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スズキ鈴木会長、未使用車の増加「責めるわけにはいかない」(レスポンスより)

スズキ鈴木会長、未使用車の増加「責めるわけにはいかない」

スズキの鈴木修会長兼社長が記者会見で、未使用車について、責めるわけにはいかないと述べたという記事。記事によれば、未使用車が「軽自動車の販売競争激化で増えている」のだそうです。

「未使用車とは、買い手が付く前の新車を販売店がナンバー登録だけおこなうもので、販売台数の水増しと指摘されている。

鈴木会長は「・・・トヨタを除くと軽メーカーばかりになっている。だからみなさん無理をしたということなので、必ずしもそれが続くと思っていない」と述べ、未使用車の発生の背景を解説。

こうした現状について鈴木会長は「やってよろしいということは言えない」としながらも、「やってはならないことだが、苦し紛れに例外が出てくる。それを責めるわけにはいかない。でもほどほどにしときなさいよと言わざるを得ない」と述べた。」

こういう登録は、自社や自社の関係者の名義で行うようです。軽の場合は、たぶん、車庫証明が不要ということで、自社登録がやりやすいのでしょう。

販売店が未使用車を売上に計上していたら、それは粉飾決算になります。また、売上に計上せず在庫(あるいは自社使用名目で有形固定資産に振り替え)のままにしておいた場合であっても、メーカーからのリベートで、登録に対して支払われるものがあれば、それは在庫金額から減額しておく必要があり、それをやっていなければやはり粉飾です。

メーカーからすれば、連結に含めている販売店で未使用車の売上計上などをやっていれば、連結上粉飾決算となります。連結に含めていない場合でも、いろいろな手段で、販売店に無理やり買わせていたということになると、押し込み販売ということになり、会計的にもグレーの領域です。また、販売店からすると、顧客がついていない車両を送ってこられても困るので、車両はメーカーのモータープールに置いたままというケースも考えられます。これは、メーカーからすると未出荷売上であり、限りなく粉飾に近い取引となります。

販売店やメーカーの会計監査人は、よく見ておくべきでしょう。スズキの社長がいっているように、ほどほどにしてもらわないと、制御不能になってしまうおそれもあります。

スズキの決算や経営全般についてはこちら。

スズキ会長「私が辞めるわけにもいかない」
85歳の鈴木修会長が後継問題に言及
(東洋経済)

「営業利益は、同4.4%減の1794億円にとどまった。ダイハツとの熾烈な販売競争による営業費用増や、約200万台に及ぶリコール関連費用などで、国内事業の営業利益が438億円も減少。」

「会見では最初から最後まで、常に全開だった鈴木会長。やはりどこまでいっても、鈴木会長あってのスズキ、なのか。」
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