金融庁が、有識者会議で「投資家と企業の対話ガイドライン」という指針の案を公表したという記事。それを反映したコーポレートガバナンス・コード改訂の論点も示されたようです。
「経営トップの選解任のあり方について、従来の指針は「取締役会が客観的な立場から評価し、経営陣幹部の人事に適切に反映する」としている。新ルールではさらに踏み込み、CEOを選ぶ際に客観性や適時性の観点から「独立した委員会を活用しているか」「十分機能していない場合に解任するための手続きを確立しているか」について説明を求める。
社外取締役の活用もさらに促す。「十分な人数を選んでいるか」「適切な助言をしているか」など投資家の疑問に答えてもらう。今の指針では取締役に占める社外取締役の割合を「2人以上」としている。改訂後は「3分の1以上」に引き上げる。経営に外部の目が入る効果を見込める一方、人材確保をめぐる企業の負担は膨らみそうだ。
このほか、議決権行使が空洞化しかねない政策保有株(持ち合い株)の解消を促すよう求める。個別銘柄ごとに保有が適しているかを検証するルールを採り入れる。新規事業への投資や既存事業の撤退・売却への経営判断でも、実行の有無やその理由の開示を促す。」
投資家と企業の対話充実へ、金融庁の指針案を了承=有識者会議(ロイター)
このロイターの記事では、政策保有株に関する対話のことを重点的に書いています。
「企業との対話で重点的に議論するよう投資家に求めたのは、政策株を保有する企業が売却を申し出た際、政策株を保有させる側が取引の縮減を示唆するなどして売却を妨げていないかという点。また、双方が取引の経済合理性を十分に検証しないまま取引を続け、企業や株主共同の利益を損なっていないかという点も挙げた。
政策保有株式に関する議決権行使については、適切な基準が策定され、分かりやすく開示されているか、策定した基準に沿って適切に議決権行使が行われているかという点も、機関投資家が重視すべき項目に挙げた。」
対話ガイドラインの構成は以下のようなものだそうです。CEO選解任や政策保有株式だけではありません。
「ガイドラインは、1)経営環境の変化に対応した経営判断、2)投資戦略・財務管理の方針、3)最高経営責任者(CEO)の選解任・取締役会の機能発揮など、4)政策保有株式、5)アセットオーナー――の5つの柱で構成される。」
金融庁の会議資料。
↓
「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第14回)議事次第(金融庁)
「投資家と企業の対話ガイドライン(案)」(全3ページ)と「投資家と企業の対話ガイドラインの策定に伴うコーポレートガバナンス・コードの改訂に係る論点」(ガイドライン案と対比して説明)という資料が掲載されています。
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