オルセー美術館、オランジュリー美術館共同企画
ドビュッシー、音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで
2012年7月14日~10月14日
ブリヂストン美術館
音楽家ドビュッシー。
名前はさすがに知っているけれど、どんな音楽家なのかイメージが全く浮かばない私。
ドビュッシーのことは気にかけないこととし、単なる美術品鑑賞として本展に向きあうこととした。
前半は、「モーリス・ドニ」と「アンリ・ルロール」展。
そういいたくなるほど、彼らの作品、あるいは彼らに関係する作品が多い。
本展の代表的な出品作である、オランジュリー美術館所蔵のルノワール「ピアノに向かうイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロール」。
モデルとなった二人の女性は、アンリ・ルロールの娘たち。
また、アンリ・ルロールの娘たちをドガが撮影した写真も2点展示されている。
そういう意味で前半の代表作品を挙げるならば、アンリ・ルロールの娘をモデルとした、モーリス・ドニ作「イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像」ということになるでしょう。
中盤は、「古代への回帰」の章にてギリシャ時代の壺などが、「アール・ヌーヴォーとジャポニズム」の章で日本の仏像や扇子などが、わざわざフランスから持ってきて展示しているのに感心。
後半は、印象派およびその周辺の画家たちの作品。
比較的長く眺めたのは、
マネ「浜辺にて」(三菱一号館美術館のマネ展にも出品)
ゴーギャン「牛のいる海景」
セリジェ「タリスマン(護符)」(国立新美術館のオルセー美術館展にも出品)
ウィンスオー・ホーマー「夏の夜」(初めて名を聞く画家)
あたり。
フランスからの招来作品とあわせ、ブリヂストン美術館所蔵作品も結構顔を出している。それが可能なレベルの作品を所蔵しているということだろう。
そのなかでも特に新所蔵作品であるカイユボット「ピアノを弾き若い男」は目を引いた。(本展のテーマとどうかかわるのかはわかりません。図録には書いてあるのかなあ。)
バーン・ジョーンズの油彩作品が1点。きっとこれまでもこのような感じで1・2点の作品を見る機会は何度もあったはず。でもこのような感じの鑑賞では、全く印象に残らない。
これまでそういう状況だったので、現在三菱一号館美術館で開催中の「バーン・ジョーンズ」展は実に貴重な機会だなあ、と本展のバーン・ジョーンズを見ながら思ってました。
音楽好きの人にはまた違った見方のできる展覧会なのでしょうね。