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■Nikon F (1959-1974)
"Fシリーズの大御所"
尖り頭に燦然と輝く「F」。
ニコン(当時は日本光学)にとっての初のフィルム一眼レフカメラ、元祖Fです。
Nikon S2・SP・S3・S4などのレンジファインダー機を経て1959年に登場し、1971年にF2が登場した後もしばらく製造され
1974年までの15年間製造されました。
ボディの外観はNikon SP、S3などと同じくNikonロゴは細丸ゴシック体を採用しており、尖り頭のペンタ部のシャープな造形も手伝ってか
全体的にスマートなイメージです。
僕の所有するこのFは製造番号733****。1972年3月~7月の間に製造された個体です。
Fには大きく分けて初期型(640万番台)、前期型、後期型(所謂NEW F 735万番台前後以降)とあるのですが、このFは巻き上げレバーに
プラスチックカバーが付いていないのでNEW Fとはちょっと違います。後期型に切り替わる直前に製造された個体のようです。
勿論、コレクション的価値はありません。
中古で手に入れたのですが、ペンタ部の"F"の刻印の右下にわずかな凹み(エクボ)がある為か比較的安価でした。
一眼レフカメラ全般かもしれませんが、ペンタ部にアタリ・キズ・凹みがあると無いとでは大きく値段が変わってきます。
購入してすぐにニコンSCで点検してもらいましたが、ファインダーのプリズム銀浮きがごく微か出ているだけで
シャッター速度も適正に切れていましたのでポジでも安心して使えます。
最近にも診てもらったのですが相変わらずシャッター速度も正確でした。
とても丁寧に使用されていたようなので、一度はオーバーホールに出されていたのかもしれません。
視野率100%のファインダーの見えはF2やF3に比べるとやや暗い印象ですが、ピントの山は掴みやすいです。
巻き上げはF3に比べるとやや重めで、フィルムが進むにつれてテンションが上がっていき、
フィルム後半になると結構重い感触です。
「シャッターボタンが後ろ寄りにあるので押しにくい」とよく言われるのですが僕はそれほど気にはなりません。
「カシャン。」と小気味のいいシャッター音とともに横走りのチタン幕シャッターが走ります。
見た目にコンパクトなので相手に威圧感を与えたくない時などに使います。
勿論、当時の最高級機。現在のD3にあたる機種なのですがカメラの事をよく知らない人から見れば
「記念写真」を撮っている程度に思われているようなので、そこを活かして話をしながら「カシャン。」と
撮っています。
アイレベルファインダーなので露出計はありません。
露出は撮影者の勘(もしくは経験)のみなので「潔く撮りたい気分」の特にピッタリです。
機械式シャッター故、電池も要りませんので本当に気軽なもので、撮りたいものが決まってなく、
漠然とブラブラしたい時などスナップ用として使っていますが、シャッター最高速が1/1000秒まで
なので、明るい単焦点レンズで日中屋外で絞りを開けて使いたい時はND2~ND4が手放せないのが難点でしょうか。
レンズは本当はオート時代のニッコールが一番似合うのですが、持っていないためAisレンズを付けて楽しんでいます。
最近、初期型である640万番台の富士山マークの"Nippon Kogaku Japan"刻印で且つ、ブラックのFも欲しいのですが、
程度の良いものはなかなかいい値段しますので二の足を踏んでいます。
※2012年1月、このFアイレベルのボディ本体は売り、日本光学マークのアイレベルシルバー前期型に変更しました。
現在持っている視度補正レンズが転用出来るように、アイレベルファインダーはこの中期型のものを載せています。
■Nikon F2 (1971-1980)
"F史上、最強のメカニカル一眼レフ"
レンジファインダーの時代を終焉たらしめ、カメラ市場を席巻したFの後継として
1971年(昭和46年)に登場したF2。
このF2はシリアルNo.が743****で、1974年7月~9月製造分です。僕の生まれた1年後くらいです。
偉大すぎるFと、優秀(?)なF3との間に挟まれ、このF2はやや印象の薄い感があります。
Fが15年、F3が20年製造されたのに対してF2は9年間。
しかし、"Fシリーズ最後にして最高峰のメカニカル一眼"との評価を得ています。
F2は、その外観からかFのマイナーチェンジ版みたいなイメージが強いのですがFがレンジファインダー機のSPのボディを二分割して
間にペンタミラーを挟み込んだ設計なのに対して、F2は最初から一眼レフ用の設計となっています。
つまり、実際には新設計のフルモデルチェンジでした。
シャッタースピード最高速度がFの1/1000秒から1/2000秒に上がった事が最大の進化でしょう。
