえることかなあ。


最後の部屋に、ルブランの次の世代の女性画家たちの作品。
マリ=ギエルミーヌ・ブノワ。参考写真の「黒人女性」はすごそうですが、本展の「ジャン=ドミニク・ラレイ」も感心する作品。


実に楽しい展覧会です。


次はイタリアの女性画家(アルテミジア・ジェンティレスキなど、17~18世紀)の展覧会を見たいなあ。



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