東京医科大の前理事長が、5年間で計約1億円の申告漏れを東京国税局から指摘されたという記事。
受験生の親などから受け取った謝礼を申告していなかったそうです。
「関係者によると、同国税局は、××氏らが受験生の親などから受け取った合格への配慮を求める手紙や、受験生の名前、受験番号、紹介者が記されたメモなどを確認。大学の報酬とは別に受け取った謝礼としての現金を税務申告していなかったと認定した。所得税の追徴税額は過少申告加算税を含め、××氏が約4千万円、××氏は数百万円。いずれも修正申告したとみられる。」
「18年8月に公表された同大の内部調査結果によると、××氏と××氏は、親などから依頼があった受験生の得点を不正に加点するよう職員に指示し、合格した場合には大学に寄付してもらうほか、個人的に謝礼を受け取っていた。」
申告もれが問題というよりは、大学への寄付金とすべきものの一部を自分のポケットに入れた横領行為といえます。そもそも、大学が寄付を入学の条件とすることは、禁じられているはずです。大学の帳簿に入れずに、横領したのであれば、もっと悪質です。
この事件の関連でリークされたのでしょう。
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文科省汚職、元局長が無罪を主張「息子に加点、知らず」(朝日)
「文部科学省の私立大学支援事業で便宜を図る見返りに、東京医科大学の入試で次男を合格させてもらったとして、受託収賄の罪に問われた同省元科学技術・学術政策局長の×××被告(60)ら4人の初公判が6日、東京地裁であった。××元局長は「私は無実です。息子に加点されたことは全く知りませんでした」と無罪を主張。ほかの3人も起訴内容を否認した。」
学校法人会計、寄付金、入学、で検索すると出てきました。きちんとまとまっていると思います。
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寄付金のポイント(1)(学校会計のチカラ)
「過去、一部の私立大学入学に関する寄付金の収受が原因で公正な選抜に疑似を招く事態が生じたことや不適切な会計処理が発覚したことがあり、社会問題化しました。そこで、文部科学省では公正確保の観点から、各私立大学宛の通知(14文科高第454号)を発して寄付に関する厳正な取扱いを求めています。
これらの趣旨を踏まえて、実務上は寄付金の取扱いには慎重な対応が必要です。特に、入学前の寄付の受領は注意を要します。以下は通知の概要です。
① 入学に関する寄附金、学校債の収受等の禁止
学校法人及びその関係者は、当該学校法人が設置する私立大学への入学に関し、直接又は間接を問わず、寄附金又は学校債を収受し、又はこれらの募集若しくは約束を行わないこと。
② 経理の適正処理と財務状況の公開
各学校法人は、その受け入れた寄附金等を学校法人会計の外で経理することなどのないよう、真実な内容をもれなく、明瞭に財務計算に関する書類に表示するとともに、内部監査機能を強化するなど経理の適正を期すること。(以下省略)」
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