ESGが開く「新連結」時代(記事冒頭のみ)
(従来の連結という範囲ではなく)サプライチェーン全体に関する情報の開示が重要だというコラム記事。
「企業価値に影響する重要な情報が、資本関係を結んだ伝統的企業集団の外側からもたらされるようになった。ESG(環境・社会・企業統治)投資の広がりとともに、資本市場は「新連結」ともいえる新しい経営の視座を求めるようになっている。」
リコーは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)リポートを2019年から出しているそうですが...
「今年3月、リコーはTCFD開示に関連しひとつの試みをした。国内約30社の主要サプライヤーを集めた「脱炭素に関するESG説明会」だ。招かれたのは資本関係はないものの、リコーの部品や素材の調達に重要な役割を果たす非上場の中堅企業だ。
「どうやって排出量を計算するのか」「脱炭素と今までの省エネ努力は違うのか」「電力契約を変えると温暖化ガスの排出抑制に貢献できるのか」――。寄せられた様々な疑問に向き合い、対応を支援することが、スコープ3の高精度の情報開示やリスク分析につながる。
「サプライチェーン全体への責任が企業の信頼に直結する時代」(リコーESGセンター所長の阿部哲嗣氏)にあって、市場の関心が向かうのは脱炭素だけではない。「サプライチェーンの人権」は、今や投資家の最大の注目点のひとつだ。」
イオンも評判がよいのだそうです。
「非政府組織(NGO)の力を借りサプライヤーから人権関連の苦情を聞くイオンのような取り組みは、投資家の集まりでもよく話題になる。」
結論は...
「ESG投資の本質は、企業が環境や社会に押しつけてきた様々な負担を足し戻し、内部化し、あらためて企業を評価することにある。...
連結企業集団の枠の外に外部化されている費用が、かなり膨らんでいるのではないか。「ESG」を支持するかどうかは別にして、投資家が共有しうる危機感だ。」