日本公認会計士協会は、「倫理規則」の改正に関する公開草案を、2024年11月20日に公表しました。
国際会計士倫理基準審議会(IESBA)がタックス・プランニング業務及び関連業務に関して倫理規程を改訂したことを踏まえて検討したとのことです。
公開草案(新旧対照表)のほか、「倫理規則の改正公開草案の概要」という資料も公開されています。
日本では、公認会計士資格で税務業務はできませんが、所属する組織のためにタックスプランニング業務を行うことがありうるほか、「我が国では公認会計士が税理士登録をすることによって税務業務を行うことができるため、タックス・プランニング業務を行う税理士資格を持つ公認会計士に対して一定の規律を示すことが社会的にも期待されている」(概要5ページより)とのことで、規定が設けられます。
倫理規則の「パート2:組織所属の会員」のセクション280と、「パート3:会計事務所等所属の会員」のセクション380として、それぞれ「タックス・プランニング業務」に関する規定が設けられます。
(当然ではありますが)基本的に、「信頼できる根拠」がなければ、やってはいけない業務とされているようです。
(概要より)
(同上)
「スタンドバック・テスト」というのが重要な規定だそうです(概要17ページ)。一歩下がって、視野を広くして、よく考えるというような意味でしょうか。概要の上記図によると「利害関係者のTPに対する見方次第で生じる可能がある風評、ビジネス上の影響及びより広範な経済的影響を検討」することだそうです。辞書をひくと、「(客観的に考えるために)1歩退く、距離を置く」という訳がありました。
改正は、2026年4月1日から施行するとのことです。