東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

行ったけど書いてなかった展覧会(2012年秋)その2

2012年12月08日 | 展覧会(その他)

<その4>
アントワープ王立美術館所蔵 ジェームズ・アンソール -写実と幻想の系譜-
2012年9月8日~11月11日 
損保ジャパン東郷青児美術館


深夜勤務明けの午後の訪問がよろしくなかったのか。

2部構成。
第1章「写実とアカデミズム」は、いわゆる「アンソール」以前。
第2章「グロテスク絵画に向けて」は、いわゆる「アンソール」。
アンソール油彩出品数の観点からは、第1章はかなり充実、第2章は8点程度と相当控え目。

本展の出品作は、アンソールにとどまらない。
アンソール、同時代の画家、16-17世紀フランドルを中心とする昔の作品、が3分の1ずつ(割合は適当)という出品構成。
入場後すぐにルーベンスが登場したり、ブリューゲル一族があったり、とむしろこちらの方を楽しんでいたりする。

「陰謀」が目玉。そのほか、「首吊り死体を奪い合う骸骨たち」「絵を描く骸骨」「悲しみの人」等。
がその世界に入り込めない。

やはり、深夜勤務明けがよろしくなかったのだろうか。
でも、通常の状態だった、2005年の東京都庭園美のアンソール展でも、同様だった。
再訪を考えていたが、期を逸した。


<その5>
没後120年記念 月岡芳年
2012年10月2日~11月25日
太田記念美術館


「奥州安達がはらひとつ家の図」を最初に見たのは東博の常設展。
びっくりした。
あまり長居するのもいろいろと具合が悪そうなので、その前を離れた。
が、老若男女を問わず多くの人がこの図の前では長居していた。

宮下規久朗の著作「刺青とヌードの美術史」でこの図と再会した。
(抜粋)
私はこの図を日本の裸体画史上の最高傑作のひとつと評しているが、それはこの図があらゆる点で西洋的なヌードの美意識と対極にあり、「美術」が成立する以前の、性的欲望と残虐趣味とが不可分であった時代の民衆的で性的な視線と、見世物的な猥雑な好奇心とが赤裸々に表現されているからである。

それでもこの絵の作者が月岡芳年とはインプットされず。浮世絵師は名前が似ていて覚えにくい。

今回、月岡芳年展の開催を知り、残虐絵、血みどろ絵が多い画家と聞き、この図を思い出した。
調べると、やはり月岡芳年。後期出品を確認し、訪問した。

最後の展示室となる地下1階、同じ縦大判二枚続きが並ぶなかに、この図はあった。
今回はびっくりすることはない。
なんか古臭い。1960-70年代(時代はいい加減)にもてはやされていた感じ。

月岡芳年の名こそ認識していなかったが、その作品には何度もお目にかかっていることがわかった。
残虐絵、血みどろ絵も多いが、それだけにとどまらない。
幕末から明治にかけて活躍した「最後の浮世絵師」、今後は意識して見ていこうと思う。


<その6>
新装開館記念名品展 時代の美-五島美術館・大東急記念文庫の精華
第2部 鎌倉・室町編
2012年11月23日~12月24日
五島美術館


改装直前の2010年11月開催の「国宝源氏物語絵巻」展にはまった。
今回は五島美所蔵分だけだが「国宝源氏物語絵巻」に再会しようとHPを確認すると、終わっている。
第1部「奈良・平安編」は先週終わっている。
今は第2部「鎌倉・室町編」。
国宝「紫式部日記絵巻」が出品されている。どんな作品かは知らないが、面白いかもしれない。

2年振り2回目の訪問。展示室が2つに増えている。庭園はまだ改装中、来年春になるらしい。
お目当ての「紫式部日記絵巻」は、増えた方の展示室にあった。
一瞥で終わった。 



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