会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

グリコのトラブルで余波、基幹システム刷新にビビった経営者につける薬はあるか(日経クロステックより)

グリコのトラブルで余波、基幹システム刷新にビビった経営者につける薬はあるか

江崎グリコの基幹システム更新トラブルのような例はあるが、それでも、経営者は、システム刷新を推進すべきという長めのコラム記事。

結論部分を引用すると...

「改修に次ぐ改修で老朽化が進む基幹システムはいつ何時、障害が発生したりサイバー攻撃の餌食になったりするか分からない。保守を担当していた技術者が突然退職したら、その技術者が担当していたシステムや機能について、その中身を知る者が誰もいなくなるという恐るべき事態にもなりかねない。それに、業務プロセスを基幹システムが固定しているから、抜本的な業務改革ができない状態が長く続く。もちろん、老朽化が進めば進むほどシステム刷新の難度も上がっていく。

本当にもう、グリコなど他社のシステムトラブルにビビっている場合ではないのだ。本気のDX、基幹システムの刷新による業務改革に乗り出す経営者が多数登場するのが、本来ならベスト。少なくとも、老朽化してのっぴきならない状況に陥っている基幹システムの刷新を「我が使命」と心得て、腹をくくってプロジェクトを主導できるような経営者が出てこないと、これから先いよいよ大変なことになるぞ……。そんなことを考えていたら、はたと思い出した。随分前だが、そんな経営者にインタビューしたことがあったのだ。

極言暴論では記事の性質上、システムトラブルなどの事件でもない限り、企業名や個人名を出すことを極力控えているが、とても参考になるので今回はあえて出すことにしよう。そもそもインタビュー記事として、この日経クロステックで閲覧可能だしな。その経営者とは大和証券グループ本社の社長や会長を務めた鈴木茂晴氏である。インタビューしたのは2011年春で、私が日経コンピュータの編集長だったときだ。その中で鈴木氏は、基幹システムの刷新について次のように語っている。

「私が社長として決断したことのなかで一番自慢できると思っているのは、基幹システムを新しいものに切り替えたことです。今まで言ったことはありませんが、個人的には社長としての最大の功績だと思っています。私は社長就任の際の記者会見で、大和証券のリスクはシステムだと話しました。代々のシステム担当者が作り込んできましたから、複雑すぎて誰も触りたがらず、ずっと利用してきました。そのまま利用していれば私が社長のうちはまだ何とかなる。ただ、このままの状態では、いつかは行き詰まるのは明らかでした」

いかがだろうか。これこそが経営者の正しい腹のくくり方だと思うぞ。システム刷新にビビってしまっている経営者はぜひとも見習ってほしい。」

デロイトを揶揄している場合ではないとは思いますが、人の悪口はおもしろい...

デロイト、グリコに加えユニ・チャームでもシステム障害…ベンダ能力に疑問も(Business Journal)

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