オリンパスの14日までに提出予定とされる報告書が監査未了となりそうだという記事。
「オリンパスが策定中の決算報告書が、監査法人から適正との意見を得られず、事実上、監査未了で14日までに関東財務局に提出される公算が大きくなったことが9日、明らかになった。損失隠し問題を受け、過去5年分の訂正が必要だが、あずさ監査法人などとの調整が難航しているため。東京証券取引所は適正との意見がない報告書が提出されれば、上場規定に基づき直ちに上場廃止とはせず、引き続き審査する方向だ。」
「・・・適正意見を得る監査作業が間に合わない場合、監査意見不表明のままの決算報告書の提出を検討する。・・・」
第三者委員会報告書でも、損失先送りを解消するために1300億円超が必要だったことと、解消のためのM&A取引の内容は、比較的最近のことなのでかなりはっきりしているようですが、そもそも損失が1300億円超になってしまった経緯が明らかになっていません。報道によれば、関係書類はすべてシュレッダーされていて、かろうじて関係者の個人のパソコンに残っていたデータから取引記録を復元しているようです。監査としては、どの会計期間にどのような取引を行った結果、1300億円超になったというところまで、証拠によって裏付けしなければならないわけですから、簡単な作業ではありません。「不表明」あるいは「限定付適正」でもやむを得ないと思われます。
上場廃止回避のためだといって、十分な証拠が得られていないのに安易に無限定適正を出すのは、恥の上塗りでしょう。
オリンパス:損失隠し 保有株で穴埋め失敗 01年上場益見込み(毎日)
「オリンパスは00年以降、新規事業の展開のため子会社や出資ファンドを通じ、総合商社「日商岩井」(現双日)の子会社だったITXの株(計約190億円分)を取得。これに伴い山田前監査役らは、ITX株の値上がり益による損失穴埋めに期待した。」
飛ばしに使われたファンドを連結した場合に、ITX関連の会計処理がどうなるのか(影響するのかどうか)についても、検討が必要なのかもしれません(関連会社や子会社に含める時期など)。
オリンパスの闇「上場廃止を避ける空気」が「どのように作られる」か ――東電に引き続き暗躍する「闇の利害関係者」を全部書く(日経BP)
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