日本公認会計士協会と会計大学院協会は、「会計専門職人材調査に関する報告書」を、2015年6月25日に公表しました。
「公認会計士志望者を増加させる取組の強化等を図るために、必要な情報と分析結果を提供することを目的として共同で調査」を実施したものです。
120ページ弱のレポートです。
(報告書より)
あらためてみてみると、突出して合格者を増やしたことが、すべての原因のように思われます。
大手監査法人のリストラのことも、待機合格者問題解消の一因であったというような文脈で、少しふれています。(協会の公式文書では初めてでは?)
「一方、大手監査法人は、人員構成の適正化を図るために、平成 22 年から 24 年にかけて希望退職者の募集を行った。合格者抑制方針と受験者減少に伴う合格者の減少、「待機合格者」の一般事業会社等への就職、及び平成 24 年度以降の監査法人の採用数回復によって、「待機合格者」問題は、平成 24 年度におおむね解消した。 」
「8 新日本有限責任監査法人(平成 22 年)、有限責任監査法人トーマツ(平成 23 年)、有限責任あずさ監査法人(平成 24 年)が実施。この間、定年退職を含む通常の退職者と合わせると、4 大監査法人の年間の退職者数は 4 法人合計で 1,000 人程度であったと思われる。」
ということは、通常の退職を含むにせよ、3年間で約3,000人も減らしたということになります。いまさら、人手不足を騒ぐ資格はないのでは。
受験生の分析で気になった箇所。
「大学を卒業した若年受験者(25 歳未満)の割合は、新試験制度下で一貫して減少してきており・・・従来多く見られた、大学卒業後に就職せずに受験勉強を継続する受験行動に変化が生じてきている可能性が高い。大学1年などの早期に受験勉強を開始し、大学在学中又は3年時までに短答式試験合格などの試験合格の目途が立たなければ、公認会計士になることをあきらめる傾向が強くなっていると思われる。」
「受験勉強開始時期の早期化」が進んでいるそうです。その原因としては、旧2次試験にはあった「受験資格の撤廃」を挙げています。
早くから受験勉強を始めて、大学在学中に結果が出なければ方向転換というのは、受験生ひとりひとりにとっては合理的な選択でしょう。(そういう受験生が増えれば、ますます会計大学院は不要ということになりますが)
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