富裕層を狙う「課税強化」の実態とは?
最近の富裕層に対する「課税強化」の動きを取り上げた記事(一般向け)。
「近年、政府は富裕層の「租税回避」を封じる手段を次々と講じている。租税回避は税法に反する「脱税」ではないが、法の穴を突いて課税を逃れるいわばグレーゾーンの行為。これに網をかけようとしているのだ。
特に神経を尖らせているのが、海外での税逃れだ。2015年には、海外に移住する際に1億円以上の有価証券等を保有している場合には、譲渡したと見なして含み益に課税するという「国外転出時課税(出国税)」を導入。
そして2000年に導入された「5年ルール」を「10年」にすることが、2016年12月8日に政府与党がまとめた「2017年度税制改正大綱」に盛り込まれた。 」
節税にも、旧ソ連時代の政治的亡命者みたいな覚悟が必要なようです(亡命者とちがって祖国に一歩も足を踏み入れることができないというわけではありませんが)。
高層階の税額を引き上げるというタワマン節税封じについては...
「 「この程度ならまだ節税策として有効」というのが専門家の共通意見だが、「今後、時価で評価するなど、もっと踏み込んでくる可能性」(公認会計士・税理士の足立武志さん)もある。」
タワマンは土地というより建物部分の評価が大きく影響するのだと思いますが、そもそも建物については税務上の評価額と実際の時価との乖離が土地以上に大きいのでしょう。しかし、グレードの高い建物だから将来にわたって高い時価を維持できるということであればいいのですが(節税策としても有効)、建物のメンテナンスがきちんと行われなかったり、地域の雰囲気が悪くなって人気がなくなったりすれば、時価の方が急激に下がる(節税の意味がなくなる)リスクもありそうです。
国外転出時課税制度(国税庁)
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