日興コーディアルグループが不正な利益を計上した05年3月期決算の訂正報告書の提出日を、当初予定の来年1月15日から2月末に延期するという記事。みすず(旧中央青山)監査法人が訂正に難色を示し、あらた監査法人に変更したためとのことです。
記事によれば「みすず側は「適正」とした監査の誤りを認めることになりかねないため「納得がいく理由がなければ受けられない」と難色を示し、日興は依頼を断念」したそうです。
たしかに、新しく出てきた事実はSPCが日興コーディアルの子会社に対して発行した他社株転換社債の発行日が実際の手続完了日よりバックデートされていたことだけです。このバックデートにより、実際の手続完了日に発行されていれば(例えば)社債の発行価額が1040億円だったものが、1000億円で発行されたわけですから、差額の40億円はSPCから子会社への贈与と考えられ、それだけ修正すればよく、連結範囲まで修正する必要はないということになります(その場合は、連結利益には影響しないが、SPCでは寄付金として課税される)(金額は実際の金額とは異なります)。(そのほか、不正な手続による利益としてSPCに返還すべきものであるという解釈もあるかもしれません。)
会社が金融庁と手を打ったから、監査人も黙ってそれに従えといわれても、そうはいきません。
会社のプレスリリース(PDFファイル)
記事の最後の方でふれている自社株購入権については以前コメントしたことがあります。
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