修理から還ってきたF2アイレベル黒。
前回の記事でこのF2を紹介しましたが、修理に出す機会が早くも来てしまいました(笑)
巻き上げが「ギー」と不調だったのですが、スローが時々シャッターが開きっぱなしになる症状が
出始めた為、修理に出す事にしました。
実戦でこのF2でスローシャッターを使う機会はたぶん無いと思いますが使えないより使えるに
こした事は無いし、とにかく巻き上げの不快さは如何ともし難かったのです。
モルトも全般劣化していたのでいい機会です。
今回、修理をお願いしたのは福島の猪苗代カメラ工房さん。
はじめてお願いしたのですが、こちらもニコンのOBさんがされている修理屋さんです。
修理をお願いしたのは
・スロー不調修理および各シャッター精度調整
・巻き上げ不調の為、注油および調整
・モルト全般劣化の為、張り替え
・ミラー汚れの為、清掃
・ファインダー内清掃
だったのですが内容からして、まぁオーバーホール行きです(笑)
約10日後、F2が還ってきました。
修理明細には記載されていませんでしたが分解した際に、ペンタ部の大きな凹みやトップカバーの凹みも
裏から叩き出して直して下さっていました。
おかげさまで正面から見た顔が少しスッキリしました。ありがたや、ありがたや。
ご覧の通り、外観はボロボロですが中身は絶好調です。
「歴戦の勇士」たる佇まいです。
ファインダー内・ミラーも清掃されて視界もクリアで覗いていて気持ちが良いです。
裏蓋のキーが固くて、開閉がしづらかったのですがこれも直して下さっていました。
修理内容には「オーバーホール」とだけ書かれていましたが、実際にはたくさんの不具合があった事でしょう。
感謝せずにいられません。
ちまたでは「F3のフォーカシングスクリーンをF2のフォーカシングスクリーン枠に入れると明るくなって
見やすい」とよく言われるので、F2とF3のフォーカシングスクリーンを送り、今回の修理に合わせて入れ替えをお願いしました。
確かに気持ち明るくなりましたが、ピントの山の掴みやすさは、う~ん。。。
よく分かりません。
結局、F2のフォーカシングスクリーンのまま使っています(笑)
F2とF(前期型シルバー)との2ショット。
F2アイレベルを買うのをためらっていたのは、「△頭のFが2台あってもなぁ・・・」という思いが
あったのですがこうして並べてみると、Fが直線的で、エッジの効いたボディなのに対して、
F2は角が取れ、曲線的で洗練された、Fとはまた違う趣きがあります。
Fが「ビシっとしたクラシカルスーツ」ならば、F2は「ジャケットにジーンズ」みたいなイメージでしょうか。
正面の"Nikon"のロゴはFが丸ゴシック調の書体なのに対して、F2は角ゴシック調になりました。
F2とF(前期型シルバー)との軍艦部2ショット。
こうして2台並べてみると、シャッターボタンの位置はF2とFでは前後にかなり異なっています。
Fはシャッターボタンが後ろ寄りにあり、一般的に「押し辛い位置」と評されているのですが、
S2で慣れているのでそこまで不自然には感じていません。
シャッターダイヤルの文字はF(前期型)の方が白・赤・黄緑の3色使われているのに対して、
F2は白・緑の2色。Fと比べるとシンプルなイメージです。
F2は「Fのマイナーチェンジ版」みたいなイメージがあり、実際僕もそう思っていたのですが
Fはレンジファインダー機のSPを半分に切って間にペンタミラーを挟み込んだ設計なので多くのパーツを
SPと共有しています。
一方、F2は最初から一眼レフ用の設計なので、Fとはボディ設計がまったく異なっているそうです。
つまり外観だけ見るとマイナーチェンジですが、実際にはフルモデルチェンジという事になります。
修理から還ってきたF2の巻き上げ感は勿論、快適。
とは言ってもF2は元々、F3やS2のような軽やかな、スムーズな感触は持ち合わせていません(笑)
シャッター速度も全速絶好調。
「バシン!」と、けたたましいシャッター音もさらに絶好調(笑)
F2の最大の欠点はこのシャッター音のやかましさですがその点を除けば、Fよりずっと使いやすく、気軽に持ち出したくなります。
シャッター音で子どもや猫を多少ピクッとさせてしまいますが、いかにも写真を撮っている気になります。
機関絶好調だけど、外観はボロなので気を使わなくていいこのF2。
おかげでS2やFの出番が減りそうです(笑)
機械式カメラって、きちんとメンテしてくれる職人さんが居る限り、いつまでも使えるもんだなぁ、と改めて思いました。
猪苗代カメラ工房さん、ありがとうございました!! (^_^)/