今年見た展覧会のお気に入りベスト10(今年が8回目)。
1: アルチンボルド展
2017年6月20日~9月24日
国立西洋美術館
圧倒的な企画展。これまでのように、ハプスブルク家コレクション/ウィーン美術史美術館コレクションの一つとしてアルチンボルド作品1〜2点を観る。あるいは、だまし絵のコンテクストのなかでアルチンボルド作品1〜2点を観る。ではなく、「彼の生きた時代や環境、彼の人生、彼の作品の歴史的意義」「彼自身のコンテクストのなか」でアルチンボルド作品を観る。 《四季》《四大元素》連作、上下絵、肖像戯画、自画像。関連作品。素晴らしい鑑賞体験。東京の次はローマにて開催中(〜2/11)。
2:ティツィアーノとヴェネツィア派展
2017年1月21日~4月2日
東京都美術館
ティツィアーノの初期作品《フローラ》、中期作品《ダナエ》と《教皇パウルス3世の肖像》。傑作3点をそれほど混雑しない環境でじっくり観る。至福の時間。
東京都美術館
3:ブリューゲル「バベルの塔」展
2017年4月18日~7月2日東京都美術館
24年ぶり来日のブリューゲル《バベルの塔》。初来日のヒエロニムス・ボス《放浪者(行商人)》と《聖クリストフォロス》。いずれも特筆すべき作品。ただ、《バベルの塔》の鑑賞は不完全燃焼感が。まあ、マクロとミクロの視点を併せ持つ稀有な超絶技巧作品だから、間近で独占して長時間鑑賞できたとしても、これで充分と思うことはないだろうけど。
根津美術館
三菱一号館美術館
4:台北 國立故宮博物院-北宋汝窯青磁水仙盆
2016年12月10日〜2017年3月26日
大阪市立東洋陶磁美術館
世界に6点しかない「北宋汝窯青磁水仙盆」のうち、台北 國立故宮博物院の4点と本美術館所蔵の1点の計5点を集めたというマニアックな展覧会。ひたすらその色彩を眺める。「天青色」を目に焼き付ける。観客もまばらな時期の訪問。至福の時間。
5:運慶
2017年9月26日〜11月26日
東京国立博物館
本展鑑賞により自動的に運慶仏の実物を見た数だけは誇れるレベルとなってしまった私。31体のうち22体の出品。残り9体、全て日本にあるので、その気になればコンプリート可能かも。
6:高麗仏画 香りたつ装飾美
2017年3月4日〜3月31日根津美術館
「高麗仏画」という言葉自体、本展で初めて知ったほどだが、副題どおりの「香りたつ装飾美」を堪能する。
7:狩野元信
2017年9月16日~11月5日
サントリー美術館
旧大仙院方丈障壁画《四季花鳥図》8幅に感嘆する。
8:オルセーのナビ派展
2017年2月4日~5月21日三菱一号館美術館
これまでほとんど意識していなかった「ナビ派」、その魅力を初めて知る。ボナール、ヴュイヤール、ベルナール、セリュジエ、ヴァロットンほか計11人の画家。特にヴュイヤールの《公園》連作は恐るべき傑作である。
9:遥かなるルネサンス-天正遣欧少年使節がたどったイタリア
2017年9月21日〜12月3日
東京富士美術館
8年5ヶ月に及ぶ大紀行。そのなかの僅か5ヶ月であるが、主目的であるローマ訪問を含む「イタリア」滞在に着目した展覧会。美術展というより歴史展の趣き。久々に故若桑みどり氏の著書『クアトロ・ラガッツイ』を開く。
10:ミュシャ展
2017年3月8日~6月5日
国立新美術館
国立新美術館
国立新美術館だから実現。ミュシャの最大610×810cmの超大型画面《スラヴ叙事詩》全20点の展示。
2018年も素敵な展覧会に多数出会えることを期待しています。
【参考】