Fは1/1000秒までしかないので日中で絞りをあけたい時はNDフィルターのお世話になっていたのですが、
F2は1/2000秒まであるので、感度100のフィルムでf2.8くらいまで絞りをあけることが出来ます。
あとは、裏蓋の開閉が蝶番式になり、フィルム装填の時に裏蓋を外さなくても良くなったとか、
シャッターボタンの位置が前寄りに改善された点とか、裏蓋にフィルムの箱の切れ端を入れるメモポケットが付いたとか、
B(バルブ)とTとセルフを組み合わせると10秒までのスローシャッターが設定出来るようになったとか。
地味な内容ですが、実際使ってみるとFと比べてずいぶん向上しています。
ただ、シャッター音はFのような上品さは持ち合わせておらず、F2は「バチン!!」とけたたましいシャッター音です。
猫や子どもを撮ると相手が「ピクッ」とします(笑)
ミラーアップしても音はさして小さくならないので、このシャッター音がF2最大の欠点と言われ、街中でのスナップ、
キャンディッドには向いていないと評されます。
2012年3月に中古で買ったこのF2は巻き上げが「ギー」と不調だったのと、モルト全般が劣化しており、スローも時々不調だったので
猪苗代カメラ工房さんにオーバーホールしてもらいました。
よって外観はボロですが、機関絶好調なので気兼ねなく外へ連れ出せます。
Fもそうですが電池無しでも動く一眼レフというのは安心感があり、本来カメラというものはこれで充分なのだと気づかせてくれます。
オーバーホールから還ってきたF2は、以前にも増して景気の良すぎる(笑)シャッター音を鳴らしていますが、いかにも写真を撮っているという
気分にさせてくれます。
手に持っただけで伝わってくる信頼感。
流石、メカニカル一眼レフの最高峰と言われるだけの事はあります。
■Nikon F3 (1980-2000)
"Super Nikon"
80年代の幕開け、ニコンは自らこのキャッチコピーを冠し、このカメラを世に出しました。
ニコンのF史上、最も生産期間が長く、1980年から2000年までの実に20年間続いた超ロングセラーカメラ。
2~4年ほどでモデルチェンジしてしまう昨今のデジタル時代では考えられない事です。
1988年にF4、1996年にF5が登場しても関係なく、世の中がオートフォーカスが主流となったのなか、
MFニコンの最高峰として君臨し続けた孤高のカメラ。
誕生の時から既に"Super"である事が義務づけられていたかのように、発売の時には既にNASAに正式採用
され、翌81年にはコロンビア号とともに宇宙へ旅立ち、貴重な記録を残しました。
また、翌年の82年には冒険家の植村直巳とともに南極大陸を横断し、85年、89年には和泉雅子さんと共に
北極圏を旅しました。
宇宙だろうと地球の果て、極寒の地であろうと「100%壊れないカメラ」が絶対条件として提示されたのですが、
見事にF3はそれぞれの旅から無事に生還し、伝説を刻んで行きました。
勿論、「NASA仕様 (big camera / small camera)」や「極寒地仕様 (ウエムラスペシャル) 」のF3はそれぞれ外装がオール金属化され
防燃性や防熱性・防寒性・防水性をより高耐久化した特別仕様でしたが、驚くべきはベースが市販のF3と同じで、
その信頼性から報道機関でも長く使用され激動の80年代を生き抜きました。
F3が長きに渡って「Super」であり続けたのは、ニコンF一桁機として初めて電子式シャッターを採用したとか、
絞り優先を搭載したとか、イタリアのジウジアーロのデザインを採用したとか、登場当時は勿論そういう事だったからだと
思いますが、後世に渡って存続されたのは何よりもこの信頼性が際立っていたからなのではないでしょうか。
実際に使ってみるとファインダーはクリアで見やすく、巻き上げも非常にスムーズでフィルムの終わりまでトルクが一定で好印象です。
(ただ、ストラップ金具がやや上に付いているためか、よく巻き上げレバーにストラップが引っかかってイラっとする時がありますが)
F3の不満な点で多く言われるのは、なんと言っても回しにくい露出補正ダイヤル。
また、露出の過不足が±でしか表示されないので適正露出から何段ズレているのか分かりづらいです。
そこで、絞り優先AEから逃れようにも今度はロックボタンを押しながらシャッターダイヤルを回さないと絞り優先AEから解除されません。
F3の絞り優先AEには忌々しさすら覚えます。(-_-#)
多くの方が言われているようにマニュアルで撮るのがベストだと思います。
あとは・・・
薄くて暗いところでは殆ど見えないファインダー内液晶表示。それを点灯表示するイルミネーションボタンも小さくとても押せない。
指が届きにくいプレビューボタン・AEロックボタン。
露出の変化にナーバスなほぼスポット測光に近い中央重点測光。
などなど、不満をあげてみるとキリがありません。
上で「信頼性」と書いたのは何だったのでしょう・・・(^▽^;)
