会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「市場不正摘発に監視技術の高度化」前監視委員長に聞く(日経より)

「市場不正摘発に監視技術の高度化」前監視委員長に聞く(記事冒頭のみ)

証券取引等監視委員会の前委員長の長谷川氏(2022年12月に退任)へのインタビュー記事。

「「市場の番人」とも称される証券取引等監視委員会はインサイダー取引や粉飾決算などの行政や刑事処分を勧告・告発する権限を持つ。2期6年にわたり委員長を務め、2022年12月に退任した長谷川充弘氏に在任中の主な案件や監視委の課題について聞いた。」

特に印象に残る事件として、SMBC日興証券の相場操縦事件を挙げています。粉飾決算事件については(あまり興味がなかったのか、大きな事件がなかったせいか)ふれていません。

「――監視委の今後の課題は。

「最近は不正の手口が複雑になっているうえ、データが復元されにくいシステムを利用するなど摘発回避の手法も巧妙になっている。不正の端緒をつかんで摘発するには、デジタルフォレンジック(電子鑑識)を活用したり、SNS(交流サイト)上の情報収集を強化したりするなど、監視技術を高度化することが鍵となる」」

金融庁広報誌「アクセスFSA」2022年12月号にも、長谷川氏へのインタビュー記事が掲載されています。

こちらは、日産ゴーン事件にふれています。

「- 2期6年の中で特に印象に残った事案について、お聞かせください。

役員報酬の1億円以上の個別開示制度というものが比較的新しく設けられましたけれども、大手自動車会社の世界的に著名な会長の報酬が有価証券報告書に過少に記載されるという違反がありました。刑事告発後、その会長が国外に逃亡した点は残念ではありますが、会社は罰金を科せられ、開示検査を経て多額の課徴金も課せられました。役員報酬の個別開示は、コーポレートガバナンスの状況に関する極めて重要な企業情報です。その不正が、初めて明らかになり、刑事告発、課徴金となったことは、歴史に残る有意義なものであったと思います。」

ほかには、テラの事件にも...

新型コロナウイルスの猛威が内外の様々な活動に著しい影響を与えている最中、その治療法を開発すると標榜する会社の関連のインサイダー取引と、その資金調達に関する第三者割当増資の資金手当についての虚偽の適時開示、IRを偽計という法的判断で刑事告発いたしました。これは、いわゆる「ハコ企業」が、市場から詐術を用いて資金調達をするという不公正ファイナンスの一種であり、証券監視委が情報収集、摘発に注力していた分野であっただけに、大きな意義があったと思っています。」

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