米議会上院が税制改革法案を賛成多数で可決したという記事。
「先進国で最も高いとされる法人税率を2019年に35%から20%に引き下げることが柱。下院はすでに法人税率を18年に20%に引き下げる法案を可決しており、約30年ぶりの税制改革に向け大きく前進した。」
「減税などで財政赤字は今後10年間で約1・4兆ドル(約160兆円)増えるとみられている。」
法人税率「22%になるかも」トランプ大統領が譲歩示唆(朝日)
税率引き下げについては、いろいろな見方がありそうです。
コラム:米法人減税は「無用の長物」(ロイター)
「法人所得に対する課税は長期にわたり減少傾向にある。税引き前利益に占める課税額の比率は1970年代には40%だったが、2010年代には25%以下にとどまり、今年第3・四半期はとうとう22%になった。つまり、企業の課税負担は数十年にわたり軽減しているということだ。
米国は連邦政府と州政府を合わせた企業の税率が約39%と、先進国中で最も高い部類に入る。しかし議会予算局や財務省の分析では、控除などを考慮した実効税率はもっと低く、諸外国の水準に近い。こうした分析は、米国の税体系が抱えるより大きな問題が、制度の歪みや複雑さにあるではないかとの疑問を投げかけている。」
米、海外マネー還流促す 配当課税廃止で上下院一致(日経)
「両院は米企業の海外所得への課税を原則として廃止することでも一致した。米税制はやや特殊で、企業が海外で稼いだ利益にも税を課す「全世界所得課税方式」だ。米企業は海外子会社から配当を受ける際に35%の高税率が課せられる(海外納税分は除外)ため、海外に2.5兆ドルもの資金をため込んだままだった。
税制法案が成立すればこの配当への課税が原則なくなる。米企業は海外留保資金を本国に戻して設備投資や企業買収に充てやすくなり、株主への配当増などで株価などの押し上げ効果も期待できる。実際、05年に時限立法で還流資金の税率を下げた際には、海外からの資金還流が前年比3.7倍と大きく増えた。」
日本も「全世界所得課税方式」のはずですが...。海外子会社の配当については、例外として、外国子会社配当益金不算入制度があります。比較的最近導入された制度です。
外国子会社配当益金不算入制度の概要(財務省)
法人納税者の区分と課税所得の範囲(財務省)(内国法人は、全世界所得が課税所得の範囲だと書いてあります。)
Senate passes tax reform bill(JofA)
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