ソシエテ・ジェネラル銀行不正取引事件に関するある程度まとまった記事。
本当に問題のトレーダーひとりしか関与しておらず、また、不正取引の手じまいが世界的な株価下落を加速させたとしたら、ひとりの人間が経済に与えた影響という点では(少しおおげさですが)歴史上最大級といえるでしょう。
財務報告という観点では、この不正がいつから行われていたかが問題となります。2007年の決算が確定しない段階で発覚したので、2007年決算では(四半期は別として)不正な財務報告は行われなかったことになります。しかし、2006年以前から多額の不正が行われていたとしたら、2006年の決算は粉飾決算だったことになります。
内部統制からみると、日本基準でいう「資産の保全」目的の防止的統制に不備があったことは明らかですが、2007年の決算に関しては、財務諸表を当局に提出する前に不正を発見できたので、財務報告目的の発見的統制は機能していたことになります(銀行にとっては何の慰めにもなりませんが・・・)。
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事