考えてみると「機能性」と「信頼性」は別物で、F3は機能性に限っていえば使いづらいカメラです。
但し、F3の機能に任せず、自分の勘や経験で露出を決め、絞りの惚け具合もある程度頭の中でイメージ
出来る人にとってはかなり使いやすいカメラであり、そういう意味では「信頼性」の高いカメラです。
その高い信頼性と、ややジャジャ馬的な、憎めない側面ゆえ、20年間もの間、人々に愛されつづけたのではないでしょうか。
いえ、製造終了から10年以上経った今でも雑誌などで取り上げられる事があり、女性の方が手にしているのもたまに見かけます。
当時は斬新だったデザインも今となっては、ちょっとレトロな雰囲気を醸し出しており、所謂「女子カメラ」の方にも
New FM2と並んで、受けがいいのかもしれません。
まぁ、女子の方に「F3を買おうと思うんだけどどうかな?」と相談されたら「やめとき。」と答えると思いますが(笑)
F3登場時にデザイナーのジウジアーロによって、はじめてニコンのカメラに赤いラインのアクセントが入れられたのですが
それは今日のニコンデジタルカメラでも継承されています。
ジャジャ馬な性格で色々不満もあるけれど、こちらがシンプルに接したらキチンと応えてくれる。
そんなF3はこれからも人々に愛されつづけるカメラなのです。
■Nikon F3 (eye-level)/MD-4
"重戦車F3"
モータードライブMD-4を装着したF3。
そもそもF3を買ったのはこの姿に惚れたからです。
上でF3は「女子カメラ」にも受けがいいと書きましたが、このモータードライブを付けた途端に無骨な、「銃器然とした」カメラと豹変し、
いかにも男の道具と云ったイメージになります。
モータードライブ付きのF3を手にしている女性は、デビューアルバム「無罪モラトリアム」のジャケット写真の椎名林檎さんくらいしか見た事が
ありませんが80年代~90年代前半にかけては報道関係の女性記者の方などは肩からさげておられたのでしょう。
モータードライブ装着に伴い、スパイ映画とかに出てくるような「チキーッ」と鳴る、金属的な、いかにもカメラというシャッター音に変わります。
連写速度は6コマ/秒と現代の初級~中級機と比べても遜色ありません。
個人的にはF3で連写する事はありませんので、時々空シャッター連写で悦に浸っているぐらいですが・・・(笑)
モータードライブを付けると重量が急に重くなり、「重い、重い」と評判のF5以上に重くなりますので
登山の伴う撮影には同行させたくないのですが、現場でこのシャッター音を響かせたいという意味不明な衝動に
駆られる時があり、この重さを我慢して同伴させています。
朝焼けや夕暮れの写真など、刻一刻と状況が変わっていくような場面を想定している時はモータードライブ付きを。
気軽に散歩気分で撮影したい時にはモータードライブ無しのF3を連れて行っています。
このように「一粒で二度おいしい」、二つの顔を併せ持っているところもF3の好きなところで、とりわけ可愛がっており、
現在所有しているフィルムカメラの中で唯一、F3だけは今年、オーバーホールに出しました。
特に大きな不具合も無かったようで、メカニカルな点は注油・清掃くらいで快適に動いています。
ファインダー内も綺麗になりました。ファインダー内液晶表示はあいかわらず薄い気もしますが、OH時の部品交換により前よりは濃く
見やすくなりましたので元々こんなものなのでしょう。
このF3はもともとHP(ハイアイポイントファインダー DE-3)の状態の物を購入したのですが、ファインダー倍率が75%の為、MFでのピントが少しでも
見やすいように倍率80%のアイレベルファインダー DE-2に交換しました。
まぁ、個人的には5%の違いの見やすさはよく分かりません(笑)
コンタクトレンズを使用しているのでHPファインダーは必要では無いのですが、眼鏡をかけておられる方はHPファインダーの方が
ケラレなくて良いでしょう。
F3のOH時に合わせてHPファインダーも清掃してもらい、視界もクリアになって帰ってきました。
いつか老眼鏡をかける事になった時のために防湿庫で待機しています(笑)
僕の所有しているF3はシリアルNo.から1982年製で、もうすぐ30年になります。
F3メイン機として持出す機会はあまり有りませんが、これからも大事にしていきたいと思っています。
■Nikon F5 (1996-2006)
"Fの横綱"
フラッグシップに相応しい、堂々たる佇まいの"背番号5"
スターティングメンバーに据えて置いているだけで頼もしさを感じる時があります。
デジタルメインで撮影してきていたのですが、竹田城の雲海や新舞子の干潟などはフィルムの方が遥かに美しい画を描ける事を知り、
はじめてのフィルムカメラとして購入しました。
F6も候補にあったのですが、この迫力に押し出されてしまいました。
このF5は1996年、プラボディが安っぽいだの、AFが遅いだの、湾岸戦争の砂漠で報道陣が使用し動かなくなった話が広まったりと、
