東京商工リサーチが発表した上場会社を対象とする東日本大震災の被害調査を取り上げた記事。
「・・・全国の上場企業のうち、建物損壊など被災した企業は1135社にのぼった。うち「営業・操業停止」に追い込まれたのは472社。福島第1原発の放射性物質漏えい事故の影響で、現地拠点が避難指示を迫られた企業も18社あった。
被災状況については85社が「(復旧の)見通しが立たない」と回答。一方、481社は「一部・軽微」とした。被災の内訳は「建物損壊」が529社で最多。「生産ラインの被害」は194社だった。」
これを読むと、会社数だけでみれば、見通しが立たないような大損害を受けたのは、比較的少数のようです。
「津波で甚大な被害が出た青森、岩手、宮城、福島4県の太平洋沿岸地域(44市区町村)に本社を置く企業数は3万2341社、震災前の売り上げ規模は計9兆8982億円。」
被災した企業への支援は当然必要ですが、そうした企業に対する債権(金融機関の貸出金など)の評価は話が別です。決算日現在における貸倒見積額を引当しなければなりません。
記事の元になったと思われる公表資料↓
「東日本大震災」関連調査「上場企業の被害状況」調査(東京商工リサーチ)
3月16日午後3時までに震災被害を公表した1,597社の開示情報を調査したものだそうです。
適時開示情報閲覧サービス(東証)
現在最も注目される会社の被災状況↓
東北地方太平洋沖地震における当社設備への影響について(東京電力のプレスリリース)(3月14日)(PDFファイル)
「福島第一・第二原子力発電所をはじめ発電所および流通設備など当社設備が大きな影響を受けておりますが、その全容は現時点では不明」とされています。設備への影響についてしかふれていない点が注目されます。(その後も23日に配当予想の修正を発表しているのみ)
臨時報告書も24日現在提出されていない模様です。(金融庁は、損害額が算定できなくても、重要な災害が発生した旨の臨時報告書を提出するように指導していますが、それどころではないのでしょう。)
(注:同社のホームページでは毎日相当細かく開示されているようですが、IR目的というより、一般向けの情報提供が目的のようです。)
東日本大震災:直接被害25兆円…原発事故で拡大必至(毎日)
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