上場グループ社員の株取引を規制強化か?
証券取引等監視委員会が摘発した、旭化成の子会社・旭化成建材の社員によるインサイダー取引事件の解説記事。
「監視委員会によれば、2015年10月、この社員は旭化成建材が施工した杭工事にデータの転用・加筆があったことを打合せの場で知った。この社員は、旭化成の株を当時8000株保有しており、うち3000株を同年10月7日と同9日に売却した。
翌週の14日午前10時半。親会社の旭化成はデータ転用・加筆の事実を開示した。前日13日の終値は930円、当日は13円しか下げなかったが、翌日には125円も下げた。20日には一時700円台を割り込むなど、データ転用・加筆の株価への影響は小さくなかった。
この社員は神奈川県在住の50歳代男性だという。現在も旭化成建材の社員かどうかなど「今現在の立場は把握していない」(監視委員会)。少なくとも、当時、工事担当者ではなかった。」
「バスケット条項」による摘発だったそうです。
「金融商品取引法には、インサイダー情報に当たる重要事実が「新株発行」「業績予想修正」など具体的に列挙されている。今回焦点となった「施工データの転用・加筆」は、具体的な事例として掲げられていない。
一方で、金融商品取引法には「バスケット条項」という規定がある。具体的な例示はなくても、「投資判断に著しい影響を及ぼすもの」であればインサイダー情報とみなすという規定だ。」
「今回、監視委員会があえて課徴金納付命令の勧告に踏み切ったのは、上場会社に関係した、グループ会社の社員などによるインサイダー取引についても、「今後は摘発していく」というメッセージを発した意味合いもありそうだ。課徴金の金額は大きくないが、今後のインサイダー取引の摘発に影響を与える重要な事件と言えるだろう。」
旭化成株式会社の子会社の社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について(金融庁)
こちらもインサイダー取引関連のニュースです。
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「東京電力の公募増資に関する情報を外部の顧客に漏らしたとして、野村証券を2012年に懲戒解雇された40代の元社員(男性)が、雇用の継続を求めて起こした裁判で、東京高裁(後藤博裁判長)は9日、解雇は無効とする判決を下した。」
「これに関連し、元社員から東電の増資情報を入手し、インサイダー取引をしたとして課徴金の納付命令を受けた元金融コンサルタントが、インサイダー取引を否定し納付命令の取り消しを求める裁判を起こしている。東京地裁は16年9月に金融庁の命令を取り消す判決を出し、国が控訴している。」
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