「フジテックvs投資ファンド」新展開、株主提案の役員候補に浮上の疑惑とは(無料登録により一定本数までの記事を読めます)
フジテック大株主の投資ファンド「Oasis Japan Strategic Fund」は、社外取締役全員の解任や、自社が推薦する新たな社外取締役の選任などの議案を提出しているが、その社外取締役候補者に問題があるという記事。
「株主提案で社外取締役候補の筆頭に推薦されている人物に看過できない疑惑が浮上し、情勢は混とんとしつつある。」
しかし、記事を読む限りでは、「疑惑」というほどのものではないように感じられます。
「フジテックが独自に調べたところ、オアシス側の推薦する社外取締役候補に別の問題があることが明らかになった。浅見明彦氏(62)がその候補者だ。
浅見氏は金融畑出身で、現在は官民ファンドの「東大IPC」(正式名称は「東京大学協創プラットフォーム開発」)の顧問や、ソフトバンクの事業開発統括顧問、国立大学法人東京大学の財務経営本部アドバイザーなどの要職にある人物。」
フジテック側の調査によると、浅見氏には、2つの問題があるようです。
1つめは、バークレイズ・グループからの解雇をめぐる訴訟で、「勤務態度や営業活動が芳しくない」という指摘があったことです。訴訟の場で、相手をけなすのは、あり得る話なので、候補者として不適格とまでいえるのかどうかはわかりません。しかも、訴訟自体は、すでに和解済みとのことです。
もうひとつの問題は...
「フジテックの調査では、浅見氏が原告となっている継続中の別の裁判(東京地裁令和4年(ワ)第20423号、損害賠償請求事件)も確認された。
浅見氏は2019年12月、がん治療装置を開発するベンチャー企業X社に約5000万円の出資を行った。X社の代表から「うちの会社に投資すれば儲かりまっせ。2021年までに上場確実」などと勧誘されたという。浅見氏の妻が経営する医療法人にもX社の医療機器を導入する契約を結んだ。
ところが医療機器は納入されず、開発状況は順調であると喧伝する一方、不都合な情報を開示しない姿勢に疑問を持ち、最終的に詐欺であることを確信して提訴に踏み切ったもの。
これに対し、被告のX社は「原告はプロの投資家を自任しており、本件投資契約の締結に際して、ベンチャー企業への投資の実務や特質を理解しないまま、被告の説明をうのみにして、被告の将来性を誤信したとは考えにくい。2021年までに上場が確実であるとの説明はしていない」などと反論している。
フジテックも「官民ファンドにおいてパートナーとなっているにもかかわらず自らの投資先について詐欺行為で提訴していることからすると、投資スキルや投資判断能力を有しているかについて疑義が生じ得る」(1月20日リリース)との見解を示す。」
詐欺の被害者として裁判を起こしただけであり、浅見氏側が何か違法行為をしたという疑いがあるわけではありません。これも言いがかりのような感じがします。
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