Fシリーズの歴史の中でいいイメージの無かったF4の後をうけて登場。いわば"巻き返しの1台"としての指名をおびていました。
世界初となる、色まで見分ける"RGBパターン測光"、高速オートフォーカス、モータードライブ一体型となった8コマ/秒の高速連写など、
強力な武装を備えていました。
特筆すべきは新開発のRGBマルチパターン測光が既に完成の域に達していた事です。
僕自身もこのRGBマルチパターン測光を信頼しており、普通の場面では適正露出を大きく外す事があまりありませんので、
あとはどのような絵にしたいかによって適正露出から±するくらいです。
風景写真ではじめて訪れる場所の撮影には迷わずこのF5を持ち出します。
逆に、人物などスナップの時には絶対に持っていきません。ゴツ過ぎて相手が引いてしまうかもしれないからです。
AFは非常に早く、AF-Sレンズ・Dタイプレンズとも、D300に装着した場合より素早くピントを合わせます。
特に、DタイプレンズをD300で使っていた時はそのAFの遅さにイライラさせられる事が多かったのですが、
F5は「ギュン!」と力強く、素早くピントを合わせてくれます。
ボディ本体に強力なモーターを備えているのでしょう。
モータードライブ一体型なので8コマ/秒の連写速度も申し分ないです。
もっとも実践で連写する事もありませんのでF3/MD-4同様、空シャッターで時々悦に浸っているぐらいです(笑)
このF5と云うカメラが語られる時、開口一番に出てくるのがとにかく「重い」という事です。
モータードライブ一体型となっているので仕方が無いのですが、ボディ単体で1.2kg。
これに単三電池8本や写真のAF-S 24-70mmのような重いレンズをつけるをあっと言う間に2kgオーバーなのですが
シボのあるラバーグリップの持ちやすさもあって不思議とあまり重量を感じません。
(もっとも、AF-S 70-200mm VRII なんぞ付けようもんなら3kgをオーバーしそうな勢いですので流石に手持ちで使う気にはなりませんが・・)
操作に関しては現在のニコンのデジタル一眼レフと同じような操作(と言うより、F5を基準に後のニコンのカメラ操作が決められた)なので
すぐに慣れました。
最近のAF-Sレンズでも勿論使えますし、AFも高速です。VRも効きます。
Ai、Aisレンズは勿論使えるのですがマルチパターン測光は使えず中央重点測光かスポット測光となり、
AEは絞り優先のみとなります。シャッター優先は使えません。
このあたりはちょっと不満なところです。
既にオートフォーカス全盛の時代のカメラだからか、マニュアルでのピント合わせはF3などに比べてやや見づらいです。
5点あるフォーカスポイントの測距精度は申し分ないのですが、 今選択しているフォーカスポイントが5点のうちどれなのかわかりにくいのが困り者です。
選んだフォーカスポイント[ ]が他の4点より申し訳程度に濃く太く表示されるでほとんど分かりませんので、
軍艦部の液晶パネルを見て確認しています。
(F100やF6では現在のデジタルカメラと同様に選択しているフォーカスポイント[ ]が赤く点灯するようになりました)
僕の持っているF5は製造番号304****ですので、1997年製造の前期型のようです。
前期型はAEロックボタンが小さく押しづらいので、中古市場でも310万番台以降の後期型の方が高値がついています。
ニコンSCでの点検で特に不具合も無く元気に動いていますが、竹田城のように霧もうもうとしたの中での撮影など、厳しい環境の中で
働いてもらっていますのでシーズンオフの時に労をねぎらって一度オーバーホールに出してあげたいと思っています。
(2012.5.18追記)
そういえばこのF5、総レリーズ数はどれ位いっているのだろう?と気になり、ニコンSCで点検してもらいました。
結果は12500回ほど。(驚)
前オーナーがあまり使用していなかったのか、シャッター修理でリセットされたのか分かりませんが、シャッターユニットは
まだまだ大丈夫のようです。特に不具合も無くOHに出すのが遠ざかりそうです(汗)
(2012.8月追記)ニコンにOHに出しました。
何となく暗所でのAFの食いつきが以前より迷っているような感じで結果、連写速度が落ちているような気がしたので
OHに出したのですが「AF精度は問題ありませんが念のためAF精度再調整しました。」との事。
他は大きな問題も無く、清掃・注油程度。ファインダー内のホコリも綺麗になってスッキリしました。
作業上、ラバーグリップも交換されるのでグリップも気持ち良くなって帰ってきました。
部品交換はこれ位でしたのでOH費用はニコンプレミアム会員で2万円でした。
現在は風景写真は殆どこのF5で撮っています。
これからも頼りにしている一機です。
