会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

外れ馬券は経費、大阪高裁も認定 検察側の控訴を棄却(朝日より)

外れ馬券は経費、大阪高裁も認定 検察側の控訴を棄却

外れ馬券が「経費」として控除されるかどうかが争われた裁判の控訴審判決があったという記事。一審判決と同様に「外れ馬券の費用も経費に含めるべきだ」という判決だったそうです。

所得区分が問題となっていました。

「判決を受けたのは、2007~09年に計約28億7千万円を賭けて得た30億円余りの払戻金を申告せず、5億7千万円を脱税したとして所得税法違反罪に問われた大阪市の元会社員男性(40)。

 課税額が「利益」の4倍にものぼった被告側は、競馬の払戻金は外れ馬券の購入費(約27億4千万円)を経費に計上できる「雑所得」にあたると主張。国税庁の通達に基づき払戻金を「一時所得」とする検察側と争っていた。」

被告側の主張どおり「雑所得」とされましたが、これは特殊な事情を考慮したからのようです。

「 米山裁判長はまず、「営利目的の継続的行為」として雑所得とみなされる基準について、「回数や頻度、規模も当然考慮に入れるべきだ」と指摘。そのうえで、男性が5年間にわたり週末の全レースを対象に機械的に賭けて利益を得ようとした実態を重視。男性が得た払戻金は雑所得に当たり、脱税額は5200万円にとどまると結論づけた。・・・」

ところで、カジノが日本でも公認されるようになりそうですが、カジノで当てたカネの税金はどうなるのでしょうか。一般には、一時所得だとして、馬券のように、払戻金とその払戻金を得るためにかかった支出額をひも付きさせるかたちで所得を計算し、課税するのでしょうか。公営ギャンブルですら課税するわけですから、民間で経営するカジノの払戻金に課税しないわけにはいかないでしょう。

大阪カジノに「5千億円投資」 米不動産会社が意欲(朝日)

「外れ馬券は経費と認める」判決出たが、そもそも馬券の利益を非課税と定めるべきではないか(現代ビジネス)

「現在、馬券代金の約10%は国庫に納付されることになっている。競馬ファンは、外れ馬券を買う時でさえ、馬券を通じて実質的に納税しているのだ。

・・・

税法のどこを修正するのがいいのか、技術的な問題は分からないが、実質的に「馬券の利益には一切課税されない」ということを明確に定めるべきではないだろうか。

或いは、どうしても課税するというなら、分離課税にして更に控除率を上げるなり、納税者背番号制と結びつけて自動的に課税するなり、全ての馬券購入者に対してフェアに行うべきだろう。

IPATに課税を組み込むことはシステム的に可能だろうし、現金の払い戻しの場合、身分証明書の提示と納税者番号入りの領収書を馬券的中者に書かせる。競馬ファンは激減しそうだが、やむを得まい。

課税にあって、不公平と当局による曖昧な裁量の余地を残すことは、社会にとって不健康だ。」
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