日経の監査法人特集第3回は、監査人交代を取り上げています。
・IT関連中堅企業が大手から中小に変更(以前はまったく問題とされなかった会計処理を本部で審査するといわれた(結果は問題なし))
・昭文社が大手から中小に変更(中小は小回りがきく)
・三菱重工業(新日本→あずさ)
・あるサービス系企業が大手から監査報酬5割値上げ(値上げ後は1億円)を通告され、中小に変更
・ジャスダック上場のIT関連企業が大手から契約更新を断られて中小に変更
・ピーシーデポが新日本から中小への変更を発表して株価下落
などの例を挙げています。
東芝問題を受けて監査法人が慎重になっている、監査厳格化でコストがかかる、会計士不足でリソースが限られているなどの監査人側の背景にもふれていますが、主に企業側の言い分を書いているという印象です(いきなり5割値上げはひどいとは思いますが)。
そのほか、監査人変更時の開示も問題だといっています。
事例の中で気になったのは三菱重工業です。
「三菱重工業は40年にわたって契約してきた新日本監査法人からあずさ監査法人に代えた。「海外対応の強化などが狙い」(小口正範最高財務責任者)とするが、固有の会計処理に対し監査法人が異を唱えるケースが出てきたという。」
これでは、監査法人が会計処理に口を挟むのが気に入らないから、クビにしたといっているように聞こえます。しかし、監査人交代はフレッシュアイで今までの監査のやり方、会社の会計処理や内部統制を見直すことに意味があるのですから、むしろ、後任監査人は前任以上に厳しく今までの会計処理を見直すべきでしょう(見直した結果認めるのはよい)。あずさ監査法人には、会社の意向にとらわれず、交代の本来の目的を踏まえて、きちんとやってほしいものです。
当サイトの関連記事(監査人の交代理由等の開示の充実について)
その2(三菱重工監査人交代発表について)
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