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■Nikon F (1959-1974)
"Fシリーズの大御所"
尖り頭に燦然と輝く「F」。
ニコン(当時は日本光学)にとっての初のフィルム一眼レフカメラ、元祖Fです。
Nikon S2・SP・S3・S4などのレンジファインダー機を経て1959年に登場し、1971年にF2が登場した後もしばらく製造され
1974年までの15年間製造されました。
ボディの外観はNikon SP、S3などと同じくNikonロゴは細丸ゴシック体を採用しており、尖り頭のペンタ部のシャープな造形も手伝ってか
全体的にスマートなイメージです。
僕の所有するこのFは製造番号733****。1972年3月~7月の間に製造された個体です。
Fには大きく分けて初期型(640万番台)、前期型、後期型(所謂NEW F 735万番台前後以降)とあるのですが、このFは巻き上げレバーに
プラスチックカバーが付いていないのでNEW Fとはちょっと違います。後期型に切り替わる直前に製造された個体のようです。
勿論、コレクション的価値はありません。
中古で手に入れたのですが、ペンタ部の"F"の刻印の右下にわずかな凹み(エクボ)がある為か比較的安価でした。
一眼レフカメラ全般かもしれませんが、ペンタ部にアタリ・キズ・凹みがあると無いとでは大きく値段が変わってきます。
購入してすぐにニコンSCで点検してもらいましたが、ファインダーのプリズム銀浮きがごく微か出ているだけで
シャッター速度も適正に切れていましたのでポジでも安心して使えます。
最近にも診てもらったのですが相変わらずシャッター速度も正確でした。
とても丁寧に使用されていたようなので、一度はオーバーホールに出されていたのかもしれません。
視野率100%のファインダーの見えはF2やF3に比べるとやや暗い印象ですが、ピントの山は掴みやすいです。
巻き上げはF3に比べるとやや重めで、フィルムが進むにつれてテンションが上がっていき、
フィルム後半になると結構重い感触です。
「シャッターボタンが後ろ寄りにあるので押しにくい」とよく言われるのですが僕はそれほど気にはなりません。
「カシャン。」と小気味のいいシャッター音とともに横走りのチタン幕シャッターが走ります。
見た目にコンパクトなので相手に威圧感を与えたくない時などに使います。
勿論、当時の最高級機。現在のD3にあたる機種なのですがカメラの事をよく知らない人から見れば
「記念写真」を撮っている程度に思われているようなので、そこを活かして話をしながら「カシャン。」と
撮っています。
アイレベルファインダーなので露出計はありません。
露出は撮影者の勘(もしくは経験)のみなので「潔く撮りたい気分」の特にピッタリです。
機械式シャッター故、電池も要りませんので本当に気軽なもので、撮りたいものが決まってなく、
漠然とブラブラしたい時などスナップ用として使っていますが、シャッター最高速が1/1000秒まで
なので、明るい単焦点レンズで日中屋外で絞りを開けて使いたい時はND2~ND4が手放せないのが難点でしょうか。
レンズは本当はオート時代のニッコールが一番似合うのですが、持っていないためAisレンズを付けて楽しんでいます。
最近、初期型である640万番台の富士山マークの"Nippon Kogaku Japan"刻印で且つ、ブラックのFも欲しいのですが、
程度の良いものはなかなかいい値段しますので二の足を踏んでいます。
※2012年1月、このFアイレベルのボディ本体は売り、日本光学マークのアイレベルシルバー前期型に変更しました。
現在持っている視度補正レンズが転用出来るように、アイレベルファインダーはこの中期型のものを載せています。
■Nikon F2 (1971-1980)
"F史上、最強のメカニカル一眼レフ"
レンジファインダーの時代を終焉たらしめ、カメラ市場を席巻したFの後継として
1971年(昭和46年)に登場したF2。
このF2はシリアルNo.が743****で、1974年7月~9月製造分です。僕の生まれた1年後くらいです。
偉大すぎるFと、優秀(?)なF3との間に挟まれ、このF2はやや印象の薄い感があります。
Fが15年、F3が20年製造されたのに対してF2は9年間。
しかし、"Fシリーズ最後にして最高峰のメカニカル一眼"との評価を得ています。
F2は、その外観からかFのマイナーチェンジ版みたいなイメージが強いのですがFがレンジファインダー機のSPのボディを二分割して
間にペンタミラーを挟み込んだ設計なのに対して、F2は最初から一眼レフ用の設計となっています。
つまり、実際には新設計のフルモデルチェンジでした。
シャッタースピード最高速度がFの1/1000秒から1/2000秒に上がった事が最大の進化でしょう。
Fは1/1000秒までしかないので日中で絞りをあけたい時はNDフィルターのお世話になっていたのですが、
