雇用調整助成金は制度の不備が報じられているが、最近の申請処理状況は大幅に改善され、また助成率も引き上げられるので、ぜひ活用してほしいという記事。
申請と支給決定の状況については、5月11日時点では申請が1万2,857件、支給決定が5,054件であったのが、28日時点では、それぞれ65,153件、32,381件になっているそうです。
「申請件数が大幅に伸びているのは、緊急事態宣言の発令を受けて4月に休業を行った企業が申請時期を迎えていることに加え、後述するように申請手続の簡素化などの特例措置が進んだことによるものだと考えられる。
同時に、支給決定件数も大きく伸びていることに注目したい。当初は、支給申請から実際に支給されるまでに通常2ヶ月程度を要するとされていた。厚生労働省は、申請書類を簡素化し、人員体制を強化するなどして2週間程度での支給を目指すとしているが、こうした措置が功を奏しているものと思われる。」
手続の簡素化について...
「申請手続が煩雑だという点については、記載事項が約5割削減され、添付書類も削減されるなど、申請書類の簡素化がなされている。」
「休業等計画届の提出が不要とされ、助成額の算定方法が簡略化されるなど、申請手続の負担軽減が図られている。」
「小規模事業者(従業員が概ね20人以下の会社や個人事業主の方)向けには、「実際に支払った休業手当額」から簡易に助成額を算定できる措置がとられ、複雑な計算を行うことなく申請ができるようになっている。」
休業手当支払いと助成金支給のタイミングのズレについては...
「賃金締切日以降、休業手当に係る書類など必要書類が確定していれば、支給申請をすることができるようになっている。つまり、給与支払日よりも前に申請ができるということだ。
また、支給申請から助成金が支給されるまでの期間は2週間程度を目指すとされており、給与支払日よりも前に支給を受けることができる可能性がある。」
(補足)
「ついて行けない」次々に制度改正…“命綱”の雇用助成金、申請に壁(西日本新聞)
この記事によると、サポートなしに申請するのは難しいようです。
「新型コロナウイルスの影響で業績悪化した企業にとって、雇用を守る命綱ともいえる「雇用調整助成金」。やむを得ず休ませた従業員に払う休業手当の一部を国が肩代わりする仕組みだが、コロナ禍の拡大に伴って国が次々に制度改正を重ねたことで制度がさらに分かりにくくなり、多くの事業者が申請手続きに難渋している。売り上げ減で窮地に立つ事業者からは「見直し内容の周知も十分ではなく、サポートがなければ申請を諦めざるを得ない」との声も聞かれる。」
「自力での申請が難しい事業主の助っ人として、国が期待するのが制度に詳しい社労士による申請手続きの代行。だが、不正受給があれば連帯責任を問われる規定がネックになっている。顧問先の申請を代行した同県の篠崎隆一社労士は「日頃付き合いのない新規の企業は経営実態が分からず、リスクがある。依頼されても二の足を踏む社労士が多い」と打ち明ける。」
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