企業の粉飾防止策について弁護士に聞いたインタビュー記事(3月26日日経「時事法務」)。
監査意見と上場廃止の関係についてもふれています。
「・・・私は、会計士が不適正意見や意見不表明を出した会社が上場廃止に直結する現行の基準は改めるべきだと思う。」
「これだと会計士は粉飾の疑いがあっても意見表明をためらってしまう。間違った場合、多額の損害賠償責任を負いかねないからだ。上場基準を改正し、粉飾が発覚したことではなく、粉飾後の企業の改善状況で判断すべきだ。改善なら維持、改善されない場合は廃止とすべきだ」
明らかな粉飾の証拠があれば、「不適正」意見を出すことをためらうことは、さすがにないでしょう。ただ、会計士には強制捜査の権限がないため、オリンパスのように会社の幹部が主導した巧妙な粉飾をされた場合には、「不適正」と意見表明できる(あるいは粉飾部分を会社にもれなく修正させる)だけの動かぬ証拠を集めるのは難しいかもしれません。そのような場合には、「不表明」や「限定付」の意見を出して、問題点を表に出すところまでが監査人の役割であると思います。上場廃止と直結していると、そういう対応がやりにくくなります。
もちろん、「無限定適正」を目指すのは当然であり、「無限定適正」になりそうもないあやしい会社の監査を引き受けてはいけないのですが・・・
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