F2は1/2000秒まであるので、感度100のフィルムでf2.8くらいまで絞りをあけることが出来ます。
あとは、裏蓋の開閉が蝶番式になり、フィルム装填の時に裏蓋を外さなくても良くなったとか、
シャッターボタンの位置が前寄りに改善された点とか、裏蓋にフィルムの箱の切れ端を入れるメモポケットが付いたとか、
B(バルブ)とTとセルフを組み合わせると10秒までのスローシャッターが設定出来るようになったとか。
地味な内容ですが、実際使ってみるとFと比べてずいぶん向上しています。
ただ、シャッター音はFのような上品さは持ち合わせておらず、F2は「バチン!!」とけたたましいシャッター音です。
猫や子どもを撮ると相手が「ピクッ」とします(笑)
ミラーアップしても音はさして小さくならないので、このシャッター音がF2最大の欠点と言われ、街中でのスナップ、
キャンディッドには向いていないと評されます。
2012年3月に中古で買ったこのF2は巻き上げが「ギー」と不調だったのと、モルト全般が劣化しており、スローも時々不調だったので
猪苗代カメラ工房さんにオーバーホールしてもらいました。
よって外観はボロですが、機関絶好調なので気兼ねなく外へ連れ出せます。
Fもそうですが電池無しでも動く一眼レフというのは安心感があり、本来カメラというものはこれで充分なのだと気づかせてくれます。
オーバーホールから還ってきたF2は、以前にも増して景気の良すぎる(笑)シャッター音を鳴らしていますが、いかにも写真を撮っているという
気分にさせてくれます。
手に持っただけで伝わってくる信頼感。
流石、メカニカル一眼レフの最高峰と言われるだけの事はあります。
■Nikon F3 (1980-2000)
"Super Nikon"
80年代の幕開け、ニコンは自らこのキャッチコピーを冠し、このカメラを世に出しました。
ニコンのF史上、最も生産期間が長く、1980年から2000年までの実に20年間続いた超ロングセラーカメラ。
2~4年ほどでモデルチェンジしてしまう昨今のデジタル時代では考えられない事です。
1988年にF4、1996年にF5が登場しても関係なく、世の中がオートフォーカスが主流となったのなか、
MFニコンの最高峰として君臨し続けた孤高のカメラ。
誕生の時から既に"Super"である事が義務づけられていたかのように、発売の時には既にNASAに正式採用
され、翌81年にはコロンビア号とともに宇宙へ旅立ち、貴重な記録を残しました。
また、翌年の82年には冒険家の植村直巳とともに南極大陸を横断し、85年、89年には和泉雅子さんと共に
北極圏を旅しました。
宇宙だろうと地球の果て、極寒の地であろうと「100%壊れないカメラ」が絶対条件として提示されたのですが、
見事にF3はそれぞれの旅から無事に生還し、伝説を刻んで行きました。
勿論、「NASA仕様 (big camera / small camera)」や「極寒地仕様 (ウエムラスペシャル) 」のF3はそれぞれ外装がオール金属化され
防燃性や防熱性・防寒性・防水性をより高耐久化した特別仕様でしたが、驚くべきはベースが市販のF3と同じで、
その信頼性から報道機関でも長く使用され激動の80年代を生き抜きました。
F3が長きに渡って「Super」であり続けたのは、ニコンF一桁機として初めて電子式シャッターを採用したとか、
絞り優先を搭載したとか、イタリアのジウジアーロのデザインを採用したとか、登場当時は勿論そういう事だったからだと
思いますが、後世に渡って存続されたのは何よりもこの信頼性が際立っていたからなのではないでしょうか。
実際に使ってみるとファインダーはクリアで見やすく、巻き上げも非常にスムーズでフィルムの終わりまでトルクが一定で好印象です。
(ただ、ストラップ金具がやや上に付いているためか、よく巻き上げレバーにストラップが引っかかってイラっとする時がありますが)
F3の不満な点で多く言われるのは、なんと言っても回しにくい露出補正ダイヤル。
また、露出の過不足が±でしか表示されないので適正露出から何段ズレているのか分かりづらいです。
そこで、絞り優先AEから逃れようにも今度はロックボタンを押しながらシャッターダイヤルを回さないと絞り優先AEから解除されません。
F3の絞り優先AEには忌々しさすら覚えます。(-_-#)
多くの方が言われているようにマニュアルで撮るのがベストだと思います。
あとは・・・
薄くて暗いところでは殆ど見えないファインダー内液晶表示。それを点灯表示するイルミネーションボタンも小さくとても押せない。
指が届きにくいプレビューボタン・AEロックボタン。
露出の変化にナーバスなほぼスポット測光に近い中央重点測光。
などなど、不満をあげてみるとキリがありません。
上で「信頼性」と書いたのは何だったのでしょう・・・(^▽^;)
考えてみると「機能性」と「信頼性」は別物で、F3は機能性に限っていえば使いづらいカメラです。
