ウイルス対策に特殊紫外線を照射するとウイルスの感染力低減や不活性化を素早く行える機器が開発されている。
これらの機器と言っても小さく価格も高くない、感染した部屋とか場所を人的に行うのは結構大変な作業で、しかも完全に取り除くことは出来ない。
紫外線は場合に寄り人体や材料に害が有るのは知られていて扱いには注意が必要だが、除菌や消毒には以前から使われている。
今回は最近発表された研究成果と機器について述べます。
ノーベル賞(物理学賞)を受賞された名古屋大学天野浩教授と血液透析装置等を開発・製造している日機装がコラボして送り出した、紫外線は目には見えない線でその中の400ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の波長を深紫外線と言い、これを照射するとたんぱく質に含まれるDNAのらせん構造が破壊されウイルスや細菌を不活性化させる。
深紫外線は以前から知られていたが扱いの難易度は高い領域、これに光を当てて光らせるのに青色LEDの実用化に成功し商品化が結び付いた。
紫外線の検出と取り組み、それを何に使うかの試行錯誤が続く、2006年から共同研究が開始され、2015年に量産化技術が確立されたので長い年月を要した、しかしこれでも製品化にはさらに5年も掛った。
医療用として使う場合はエビデンス確率(データ)を集める必要が有り、この点では宮崎大学医学部と共同実験を行う、深紫外線LEDをウイルスに1秒照射で約90%、10秒照射で99.9%の不活性化が出来ると判明する、今は比較的狭い空間での使用例でこれをより広い空間でも使える装置を開発中。
イスやテーブルが置いて有るレストランでのアルコール消毒は大変時間が掛かる、効果も限定的ならこの装置で10秒照射で上記の数字が出ればそこで働く者にしては大変な労力の削減と安心感が得られる、装置価格も安く、場所も取らないから経営効率はアップする。
小さな劇場や集会室での入れ替え毎にアルコール消毒は大変だ、この労力削減にも効果は大と考える。
最近ニュースリリースされた商品で、ウシオ電機が商品化し広島大学との共同研究での実用化、ウシオはLEDでなくエキシマランプを光源としている、222ナノメートル付近の波長の紫外線を使う。
近距離で30秒紫外線を当てると99.7%のウイルス不活性化が得られた、組み込み型モジュールとして販売と商品化した装置も有る、小型で場所も取らず省電力、照射範囲は狭いので部屋の大きさに寄り複数台置く必要が有るだろうが職員や現場担当者の労力と安心感はお金には代えられない。
日々除菌、マスク、防護服等で大変な毎日が安いコストで業者に消毒を頼まなくても設置して電源オンするだけ、時間も秒単位なら問題なし、何よりウイルスで感染する心配はない?かもしれないので検討される価値は有りそうだ。