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粉飾決算でアドテックス捜索 約50億円売り上げ水増し

Sankei Web > 社会 > 粉飾決算でアドテックス捜索 約50億円売り上げ水増し(10/07 18:46)

大証ヘラクレスを今年5月に上場廃止となり、民事再生手続き中の「アドテックス」で、約50億円売上水増し疑惑が浮上し、警視庁が証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で同社を家宅捜索したという記事。

「架空事業を発注して代金を支払ったように見せかけ、それを関係会社に回して自社製品を購入したよう装った架空取引で売上高を水増しし、実際は赤字決算だったにもかかわらず黒字を装った有価証券報告書を関東財務局に提出した疑い」があるとのことですが、これだけでは粉飾の手口はよくわかりません。子会社で架空の売上を計上し、売上代金が入金したかのようにみせかけるため親会社から資金を回した(そして支払った金額は例えば棚卸資産に架空計上)ということなのでしょうか。それとも、単純にグループ会社間で架空売上を計上したということなのでしょうか(その場合には連結では消去されるはず)。

また、臨時報告書によると、破綻の直前には新株予約権付社債を発行したようです(割当予定先は「エスポワール1号投資事業組合」(大株主 株式会社バーテックスリンク 100%))。(バーテックスリンクのプレスリリース(PDFファイル)=>投資事業組合には「投資対象先である株式会社アドテックス社の連結対象会社、特別利害関係者の参加は無いことを確認しております」ということを、わざわざコメントしています。)

記事を読む限り、金額的にも、また粉飾手法(現時点ではよく分かりませんが)の点でも相当悪質な粉飾のように思われます。それなのに報道の扱いが非常に小さいのは不思議です。

ちなみに、この会社は大手監査法人のひとつが2004年12月期まで監査人でしたが、2005年6月中間期は中小監査法人に交代しています(2006年12月期有報は未提出)。

アドテックスを捜索・警視庁、破綻前に粉飾の疑い

関連記事(記事中の「倒産情報」へのリンクはリンク切れです。)

民事再生法申請の際には、平成電電が大株主だった会社への予定していた売上がなくなり、大幅業績修正を行ったことが破綻の一因とされていました。
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