あずさ監査法人が、ビッグデータの分析手法を監査に取り入れるという記事。
「あずさ監査法人は8月中に、ビッグデータの分析手法を監査に取り入れる。監査を受託している全3482社を対象にする。企業の取引データをコンピューターで読み込み、関連データを突き合わせて疑わしい取引を自動的に洗い出す。上場企業の不適切な会計処理が相次ぐ中、監査業務の精度を高める狙いだ。
会計士が企業の取引や工事などの中身を調べる際は、一部の案件を抽出して調べるのが一般的だった。あずさの新手法ではすべての案件を対象にするため、不正を見落とすリスクを抑えられる。」
総勘定元帳のデータはひとつのシステムの中に入っているので、それを全件取り出して分析するということは可能でしょうし、すでに仕訳テストのためにやっている場合もあると思いますが、「関連データ」の方は、そう簡単には行かないような気もします。
日経記事では工事進行基準の監査で「原価計上の達成率と工事日程の進捗率を突き合わせる」という例が挙がっていますが、「進捗率」の方は、会計とは別のシステムのデータでしょう。監査に使えるデータがどのシステムでどのように蓄積されているのかなどを把握しなければならないでしょうから、監査人にもセンスが必要です。やみくもにITを使えばよいというものでもないでしょう。
あずさのサイトを見ても、この件に関するプレスリリース等は出ていない模様です。クライアントにアピールするのなら、もう少し詳しい情報を出してもらいたいものです。
当サイトの関連記事(ITを利用した監査に関する日本公認会計士協会の報告書について)
協会の報告書でも(試査ではなく)「精査的な手法」とか「統計学的アプローチ」ということをいっています。(協会報告書は2025年頃を想定したものだそうです。)
日経では、新日本に関しても似たような記事がありました。
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