6月2日に開催された企業会計審議会会計部会の議論を取り上げた記事。
「金融庁の審議会で、会計基準の国際化に関する議論が始まった。海外投資家の日本企業への注目は高まっている。企業価値を測る物差しともいえる会計基準も国際的に違和感のないものとし、資本市場の質を高めていきたい。」
この社説では、のれんの会計処理に焦点を当てています。
「実態の分かりにくい資産であり、日本の会計基準は一定期間での償却を求める。一方、米国の会計基準や、日本での使用も広がっている国際会計基準(IFRS)は、被買収企業の価値を計算して下がった時に減損処理をする。...
日本では250社強、時価総額にして4割強がIFRSを採用する。同じ「日本企業」でも、会計基準の違いにより利益表示や財務リスクが異なっている。」
「どんなかたちにせよ、市場の国際化を展望すれば、買収という重要な経営戦略にかかわる会計基準の差異を放置しておくのは、得策ではないだろう。」
そうなのでしょうが、それではどうすればよいのかという主張はありません。
審議会の会議資料を見ても、金融庁も、何かアイデアがあるわけではなさそうです。この社説でも少しふれていますが、米国会計基準でもIFRSでも、のれん償却再導入(以前は両基準とも償却を求めていた)は、議論の末、否定されています。差異解消を優先するなら、日本基準の方を海外基準に合わせるということになりますが、今のところ、そういう方針ではなさそうです。
(なお、日本基準でも、のれんの減損処理の規定はあります。)
審議会の模様は、いつもはライブ中継だけですが、なぜか、まだ見れるようです。興味のある方はどうぞ。