但し、F3の機能に任せず、自分の勘や経験で露出を決め、絞りの惚け具合もある程度頭の中でイメージ
出来る人にとってはかなり使いやすいカメラであり、そういう意味では「信頼性」の高いカメラです。
その高い信頼性と、ややジャジャ馬的な、憎めない側面ゆえ、20年間もの間、人々に愛されつづけたのではないでしょうか。
いえ、製造終了から10年以上経った今でも雑誌などで取り上げられる事があり、女性の方が手にしているのもたまに見かけます。
当時は斬新だったデザインも今となっては、ちょっとレトロな雰囲気を醸し出しており、所謂「女子カメラ」の方にも
New FM2と並んで、受けがいいのかもしれません。
まぁ、女子の方に「F3を買おうと思うんだけどどうかな?」と相談されたら「やめとき。」と答えると思いますが(笑)
F3登場時にデザイナーのジウジアーロによって、はじめてニコンのカメラに赤いラインのアクセントが入れられたのですが
それは今日のニコンデジタルカメラでも継承されています。
ジャジャ馬な性格で色々不満もあるけれど、こちらがシンプルに接したらキチンと応えてくれる。
そんなF3はこれからも人々に愛されつづけるカメラなのです。
■Nikon F3 (eye-level)/MD-4
"重戦車F3"
モータードライブMD-4を装着したF3。
そもそもF3を買ったのはこの姿に惚れたからです。
上でF3は「女子カメラ」にも受けがいいと書きましたが、このモータードライブを付けた途端に無骨な、「銃器然とした」カメラと豹変し、
いかにも男の道具と云ったイメージになります。
モータードライブ付きのF3を手にしている女性は、デビューアルバム「無罪モラトリアム」のジャケット写真の椎名林檎さんくらいしか見た事が
ありませんが80年代~90年代前半にかけては報道関係の女性記者の方などは肩からさげておられたのでしょう。
モータードライブ装着に伴い、スパイ映画とかに出てくるような「チキーッ」と鳴る、金属的な、いかにもカメラというシャッター音に変わります。
連写速度は6コマ/秒と現代の初級~中級機と比べても遜色ありません。
個人的にはF3で連写する事はありませんので、時々空シャッター連写で悦に浸っているぐらいですが・・・(笑)
モータードライブを付けると重量が急に重くなり、「重い、重い」と評判のF5以上に重くなりますので
登山の伴う撮影には同行させたくないのですが、現場でこのシャッター音を響かせたいという意味不明な衝動に
駆られる時があり、この重さを我慢して同伴させています。
朝焼けや夕暮れの写真など、刻一刻と状況が変わっていくような場面を想定している時はモータードライブ付きを。
気軽に散歩気分で撮影したい時にはモータードライブ無しのF3を連れて行っています。
このように「一粒で二度おいしい」、二つの顔を併せ持っているところもF3の好きなところで、とりわけ可愛がっており、
現在所有しているフィルムカメラの中で唯一、F3だけは今年、オーバーホールに出しました。
特に大きな不具合も無かったようで、メカニカルな点は注油・清掃くらいで快適に動いています。
ファインダー内も綺麗になりました。ファインダー内液晶表示はあいかわらず薄い気もしますが、OH時の部品交換により前よりは濃く
見やすくなりましたので元々こんなものなのでしょう。
このF3はもともとHP(ハイアイポイントファインダー DE-3)の状態の物を購入したのですが、ファインダー倍率が75%の為、MFでのピントが少しでも
見やすいように倍率80%のアイレベルファインダー DE-2に交換しました。
まぁ、個人的には5%の違いの見やすさはよく分かりません(笑)
コンタクトレンズを使用しているのでHPファインダーは必要では無いのですが、眼鏡をかけておられる方はHPファインダーの方が
ケラレなくて良いでしょう。
F3のOH時に合わせてHPファインダーも清掃してもらい、視界もクリアになって帰ってきました。
いつか老眼鏡をかける事になった時のために防湿庫で待機しています(笑)
僕の所有しているF3はシリアルNo.から1982年製で、もうすぐ30年になります。
F3メイン機として持出す機会はあまり有りませんが、これからも大事にしていきたいと思っています。
■Nikon F5 (1996-2006)
"Fの横綱"
フラッグシップに相応しい、堂々たる佇まいの"背番号5"
スターティングメンバーに据えて置いているだけで頼もしさを感じる時があります。
デジタルメインで撮影してきていたのですが、竹田城の雲海や新舞子の干潟などはフィルムの方が遥かに美しい画を描ける事を知り、
はじめてのフィルムカメラとして購入しました。
F6も候補にあったのですが、この迫力に押し出されてしまいました。
このF5は1996年、プラボディが安っぽいだの、AFが遅いだの、湾岸戦争の砂漠で報道陣が使用し動かなくなった話が広まったりと、
Fシリーズの歴史の中でいいイメージの無かったF4の後をうけて登場。いわば"巻き返しの1台"としての指名をおびていました。
世界初となる、色まで見分ける"RGBパターン測光"、高速オートフォーカス、モータードライブ一体型となった8コマ/秒の高速連写など、
強力な武装を備えていました。
特筆すべきは新開発のRGBマルチパターン測光が既に完成の域に達していた事です。
僕自身もこのRGBマルチパターン測光を信頼しており、普通の場面では適正露出を大きく外す事があまりありませんので、
あとはどのような絵にしたいかによって適正露出から±するくらいです。
風景写真ではじめて訪れる場所の撮影には迷わずこのF5を持ち出します。
逆に、人物などスナップの時には絶対に持っていきません。ゴツ過ぎて相手が引いてしまうかもしれないからです。
AFは非常に早く、AF-Sレンズ・Dタイプレンズとも、D300に装着した場合より素早くピントを合わせます。
特に、DタイプレンズをD300で使っていた時はそのAFの遅さにイライラさせられる事が多かったのですが、
F5は「ギュン!」と力強く、素早くピントを合わせてくれます。
ボディ本体に強力なモーターを備えているのでしょう。
モータードライブ一体型なので8コマ/秒の連写速度も申し分ないです。
もっとも実践で連写する事もありませんのでF3/MD-4同様、空シャッターで時々悦に浸っているぐらいです(笑)
このF5と云うカメラが語られる時、開口一番に出てくるのがとにかく「重い」という事です。
モータードライブ一体型となっているので仕方が無いのですが、ボディ単体で1.2kg。
これに単三電池8本や写真のAF-S 24-70mmのような重いレンズをつけるをあっと言う間に2kgオーバーなのですが
シボのあるラバーグリップの持ちやすさもあって不思議とあまり重量を感じません。
(もっとも、AF-S 70-200mm VRII なんぞ付けようもんなら3kgをオーバーしそうな勢いですので流石に手持ちで使う気にはなりませんが・・)
操作に関しては現在のニコンのデジタル一眼レフと同じような操作(と言うより、F5を基準に後のニコンのカメラ操作が決められた)なので
すぐに慣れました。
最近のAF-Sレンズでも勿論使えますし、AFも高速です。VRも効きます。
Ai、Aisレンズは勿論使えるのですがマルチパターン測光は使えず中央重点測光かスポット測光となり、
AEは絞り優先のみとなります。シャッター優先は使えません。
このあたりはちょっと不満なところです。
既にオートフォーカス全盛の時代のカメラだからか、マニュアルでのピント合わせはF3などに比べてやや見づらいです。
5点あるフォーカスポイントの測距精度は申し分ないのですが、 今選択しているフォーカスポイントが5点のうちどれなのかわかりにくいのが困り者です。
選んだフォーカスポイント[ ]が他の4点より申し訳程度に濃く太く表示されるでほとんど分かりませんので、
軍艦部の液晶パネルを見て確認しています。
(F100やF6では現在のデジタルカメラと同様に選択しているフォーカスポイント[ ]が赤く点灯するようになりました)
僕の持っているF5は製造番号304****ですので、1997年製造の前期型のようです。
前期型はAEロックボタンが小さく押しづらいので、中古市場でも310万番台以降の後期型の方が高値がついています。
ニコンSCでの点検で特に不具合も無く元気に動いていますが、竹田城のように霧もうもうとしたの中での撮影など、厳しい環境の中で
働いてもらっていますのでシーズンオフの時に労をねぎらって一度オーバーホールに出してあげたいと思っています。
(2012.5.18追記)
そういえばこのF5、総レリーズ数はどれ位いっているのだろう?と気になり、ニコンSCで点検してもらいました。
結果は12500回ほど。(驚)
前オーナーがあまり使用していなかったのか、シャッター修理でリセットされたのか分かりませんが、シャッターユニットは
まだまだ大丈夫のようです。特に不具合も無くOHに出すのが遠ざかりそうです(汗)
(2012.8月追記)ニコンにOHに出しました。
何となく暗所でのAFの食いつきが以前より迷っているような感じで結果、連写速度が落ちているような気がしたので
OHに出したのですが「AF精度は問題ありませんが念のためAF精度再調整しました。」との事。
他は大きな問題も無く、清掃・注油程度。ファインダー内のホコリも綺麗になってスッキリしました。
作業上、ラバーグリップも交換されるのでグリップも気持ち良くなって帰ってきました。
部品交換はこれ位でしたのでOH費用はニコンプレミアム会員で2万円でした。
現在は風景写真は殆どこのF5で撮っています。
これからも頼りにしている一機です。
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